「割愛」の意味と使い方・語源・類語・対義語・敬語・言い換え
更新日:2024年07月13日
会議やスピーチなど、人前での発表で使うことが多い「割愛」について、実は正しい使い方を知らないということはありませんか。同じような意味の「省略」とどう違うのか迷うこともあるでしょう。
この記事では「割愛」という言葉の意味や由来について、また実際にどのように使えばいいのか、シチュエーション別に例文を交えて詳しくご紹介しています。更にあまり知られていない「割愛人事」についてもまとめました。
言い換え表現や英語での表現などについてもご説明していますので、この記事を読むことで言葉の引き出しが増え、人前で話す時も堂々と話すことができるでしょう。
「割愛」という言葉について、詳しく知りたい方は最後まで是非ご覧ください。
「割愛」の意味・読み方
「割愛」とは、「かつあい」と読み、「惜しい気持ちを持ちつつも思い切って手放したり省いたりすること」という意味を持ちます。
「割愛」は省くという意味がありますが、単純に不要なものを省くのではなく、愛着のあるものを仕方なく割って断ち切るという意味合いになります。
また、上記の他に、「愛着の気持ちを断ち切ること」「恩愛や煩悩を捨て去ること」という意味や、「公務員や大学の職員が他の民間企業や大学に籍を移すこと」という意味を持っています。
「省略」との違い
「割愛」という言葉と似た意味で良く挙げられたり、使い分け方がわからず同じように使ってしまいがちな言葉に「省略」があります。「省略」と「割愛」は明確に意味の違いがあるのでしっかり覚えて、使い分けられるようにしましょう。
省略は『簡潔にするために不要なものを省くこと』という意味です。つまり、簡単に言うためにいらない部分を省いてしまうことです。なので、「割愛」の『仕方なく手放す』という意味とは少し違ってきます。
「省略」は『簡単に説明するためにいらないものを省く』という意味で、「割愛」は『本当はこの説明も入れておきたいけれど仕方なく省く』という意味だと覚えておいてください。
「割愛」の由来・語源
「割愛」という言葉はもともとは仏教用語です。僧になるためには物や人に対しての愛着心を断ち切ることが必要であり、俗世を離れなければなりません。
そのため、出家の際は家族や故郷から離れ、寺に入るために愛着心を手放すのですが、このことを「割愛」と呼んでいました。そして「惜しいと思っているものを仕方なく手放す」という現在の意味になったのです。
また、「割愛」は養蚕用語でもあり、蚕は交尾の際に何日も固く結びついてしまい、卵を産む前に弱ってしまっては困るので無理やり引き離します。これを「割愛」と呼んでいたので、これが語源だという説もあります。
「割愛」の使い方と例文
「割愛」はビジネスシーンなどで使われることが多い言葉で、「本当は省きたくないけれども」という気持ちが伝わる表現ですので活用しやすい表現です。また、「割愛」はその言葉自体は敬語ではないため、目上の人に使いたい場合やかしこまったシーンでは、「割愛」に続く言葉を丁寧語にすると良いでしょう。
それでは、「割愛」の正しい使い方とシチュエーション別の例文をご紹介しますのでご確認ください。
結婚式や披露宴で使われる場合
「割愛」が使われるシーンの一つに結婚式や披露宴があります。結婚式や披露宴では電報が多く届きますが、その全てを読み上げるにはかなりの時間を要してしまうため、紹介を省く必要があります。
例文
- 「多数の電報をいただきましたが、お時間の都合上割愛させていただきます。」
このようにアナウンスすることで「気持ちのこもった電報を本当は全部紹介したいけど」という気持ちを伝えることができます。
会議などのビジネスシーンで使われる場合
ビジネスシーンでは、会議やプレゼンなど人前で話す機会によく使用されます。限られた時間の中で説明を終わらせなければならない時は、「残念ながら」という気持ちを伝える為に「割愛」という言葉を以下のように使いましょう。
例文
- 「お客様からの意見をまとめた資料については、時間の都合上この場でのご説明は割愛させていただきます。」
日常会話で使われる場合
「割愛」は、「本当は必要だけど、やむを得ず省略しなければならない」時に使います。日常会話では「あまり重要じゃないから割愛した」というような間違いが多くなりやすいので注意しましょう。
初回公開日:2017年12月04日
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