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「尽力を尽くす」の意味とビジネスでの使い方・例文・類語

更新日:2024年07月27日

「尽力を尽くす」という言葉を耳にすることがあります。「頑張って仕事をやり抜きます」という熱意は伝わってきますが、実は同じ意味を繰り返して使っている間違った表現です。「尽力を尽くす」の本来の正しい使い方と例文をご紹介します。

「尽力」という言葉は自分が使うのはもちろんですが相手に対しても使える言葉です。相手の方に協力してもらった場合には「ご尽力」という言い方になります。特に目上の方や取引先などには「ご協力ありがとうございました。」と言うよりも「ご尽力いただき感謝申し上げます」と言った方が失礼になりません。

「尽力」という言葉はフォーマルな印象を与えます。「ご協力」という言い方は、例えば小学校のPTAの資源回収後に「PTAの皆さん、ご協力ありがとうございました」と使えますが、会社のお得意先には使わないのが無難です。

なぜかと言えば「ご協力ありがとうございました」と言う側も言われる側も同じ立場のPTAの役員だからです。しかし、会社のお得意様は目上に当たるので、対等の立場によく使われる「ご協力」よりも「ご尽力」のほうが相応しいです。

目上の方への「尽力を尽くす」の正しい敬語表現をご紹介します。

目上の方に対しての敬語表現は?

・ご尽力賜り感謝申し上げます
・ご尽力いただき有難うございました
・今後ともご尽力賜りますようお願い申し上げます
・ご尽力に心から感謝申し上げます
・ご尽力の賜物とひとえに感謝申し上げます

自分の意思を伝える敬語表現は?

・尽力いたします
・尽力させて頂きます
・尽力して参る所存です
・尽力に努めさせていただきます

ビジネスで「尽力を尽くす」を使いたい場合は?

ビジネスで先方と対面した場合は、相手の表情や仕草を読み取りながらお互いに会話をするので、例え間違った表現の「尽力を尽くす」をうっかり使っても、先方が気づくことなく会話が進んでしまえば問題はありません。次回から気をつけて「尽力を尽くす」と言わなければよいだけです。

しかし、メールの場合は相手の表情を見ることもできない上に、何度も読み返されて間違いに気づかれることもあります。間違った表現の「尽力を尽くす」を使って恥をかかないように同じ意味で正しい表現をご紹介します。

メールでの例文を紹介します

・お客様にご満足いただける店舗を目指して、社員一同尽力に努めて参りますので今後とも何 卒のお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。
・今回のプロジェクトの成功に向けて、尽力を惜しまず作業の効率化を図ります。
・次回の納品を確実にするために、全身全霊で作業に取り組んでいるところです。
・今回の反省を糧として、スタッフ一同、尽力して参る所存です。

「尽力を尽くす」の類語は?

「尽力を尽くす」の類語を言葉別にご紹介します。

・一生懸命(一所懸命が元々の言葉です。最近は一生懸命の言い方が一般的になりました。)
一生懸命に励む 一生懸命に取り組む

・努力
最大限の努力を払う 努力を惜しまない 鋭意努力する

・全力・力
全力を傾ける 全力で取り組む 全力投球する 全力で臨む
力を振り絞る 力を出し切る 力の限りを尽くす 死力を注ぐ 全精力を傾ける

「尽力を尽くす」は使わないで

「尽力を尽くす」は間違った表現なので、うっかり使うと相手に失礼ですし自分の評価を下げてしまいます。就職の面接で「御社の発展のために一生懸命に尽力を尽くす所存です」と言ってしまうと学力を疑われ不採用の原因になりかねません。

「尽力を尽くす」という言い方は熱意を感じさせるので、深く意味も考えずに格好いいと判断する人もいます。言葉の響きだけでうっかり使ってしまい、自分の知らないところで恥をかかないようにしましょう。

「尽くす」という表現はひたすらに「誰かのために努力する」という意味があり敬語表現で多く使われるようになりました。その結果「尽くす」を過剰に使った「尽力を尽くす」という表現もいつしか現れて拡散した可能性も否めません。

本を読む習慣をつけましょう

本を読むと日本語の多様な表現を身につけることができます。例えば「尽力」の類語が「努力」「全力」「死力」「全精力」と「力」という文字だけでもこれだけのバリエーションがあり、これに「取り組む」「努める」「傾ける」「注ぐ」「惜しまない」といった動詞を付けることで「尽力を尽くす」の類語がたくさん現れますが、知らなければ使うことができません。

人のコミュニケーションは言葉によるものが多いので、言葉の数を増やすことはコミュニケーション能力を高めることに繋がります。言葉を多く知らなくても生きていけますが、多く知っていることでより生きやすくなります。

この「言葉」を身につける近道は「本を読む」ことです。言葉を数多く吸収するために読書の習慣をつけましょう。

初回公開日:2017年11月28日

記載されている内容は2017年11月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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