「遠慮なく」の意味や使い方とは?例文や言い換え表現についても解説
更新日:2024年11月03日
目上の人には使わない方が無難である
目上の人に対して「遠慮なく」や「ご遠慮なく」といった言葉を使うことは、たとえ文法や敬語として誤った使い方をしていなかったとしても、失礼だという見解や意見も存在します。
そもそも、上司などの目上の人が遠慮するような状況を作り出すこと自体が、失礼だという見解もあるのです。そのため、「遠慮なく」「ご遠慮なく」といった言葉よりも、「何なりと」といった言葉を使った方が、丁寧な気遣いが感じられるという意見もあります。
「遠慮なく」の言い換え表現
ビジネスシーンでは「遠慮なく」と使うより、別の言い換え表現の方が適している場合もあるでしょう。
「遠慮なく」と使うのをためらうような相手の場合は、他の表現で伝えると良いでしょう。そこで、「遠慮なく」の言い換え表現を3つ紹介します。シーンに応じて使い分けましょう。
「気兼ねなく」
「気兼ね」は「他人の思いに対して遠慮すること」という意味があります。
「遠慮なく」と同じように動詞の修飾語として使うことができ、「気兼ねなくご連絡ください」などと表現しましょう。こちらに遠慮しなくて良いですよという意味を伝えることができるため、「遠慮なく」と同じように使えます。
き‐がね【気兼ね】 の解説
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%B0%97%E5%85%BC%E3%8... |
[名](スル)他人の思わくなどに気をつかうこと。遠慮。「隣り近所に―する」
「お気軽に」
「気軽」には「堅苦しくない、気が置けない」という意味があるため、「遠慮なく」と同じように使える言葉です。
例えば、「お気軽にお越しください」という言葉を言われたり、見かけた経験がある方も多いのではないでしょうか。「遠慮なくお越しください」と同じような意味ですが、ニュアンス的には堅苦しさがない点が「お気軽に」を使うメリットでしょう。
き‐がる【気軽】 の解説
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%B0%97%E8%BB%BD/#jn-... |
[形動][文][ナリ]こだわったり面倒がったりしないで行動に出るさま。また、堅苦しくなくて、気がおけないさま。「―に引き受ける」「―な格好で出掛ける」
「忌憚ない」
「遠慮すること」を意味する「忌憚」は、「ない」とセット使いすることで、「遠慮なく」と同じような意味で使えます。
「忌憚ないご意見をお願い致します」と伝えることで、相手が遠慮なく思っている意見を言える環境を作ることが可能です。「お気軽に」に比べると堅苦しさがあるため、かしこまった場で使うのも良いでしょう。
「遠慮なく」の丁寧表現
続いて、「遠慮なく」の丁寧表現について考察していきます。敬語とは、敬意を払うべき相手に対して使う言葉ですが、「遠慮なく」を敬語として使うことは可能なのか、気になるところです。
「遠慮なく」の敬語表現については、以下のような見解が存在しています。
「遠慮なく」は敬語ではありませんので、自分の行為についてはそのまま「遠慮なく」と言えば良いのですが、相手の行為についての敬語表現では「ご遠慮なく」と言います。
出典: http://%E6%95%AC%E8%AA%9E.%E4%BE%8B%E6%96%87.jp/868_1.html |
「遠慮なく」の丁寧表現は、丁寧な意味を持つ「ご」を付け加えた「ご遠慮なく」という言葉だと言えそうです。
また、相手の行為や行動に対して「遠慮なく」を使う場合は、「ご遠慮なさらず」といった言い回しをすることも可能です。
「ご遠慮なく」
「遠慮なく」という言い回しをする際、大抵の場合は、「ご遠慮なく」という言い回しで使用します。
「ご遠慮なく」という言い回しについている「ご」という言葉は、丁寧な意味を示す「ご」だと考えられます。ですから、「遠慮なく」という言い回しよりも、「ご遠慮なく」という言い回しの方が、より丁寧だと言えるでしょう。
そのため、目上の立場の人物や、クライアント・お客様といった敬意を払うべき人物に対して、気兼ねなく何かをしてもらいたい時などには、「遠慮なく」よりも「ご遠慮なく」という言い回しを使った方が、確実と言えるでしょう。
初回公開日:2017年11月29日
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