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「考察」の意味と使い方・論文・レポートでの書き方・書き出し方

更新日:2024年07月15日

「考察」の意味とは、あることを明らかにするためにいろいろと調べたうえで考えをめぐらすことです。「考察」と意味の似ている語がいくつかありますので、それらと比較しながら「考察」の正しい使い方を理解して、レポートや論文に使ってください。

「考察」の意味と使い方・論文・レポートでの書き方・書き出し方

日本語には同音異義語がたくさんあります。例えば「コウサツ」という音に対して、「考察」「高察」「高札」「絞殺」など意味が違うので別の漢字を当てる言葉がいくつもあります。漢字を見ればだいたいの意味がわかるようになっていますが、パソコンで文章を書くことが一般的になっている昨今、同音異義語には十分注意しなくてはなりません。

他方、「考察」と似たような意味の言葉、すなわち類義語がたくさんあります。漢字は表意文字ですから、「考察」は「考える」ことと「察する」ことを合わせた意味の言葉になることはすぐにわかりますが、その類義語とどのように意味が違うのか、またどのように使い分けたらいいのか、知っておくことが大事です。

「考察」の意味と使い方

「考察」の意味は、ただ考えるというのではなく、何かある物事を明らかにするためによく調べることも含まれています。「察」という文字が「警察」にも使われていることを思い出してみるとよくわかるでしょう。「考察」という言葉の意味としては、何かあることを明らかにするためによく調べること、そしてそれをもとに考えをめぐらすこと、となります。

ですから「考察」は、何かを明らかにするためにいろいろ調べて、それをもとによく考えることという意味になりますから、例えば「今後の労働環境の改善について考察する」というように使います。それでは、いくつかの場面での使い方、類義語との違いなどを考えてみることにしましょう。

「考察」の論文・レポートでの書き方

「考察」はその意味からすると、論文やレポートにふさわしい言葉です。論文で大切なことは、この論文で何を明らかにするのかという問題を最初にあげることです。この問題を解決するために、先行研究を調査し、そのほかにさまざまなことを調べて考えをめぐらせるのですから、論文こそ「考察」の意味にぴったりの文章構成と言えます。

レポートは論文ほどの分量も先行研究の調査も必要はありませんが、やはりあるテーマについてさまざまな調査をして、その結果からいろいろ考えをめぐらせる必要があります。レポートも「考察」が大切であることは論文と同じです。「考察」するための資料収集と「考察」した結果の報告がレポートです。

それでは、「考察」の意味がうまく使われている論文やレポートのタイトルの例をいくつか考えてみることにしましょう。何を明らかにするために、どのような調査を行い、それをもとにしてどのように考えて結論を出したかということ、つまりどのような「考察」がこの論文やレポートで行われたかということがよくわかるタイトルにすることが大切です。

「ドイツ企業の東欧進出の歴史と現在の役割について」
「明治維新における大商人と幕府との関係についての一考察」
「大土地所有者としての貴族に対する産業革命の果たした意味について」

書き出し

論文やレポートのタイトルに、この論文やレポートで取りあげるテーマについての「考察」が示されるようにしなくてはなりませんが、同時にまた、書き出しが大事です。書き出しがまずいと、そのあとこの論文やレポートを読んでもらえないことさえあります。書き出しはそれほど意味があります。その例を考えてみることにしましょう。

「本論文は、バブル崩壊後のわが国の経済がどのような危機に直面したのか、そしてその危機をどのようにして克服しようとしたのかについて、おもに○○社の取り組みを例にして明らかにしようとする。」

理科における「考察」の意味と使い方

理科で用いる「考察」の意味は、これまでに述べてきたのとは少し違います。何かを明らかにするためにいろいろ調べて考えるというのが、これまでにみてきた「考察」の意味ですが、理科では「何かを明らかにすること」を目的にすることはありません。理科では、実験によって得られたデータがあり、そこから何かを明らかにします。

何かを明らかにすることが目的ではなく結果であるというのが、理科での「考察」です。ですから、例えば「これまでに得られた実験データをもとに考察すると、以下のことが考えられます。」というような使い方ができます。

「考察」と「検討」の意味の違い

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初回公開日:2017年12月11日

記載されている内容は2017年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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