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「提示」の意味と使い方・敬語・類語と「掲示」との違い

更新日:2024年06月25日

会議や商談、契約、会員入会などで、「提示してください」「提示します」という言葉を使ったり聞いたりします。しかし、同じ「ていじ」でも、似て非なるものがあります。今回は、この「提示」について、その意味と類語、使い方について解説しています。

「提示」も「表示」も示すという意味合いでは同じですが、「提示」は差し出して示すことが目的で、「表示」は表すことが目的です。

したがって、「表示」は「提示」のように、だれか特定の人、機関、窓口に差し出すという意味合いはありません。

次に「提示」と「明示」について解説いたしますが、この「表示」は、「明示」よりも柔らかい表現と言えます。

「提示」と「明示」の意味の違い

「明示」は「明らかにする、見ることができるようにする」という意味があります。

例えば、「賞味期限を提示しなければならない」といった場合、賞味期限の数字が書いてある(掲載されている)ものを差し出しなさいという意味になりますが、「賞味期限を明示しなければならない」といった場合、その賞味期限の日付が確認できる(見ることができる)ようにしなければならないという意味になります。

つまり、「明示」には、そこに数字や文章そのものが確認できる(見ることができる)ようにしなければならないという意味合いがあります。

「提示」と「標示」の意味の違い

「提示」と「標示」、どちらも示すという意味では同じですが、「提示」はこれまで述べてきたように、差し出して示すということが目的です。

これに対して「標示」は、何かを示すことにかわりはありませんが、それは資料などではなく、「目印や目標物となるものを明らかにする」という意味です。

前述の「表示」「明示」とも似ていますが、「標示」は目印や目的物を示さなければならないということを覚えておきましょう。

「提示」と「提供」の違い

「提供」は、提という字が入っていますので、「提示」と同じく何かを差し出すことは同じです。これに「供」という字がくっついているのですが、この「供」は供えるという意味ですので、差し出して供えるということになります。

したがって、「提示」は、差し出しますので見て(確認して)ください、見たい(確認したい)ので、差し出してくださいという意味ですが、「提供」は、差し出しますので役に立ててください、役立てたい(活用したい)ので、何かいただけませんか、という意味合いになります。

提示を英語にするときは注意が必要

日本語の場合は、差し出すものが変わっても、「提示します」「提示してください」というふうに、「提示」という単語は変更しなくてもある程度通じますが、英語の場合は、提示するものによって単語が変わりますので注意が必要です。

いくつか例を挙げておきます。事案などを提示する場合は「advance」、証拠を提示する場合は「bring」、物や型を提示する場合は「produce」、考えや書類を整理して提出する場合は「set out」、学説や仮説を提示する場合は「set up」などです。

他にもいくつかありますので、翻訳するときなどはきちんと調べましょう。

それぞれの意味を理解して使い分けましょう

このように、「提示」の意味と使い方、そして類語を解説してきました。「提示」と「呈示」のように、発音が同じでも意味合いが違うものもあります。

また、単語の中に「示す」という言葉が入っているものもあり、同じ示すでも対象が違ったり、示す内容が違ったりしますから、文章や案内物、あるいはアナウンスをする時は、意味合いを理解して作るようにしましょう。

初回公開日:2017年12月18日

記載されている内容は2017年12月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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