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「ファクター」の意味と使い方・化学でのファクターの求め方

更新日:2023年11月24日

ビジネスシーンでも、テレビドラマの中でもよく使われている「重要なファクター」という表現。その言葉の意味は、使われている場所や文脈によっても少しずつ違います。今回は、さまざまな分野におけるファクターの意味や用法についてのまとめです。

「ファクター」の意味と使い方

近ごろよく聞くようになったビジネス用語のひとつが、「主観的ファクター」や「重要なファクター」という表現です。分かりそうで分からないこのフレーズ、正確にはどういう意味をもつ単語でしょうか。

英単語の「ファクター(factor)」を日本語にすると、「要因・要素・原因・因子」のような意味になります。つまり、ある事象や結果が生じたとき、その元になった物や人などを「ファクター」と表現しています。語源はラテン語の「作る人、行為者」です。

元々ファクターは、フランス語「facteur」からの派生である「代理商・問屋・仲買人」という意味で、ラテン語の「行う人: facere(動詞)」が名詞化したものでした。これに現在の「要因」という意味が付加されたのは比較的最近で、19世紀になってからです。また、数学用語としても「因数・因子」という意味で使用されます。

借用語と外来語

現代の日本には「ファクター」をはじめ、英語を由来とする外来語が無数に存在していますが、そのファクターのひとつに「第二次世界大戦」における敗戦があります。外来語とは、その国の言葉に置き換えられずそのまま取り込まれている言葉で、「借用語」とも呼ばれます。

日本だけに限らず、世界中で混ざり合っている借用語は、国同士の力関係を象徴しているといっても過言ではありません。たとえば、かつてイギリスの植民地だったアメリカの言葉は、イギリス語(英語)と深い関係があります。

また、イギリス英語のルーツは中世のフランス語で、その歴史は1066年のノルマン征服にまでさかのぼります。ノルマン人が話していた言葉が、のちにイングランド貴族の公用語となりました。そしてフランス語のルーツとなっているのが、古代ローマを起源とするラテン語です。

ファクターの使い方

・肺がんのリスクファクターとして代表的なものに、「喫煙」があります。
・少子化を解決するには、まず待機児童問題という大きなファクターを解消するべきだ。
・親の経済力が、子供の将来を制限するファクターであってはならない。
・減税は、景気回復のための重要なファクターであると考えられています。

動脈硬化のリスクを上げる要因に、「糖尿病・高血圧・喫煙」などが挙げられます。のことき、ある特定の病気の発症率を高めると考えらられる要因のことを、「リスク ファクター(risk factor:危険因子)」と呼びます。

また、ある社会問題の背景にある要因を「ソーシャル ファクター(social factor:社会的要因)」と言います。たとえば、子供の肥満という問題を取り上げてみると、そのソーシャルファクターは「親の共働き・核家族化」であり、リスク ファクターは「孤食・偏食」であることが考えられます。

ファクターの求め方

普段あまり耳にする機会はありませんが、化学の分野でもファクターという表現が使われることがあり、一般的な意味とは少し違います。

化学

化学用語におけるファクターとは、ある溶液濃度の「補正係数(f)」を意味します。1グラムの標準物質を水に溶かして作った100mg/Lの標準液を作る場合、調整する人の技量によって秤量値にバラつきが生じます。

たとえば100mg/Lの標準液の濃度が99mg/Lだった場合、溶液の量を濃度で割った1.0101という値をファクターと呼びます。分析値にファクターの数値をかけて濃度差を埋めることで、ズレを修正することができます。

標準物質

標準物質(standard substance)とは、何らかの測定を行う時にその基準となる「材料や物質」を意味します。たとえば、1本の「ものさし」の一目盛が、正しく1ミリを示しているかを知るためには、それを測るための正しいものさしが必要です。

同じように、測定装置や測定方法の正しさ、公正さを証明するためには、そのための物質が必要です。日本国内の標準物質と標準物質生産者は、国際規格「ISO Guide 30」に対応する日本工業規格「JIS Q 0030(標準物質に関連して用いられる用語および定義)」によって、1997年に制定されたQ分類(管理システム)により認定されています。

滴定

滴定(てきてい: titration)とは、化学反応を利用して物質の量を測定する「定量分析法」のひとつです。化学反応を起こすためには、ガラス管(ビュレット)で一方の溶液をもう一方の溶液に垂らす(滴下)という方法を取ることから、「滴定」と呼ばれています。

具体的には、すでに濃度が分かっている「標準溶液」を使ってファクターを計算し、ビーカーの中で化学反応を起こすことで、反応までに必要な標準溶液の分量から濃度の分かっていない液体の中に含まれる物質の量を調べるという方法です。古典的な手法ですが、スピーディーに正確な数値が求められることから今も重用されています。

滴定は、基準となる化学反応によって「中和滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定・キレート滴定」などに分類されます。

ファクターの計算例

1年後の100万円と今日の90万円なら、あなたはどちらに価値を感じるでしょうか。言い換えれば、今目の前にある90万円と、1年経って金利が付いた後の100万円では、どちらを選ぶでしょうか。

結論から言えば、それが猶予資金であれば100万円になるのを待つべきですが、そうでない時は90万円のほうに価値があると言えるでしょう。次は、金融におけるファクターについて、その意味と用法をまとめます。

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初回公開日:2017年12月15日

記載されている内容は2017年12月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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