「係わる」と「関わる」の違いと使い分け・読み方・使い方
更新日:2024年07月14日
「係わる」と「関わる」の違いと使い分け
「係わる」と「関わる」の違いと使い分けをご説明するために、まずそれぞれの意味合いからご紹介します。
まず「係わる」ですが、「つながる」あるいは「つなぎとめる」といった意味合いを持ちます。これに対して「関わる」は、「つながりを持つ」という意味合いを持ちます。現在では「係わる」も「関わる」も、「ある対象とつながる。あるいは、つながりを持つ」といった意味合いで使います。そのため、どちらも意味合いとしては違いがありません。
ならば使い分けをする必要がないかというと、そんなことはありません。これは私的に使用する場合と公的に使用する場合で使い分ける必要が出てくるからになります。「係わる」と「関わる」は意味は同じため、私的に普段使いする場合はどちらを使っても問題はありません。ですが公的な場合は使い分ける必要があります。
ですので次から、公的な場合での使い分けについてご紹介します。
公用文
公的に使われる例の一つに、公用文があります。公用文は、国や地方の公共団体といった公的な組織や集団が、法令を書き記す場合や公用の文書を書き記す場合に用いる文章のことです。
公用文の場合は、「係わる」と「関わる」の内、「関わる」を使う必要が出てきます。かつては平仮名で「かかわる」と表記される場合もありましたが、現在では「関わる」を使用するようになっています。
公文書
公的に使われる例の一つに、公文書があります。公文書は、国や地方といった区別なく、公務員が職務上で作成した文書のことを意味します。
公文書の場合は、「係わる」と「関わる」の内、「関わる」を使う必要が出てきます。公用文と同じく、現在では「関わる」を使用するようになっています。
契約書
公的に使われる例の一つに、契約書があります。契約書とは、契約を締結するに当たって作成される、契約内容を書き記したもののことです。
契約書の場合は、「係わる」と「関わる」の内、「関わる」を使う必要が出てきます。こちらも上記と同じく、現在では「関わる」を使用するようになっています。
ここまでご紹介したように、公用文や公文書、そして契約書のように公的な文に用いる場合は、「係わる」ではなく「関わる」を使用する必要が出てきます。その理由は、「関わる」が常用漢字として使われるからです。
この常用漢字について、次にご紹介いたします。
常用漢字
常用漢字についてご説明します。これは、公用文や公文書、あるいは一般における社会生活で必要とされる、現代の国語を書き記す際に使用する目安となる漢字のことを意味します。これは内閣告示により示されます。これにより現在では、「かかわる」という語を使用する場合は、「関わる」を使用するようになっています。
ここまでで、公的に使用されるのは「関わる」だとご紹介してきました。ですが、あくまでも公的なものの場合であって、私的には「係わる」を使用しても問題はありません。また「係わる」と似た語で「係る」という語は公的に使用されることがあり、「係わる」について知っていると便利です。
ですので、次から「係わる」に関して詳細にご紹介します。
「係わる」の使い方・読み方
言葉を使いこなすには、その使い方や読み方を知っていると役に立ちます。ですので、まずは「係わる」の使い方と読み方についてご紹介します。
「係わる」の使い方
「係わる」の使い方ですが、「つながりを持つ」という意味合いを持ちますので、ある事柄とある事柄を関連させる時に使います。具体的な使い方として、次のような例があります。
彼は彼女に関わったお蔭で、今の生活を手に入れた。
このように、単独の事柄で使うのではなく、対応する複数の事柄に関連する際に使います。
「係わる」の読み方
「係わる」の読み方ですが、これは「かかわる」と読みます。この時に気を付けなければいけないのは、「かかわる」という読み方で異なる送り仮名がなされることです。「かかわる」という読み方に対応する送り仮名として「係わる」と「係る」の二つが使われます。
この「係る」という送り仮名をされる場合ですが、同じ漢字と送り仮名で読み方が変わる場合があります。その場合は、意味や使い方が異なりますので注意が必要です。このような「係わる」と「係る」の違いついて、次にご紹介いたします。
「係わる」と「係る」の違い
初回公開日:2018年01月27日
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