「便宜を図る」の意味と使い方|例文7つ・類語5つ|敬語表現
更新日:2024年07月17日
例文4「何かと便宜を図ってきた」
「何かと便宜を図ってきた」は、便宜を図るよう努めてきたことを表現しています。
1回便宜を図ったことがあるというのではなく、便宜を図るという行為を継続しているという意味があります。
【例文】
・彼のためには何かと便宜を図ってきた
・長い間、会社として党のために便宜を図ってきた成果だ
例文5「わざわざ便宜を図っていただき」
「わざわざ便宜を図っていただき」は、便宜を図ってもらった際にお礼を述べるときなどに使います。
「いただき」という謙譲語の形態なので、「わざわざ便宜を図っていただき」は目上の人に対して使う言葉になります。
【例文】
・先日は、わざわざ便宜を図っていただき、ありがとうございました。
・あの件については、鈴木さんに便宜を図っていただいたので、上手く進めることができた。
例文6「便宜的な処置をとる」
「便宜的」には、「その場において都合が良いようとりあえずのものごとの処置をすること」という意味があります。
「便宜的な処置をとる」は、「便宜を図って処置する」と言い換えることもできます。
【例文】
・今回の件については、熟慮の結果、便宜的な処置をとることに決定した。
・便宜的な処置をとるよう指示された。
例文7「便宜上」
「便宜上」には、「その方が都合が良いということ」という意味があります。「便宜上、〇〇する」という形式で使われることが多く、「都合が良いように〇〇する」と言い換えることもできます。
【例文】
・便宜上、この条件に基づき二つに分けて考える。
・便宜上、消費税は考慮せずに検討してみよう。
目上の人に使う際の注意点
「便宜を図る」という言葉は、政治家の汚職などのときによく使われることから、ネガティブなイメージを持っている人が多いので、注意して使う必要があります。
お礼などで「便宜を図っていただいて、有難うございます」と感謝を伝えようとしているにもかかわらず、相手の気持ちを害してしまう可能性もあります。
相手の人が言葉の意味を正しく理解しているという確証がない場合は、別の言葉に言い換えた方が無難です。
「便宜を図っていただいて有難うございます」
「便宜を図っていただいて、有難うございます」は、純粋に「便宜を図ってもらったこと」に対する感謝を伝えようとする言葉です。
しかし、相手が「便宜を図る」に対してネガティブなイメージを抱いている場合は、自分が悪いことに加担したかのような罪悪感を抱くことがあります。
後ろめたいことをやってやったような違和感
「便宜を図る」という言葉を誤解し、ネガティブなイメージを持っている人は、「便宜を図る」という行為を悪事だと認識しています。
「便宜を図る」を悪事だと誤解しているがゆえに、お礼を言われても、悪事に対してお礼を言われたような、妙な違和感を感じてしまいます。
「便宜を図る」の敬語表現
「便宜を図る」は、誤解して受け取られることがあるので、気を付けて使う必要があります。目上の人に使うときは、敬語表現にします。
「便宜を図る」を敬語表現にするには、まず「便宜」に接頭語の「ご」をつけて「ご便宜」にします。「図る」については、尊敬語の「お取り計らう」という表現に言い換えます。
その結果、尊敬語への言い換えは、「ご便宜お取り計らいくださりますよう」という、時代がかった言い回しになります。
「ご便宜お取り計らいくださいますよう」
「ご便宜お取り計らいくださいますよう」は、時代がかった言い回しになってしまい、あまり日常的に使うフレーズではありません。書面やスピーチの締めくくりなどでは、使われることもあります。
【例文】
・何卒、ご便宜お取り計らいくださいますようお願い申し上げます
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初回公開日:2017年12月20日
記載されている内容は2017年12月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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