「ご理解ください」の意味とは?使い方・例文・注意したいことを紹介
更新日:2024年07月16日
様々なビジネスシーンにおいて使われる「ご理解ください」ですが、使うシーンと相手によっては注意が必要です。
「ご理解ください」は相手に迷惑をかける場合や相手に損害を与えるようなことを依頼する場合には失礼です。
「ご理解ください」はすでに進行中の事柄に対する追認を求める言葉となります。迷惑になることであったり、損害を与える可能性があるような重大な事柄の場合は、追認という形式ではなく事前に説明して了承を得ておくべきです。
「台風が来たら出社できない」などの避けがたい事柄に対する理解を求める場合でも、相手にとって大きな迷惑になるだろう事柄の場合は「ご理解ください」ではなく「ご容赦ください」と言う言葉が相応しいです。
敬語であるが命令形である
「ご理解ください」という言葉ですが、話し言葉としても、書き言葉としても使える敬語です。ただし、「ください」という命令形を含んでいるため一方的に捉えられかねません。
そのため「ご理解ください」は受け取る相手によっては不快に感じるかもしれません。
特にビジネスにおいては、相手に悪い印象を与えないように、類語を使うかクッション言葉を使うようおすすめします。
クッション言葉を上手に使おう
受け取る相手に不快な思いをさせずに「ご理解ください」を使うには、クッション言葉を入れる方法があります。
「ご理解ください」の前に「何卒」、「恐れ入りますが」、「お手数をおかけしますが」などを使うとよいでしょう。
このような言葉を使うことで、相手に失礼にならず印象も和らげることが可能になります。
「ご理解ください」の言い換え表現
もし「ご理解ください」を使うことで、相手に不快な思いをさせてしまうのでは?と危惧するのであれば、類語を使って言い換えてしまうのも一つの手です。
ただし、類語といえど似たようなニュアンスにはなりますが、若干の意味の違いもあります。
「ご理解ください」の言い換え表現にはどのような物があるのか以下で紹介していきます。
「ご承諾ください」
「承諾」は相手の申し入れや頼みを同意して引き受けることです。
「ご承諾ください」の形にすると敬語表現にはなりますが、「ご理解ください」と同様に命令の意を表しているため使用には注意が必要です。
「ご理解ください」はこちらの事情を察してくださいという意味ですが、「ご承諾ください」はこちらの要求を受け入れてくださいという意味になります。
「昨今の原材料費高騰に対し企業努力を重ねてまいりました。誠に不本意ではございますが、商品価格を一部改定させて頂きます。甚だ恐縮ではございますが、ご承諾ください」、このように使います。
「お察しください」
「察する」は推し量るということです。つまり、「言われなくても分かっていますよ」と言うニュアンスです。
「お察しください」は、「何も言わなくても分かってくれますよね」といった具体的には言いにくい時に使える便利であり丁寧な言葉です。
「ご理解ください」は察してくださいという意味なので、「お察しください」と入れ替えても差し支えありません。
「ご了承ください」
「ご了承ください」は「許可してください」の敬語です。「ご理解ください」が既に決定済みであったり、進行中であったりする事柄に対して使うのに対して、「ご了承ください」はまだ始めていない事柄に対して相手の許可を求める時に使います。
このため「ご理解ください」と入れ替えると意味がずれることがあると言えるでしょう。「出張中は連絡が付きにくくなります。ご理解ください」を「ご了承ください」と言い換えると意味がずれることがあります。入れ替えると、出張していいかどうかの決定権が相手にあるようなニュアンスになるでしょう。
「ご確認いただいた形で仕事を進めさせていただきます。ご了承くださいませ」「こちらが見積書になります。こちらでご了承いただけるようでしたら作業に入らせていただきます」、というような使い方をします。
「ご高察ください」
「ご高察」は文字通り高い推察という意味です。少し言い換えると、「優れた」というニュアンスを含んでおり相手を敬う表現です。
「ご理解ください」も「ご高察ください」も「察してください」といった意味になりますが、命令形の「ください」を含んでいるため「いただく」や「賜る」等の言葉を使って表現を和らげるほうが無難です。
「日程変更に関してご高察賜りますようお願い申し上げます」「お客様におかれましては大変ご不便をおかけ致しますが、どうか事情をご高察いただきますようお願い申し上げます」、このように使います。
「お含みおきください」
初回公開日:2017年12月17日
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