「ございましたら」の意味と使い方・敬語・謙譲語・丁寧語
更新日:2024年06月11日
ここまでご紹介してきた「ございましたら」という敬語表現ですが、似た表現の1つに「おありでしたら」という言葉があります。先にも紹介しましたが、こちらも「ある」の丁寧な表現言葉として使用される事がありますが、実際には正しい敬語表現ではなく誤った言い方です。そのため、使用は避けるべきでしょう。
この2つの言葉は前述したとおり、正しい敬語表現である謙譲語の「ございましたら」という言葉と、誤った敬語表現である感覚で「お」を付けて使用されている「おありでしたら」という違いが生じます。敬語表現の正しさの時点で異なりますので、間違えないよう気を付けてください。
「ございましたら」と「ありましたら」の違い
先ほどご紹介したように、「ありましたら」をより丁寧に直した敬語表現が「ございましたら」です。また敬語の種類においてもこの2つの言葉は違います。前述したとおり、「ありましたら」は「あれば」の丁寧語です。しかし、「ございましたら」は謙譲語に当てはまる言葉です。したがってこの2つには敬語の種類が異なるという違いがあります。
またニュアンスも「ありましたら」よりも「ございましたら」の方が柔らかく、こちらが謙った言い方のため、相手も気軽に尋ねやすいというメリットがあります。そのため、ビジネスシーンで使う場合には、「ございましたら」を推奨します。
「ございましたら」は自分と相手どちらにも使えるのか
基本的に「ございましたら」という言葉は相手に対して自分を謙って言う言葉です。したがって、相手に対して使う事は可能ですが、自分に対して使う事はありません。時々「~ございましたら、こちらから連絡しても宜しいでしょうか」というような使い方がされますが、この場合は「~の時は」と言った方が違和感がありません。
例えば「相談がございましたら、こちらから連絡しても宜しいでしょうか」という会話は、少し不自然に感じます。しかし、これを「相談がある時は、こちらから連絡しても宜しいでしょうか」と言い換える事で自然な敬語表現となます。
メールでの「ございましたら」の使い方
最後にビジネスツールとして活躍しているメールの中で使用される「ございましたら」の例文をいくつかご紹介します。様々な使い方がありますが、今回は頻繁に使用される使い方を確認し、今後、取引先の相手や上司に対し、ビジネスメールを打つ際に正しく使用できるようにしておきましょう。
ご質問
まずは相手に対して「質問があったら」という意味で使われる事があります。この場合は「ご質問がございましたら」と使われる事が多く、謙譲語ではなく尊敬語として使用される事がほとんどです。このように相手が行う行動に対して「ございましたら」を使用する場合は、先ほど紹介したように「ご~ございましたら」と尊敬語に直して送信すると良いでしょう。
不明点
続いて「わからない事がありましたら」という内容を打つ際に使われる例文が、「ご不明点がございましたら」という使い方です。この「ご不明点」の前に「何か」を付ける事もあります。「わからないことがありましたら」と言ってしまうと少々聞きにくいですが、「ご不明点がございましたら」ならば聞こえが柔らかく、相手も質問しやすいでしょう。
お時間など
最後に時間や機会といった時を表す場合にも使用されます。「お時間ございましたら」や「また機会がございましたら」という言葉を聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
具体例としては「お時間ございましたら、ぜひ弊社にお立ち寄りください」というようにメールを打つ事が可能です。こちらも時間は相手の時間を指しているため、名詞の前に「御(お)」を付けることで尊敬語にしています。
「ございましたら」をマスターしよう
初回公開日:2018年02月21日
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