「重ね重ね」の意味と使い方・例文6コ・使えない場面/NG例
更新日:2024年08月01日
「だんだんと気温が下がり、雪の知らせも届く頃となりました。重ね重ねご自愛くださいませ」
主に、手紙などで使う「ご自愛ください」に「重ね重ね」をつけ足しています。寒くなってきて、さらに雪も降りだしたこの季節なので、風邪などで体調を崩さないように十分に気をつけてくださいね、という意味です。
「重ね重ね」が使えない場面・NG例
「重ね重ね」は、繰り返して起こってはいけないことについて話題にする場合使ってはいけないとされています。お葬式など、ご不幸があった場合などが当てはまります。
「重ね重ね」は、主に自分の抱く感情が深いものであると強調するための表現ですが、いつでもどこでも使ってもいいのか、というと必ずしもそうではありません。具体例をみてみましょう。
「お葬式」不幸が重なることを連想させる
お葬式に参列して弔意を表す場合、間違っても「重ね重ねお悔やみ申し上げます」と言ってはいけません。「重ね重ね」は「重なる」という意味から見てもふさわしくない言葉なのですが、2回繰り返されているということが「次々と不幸が起こることを連想させる」とされています。
これは「重ね言葉」といって、お葬式などではタブーとされています。「ますます」、「たびたび」、などのような言葉も同じくあてはまります。
「結婚式」再婚を連想させる
お葬式同様、結婚式でも「重ね重ね」のように繰り返して表現する言葉は使いません。例えば、結婚と同時に赤ちゃんを授かっている新郎新婦に対して、二つおめでたいことが重なってよかったね、という意味であっても、「重ね重ねお祝い申し上げます」とは言いません。
これも「重ね言葉」として、「再び結婚式をする」、つまり「この結婚がうまくいかないこと」を連想させるとして、使ってはいけない言葉となっています。
いかに丁寧な印象を与えるとはいえ、「敬語」は使う時と場合を選ばなければたちまち失礼にあたってしまうことがあります。日本語ならではの表現である「敬語」についての知識を深め、正しく自分の知識として身につけたい方は、こちらの本を読んでみてください。
「重ね重ね」はどんな言葉で言い換えられる?
「重ね重ね」という表現は、「度々」、「重ねて」、「幾重にも」、「重々」などのような言葉に言い換えることもできます。一通の挨拶状の中でどうしても同じような言葉が重なってしまいそうな時は、上記のような類義語を上手に使って言い回しを適宜変え、くどくなりすぎないようにしましょう。
「度々」
「度々(たびたび)」とは、同じ物事が何度も繰り返される様子を表している言葉です。
「度々申し訳ございませんが、ご確認お願いいたします」
上記は、「何度も繰り返して心苦しいけれど」というお詫びの気持ちが表現されています。
「重ねて」
「重ねて」とは、同じ事柄が繰り返されて起こる様子を指します。
「先日の件と合わせて、重ねて御礼申し上げます」
お礼状などで見られる表現ですが、「重ねて」は口語よりも文章語として使われることが多いです。
「幾重にも」
「幾重にも(いくえにも)」は、繰り返し、何度も、何重にも、という意味です。
「このとおり、幾重にもお詫び申し上げます」
何度も繰り返しお詫びするのでどうぞ許してください、と相手に請う場面が浮かびます。
「重々」
「重々(じゅうじゅう)」は「何度も」などの意味があり、「重ね重ね」を熟語化した言葉です。
「先日は大変なご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。(中略)最後になりましたが、このたびの不始末について重々お詫び申し上げます」
文末での挨拶です。謝意などの感情について強調したい場合のほか、このように回数についていうこともできます。
初回公開日:2018年02月04日
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