「移管」の意味と使い方・移行・移譲・移転の違い・類語と対義語
更新日:2024年07月10日
「移管」の意味と使い方
みなさん、移管という言葉を聞いたことありますか。テレビで聞いたことがある、なんとなく知っている、という人が多いのではないでしょうか。移管という言葉の意味を正確に説明できる人は多くないでしょう。
まず、移管という言葉の意味と、移管の使い方についてみていきましょう。
移管とは?
多くの辞書には、移管とは管理・管轄の権限を他に渡すこと。 と書かれています。法律の専門家が使う言葉と勘違いされそうな言葉ですが、私たちの生活では、移管という言葉が多く使われています。
さて、この移管という言葉の意味ですが、管理や管轄の権限を他に渡すこととあります。例えば、国が管理している事案や物品を市に任せることです。
やっぱり、国や市に関する言葉であって、私たち一般人には関係ない言葉だ、と早とちりしてはいけません。では、いったいどういう場面でこの移管という言葉が使われているのか見ていきましょう。
移管の使い方
株式の移管が完了した。こんな言葉を聞いたことないでしょうか。これは、もともとA証券会社で株式の取引をしていたけれども、B証券会社に株式の取引をお願いすることになり、A証券会社からB証券会社へと管理会社が変わったことを意味します。
ドメインの移管と言えば、ドメインの登録や管理をしてもらっているAという会社からBという別のドメイン管理業者に移すことです。
他にも、医療裁判をA法律事務所にお願いしていたけれども、B法律事務所に案件をお願いする場合でも、本案件はB法律事務所に移管するというように使われます。
このように、移管という言葉は私たちの生活では移管という言葉が多くの場所で使われています。確かに実際にプライベートで使うことがあるかと聞かれればそうではないでしょう。しかし、ビジネスにおいては使われる機会が多くありますので、正しい意味を理解して、正しく使いましょう。
移管と移行の意味の違い
移管に似た言葉で移行という言葉があります。どちらも「移す」という漢字が入っており、なんとなく、移動させることなのかと理解できますが、移管と移行の違いを説明することはなかなか難しく、多くの人がその違いを正しく理解していないのが現状です。
移管と移行の意味を正しく理解し、その違いを認識しましょう。
移行とは?
移管とは先ほど書いたように、管理や権限を他に移すことを意味します。では移行とはどういう意味で、移管とはどういう違いがあるのでしょうか。
移行とは移り行くことです。より詳しく言うと、ある状態から他の状態へ移ることを言います。例えば、学校に今まであった規則が来年度から新しい規則に変更となるとき、来年度から新しい規則に移行しますと言います。
他には、データの移行という言い方ができます。みなさんも、携帯電話を新しく買い替えた時に、昔の携帯電話から新しく買った携帯電話にデータを移しますが、その時に、データを移行すると使いませんか。
このようにデータを転送する時にも使うことができます。
移譲とは?
移管に似た言葉として移譲が挙げられます。移管と意味は似ていますが、移譲とは権限や権利、財産などを他に譲り移すことを意味します。
移管は管理を他に移すことですが、移譲は譲渡とほぼ同じ意味を持ちます。つまり、財産や土地の他、目に見えない権限などを他人に譲り渡すことです。
移管は管理の移動であって、移譲はその物自体を他人に譲ることを意味します。
財産を移管するということもできますが、財産を移管と言ってしまうと、財産を管理して言う人や会社が他人や他の会社に財産の管理を変更するという意味になります。
財産を移譲すると言えば、財産そのものが他人に渡るという意味になり、両者には大きな違いがあります。
移転とは?
移転はみなさんにも馴染みがある言葉ではないでしょうか。
一番身近に使うシチュエーションとしては、東京から大阪に移転した、店舗が移転した、といったように、引っ越しをしたという意味で使っています。
移転には、引っ越しのように、位置や住所を変えるという意味があります。
その他に、権利の主体が一方から他方へ移るという意味や、移すことを意味する法律用語でもあります。ある大家さんがマンションを経営していたけれども、その大家さんという法律上の立場を他の人に移す時に、権利移転という言葉を使います。
また、移転価格という経済用語としても使われることがあります。大きな会社だと海外に子会社がある場合があります。その親会社と海外にある子会社などの関連企業間で取引をする場合に適用される販売価格を移転価格と言い、ビジネスでは良く使われる言葉です。
移管の類語
初回公開日:2018年03月12日
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