「改訂」と「改定」の違いと使い分け方法|規定/改正/規程
更新日:2024年08月30日
「改訂」と「改定」の違い
日本語は、読み方が同じであっても意味が違ったり、意味が同じであっても違う言い方があったりします。日常使用している言葉が合っているのか間違っているのか、不安になります。
年を重ねるほど、言葉の間違いは恥じるべきことになりますし、周りから指摘はされにくくなります。正しい日本語を使用できているかどうかは、ご自身で確認していく必要があります。
今回、本記事では、言い方が同じ「かいてい」の改訂と改定の違いについてお伝えし、正しい日本語が使用できているかどうかを考え始めるきっかけになれば幸いです。
改訂とは
改訂とは、書物などの記述に変更を加えることを意味します。具体的には、内容を訂正したり、変更したり、追記したりするなどして、元の文章に何らかの変更がある場合に改訂という言葉を使います。
改訂の改の字は、改めることですので、この字だけでも元々のものを変更するということを意味します。一方、訂の字自体にも、言葉や文字の誤りを正すという意味があります。訂正や更訂、再訂、修訂、補訂などで訂が使われています。
つまり、改訂とは、改めて言葉や文字の誤りを正すという意味になります。ここでいう誤りとは正誤の誤りだけではなく、新しい見解により文章が古くなり変更する場合も含まれます。
改定とは
改定とは、すでに定められていた制度や規則などを改めて定めることを意味します。二文字そのとおりの、元々あるものを改めて定めることを意味します。
改訂も必ずしも誤りだけを訂正するわけではありませんが、改定は時代の流れや法律の変更や追加などにより定めていた内容を変更するときに使用されます。自身の考え方などの変更には改訂、自分以外の要因による変更が改定ということになります。
就業規則
就業規則とは、自分一人で行っている仕事や家族のみの場合を除き、労働者を一人でも雇入れて事業を行っている場合に、労働者の就業上守るべき規律や労働条件に関する規則のことをいいます。この規則は、労働基準法に基づいて定めることになり、常時10人以上雇入れしている場合は、この作成と作成したものを所轄労働基準監督署長に届け出る義務があります。
作成・届出した就業規則の変更は労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、すでに定められていた規則を改めて定めることになりますので、この場合は、改定となります。この場合にも、改定した就業規則を所轄労働基準監督署長へ再度届け出る必要があります。
公用文
公用文とは、国や地方公共団体・公共組合・営造物法人が出す法令や文書などに用いる文章のことをいいます。官公庁で作成される文書は、一般企業で使用されるビジネス文書の定型より、さらに詳しいルールがあります。ルールを守りながら、誰が読んでもわかりやすい文書にすることが求められます。
公文書作成要領の見直しによる新たな作成要領への変更は、改定になります。
書類
書類とは、文字で書き記したものや文書や書き付けのことをいいます。別の使い方としては、現実とは違う形式上のものを指す場合に使います。「あくまでも書類上の問題です。」などと使用します。コンピュータ業界では、書類は、アプリケーションを使用して作成されたファイルのことをいいます。
手書きの文書やパソコンを使用して作成されたファイルなどを変更する必要性にかられることがあります。これら作成された書類の内容を訂正したり、変更したり、追記したりすることは、元の文章に何らかの変更を加えることになりますので、改訂という言葉を使います。書類にカテゴライズされる文書は自身で作成しているものなので、改訂となります。
改訂と改定は単純に区別できるのか
以上、改訂と改定の違いをご紹介してきましたが、詳しい状況がわからない中で、改訂と改定は区別できるのでしょうか。前記しました、就業規則・公用文は改定、書類は改訂と断じました。しかしこれは、一般論としての使用となり、現実には、内容によって改訂になったり改定になったりします。改めて、改訂と改定の言葉の根源を見てみましょう。
就業規則の改定
例えば、就業規則ですが、これは、前記のとおり、規則の変更でも所轄労働基準監督署長に届け出ます。
今までの就業規則では、定年の年齢が60歳であったものを、現在の主流である65歳に延長しようとした場合、労働組合などの意見を聴いて、就業規則を変更することになります。その就業規則の中の定年の年齢を60歳から65歳に変更した場合は、改定になりますので、今までの概念とおりです。
初回公開日:2018年04月09日
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