「改訂」と「改定」の違いと使い分け方法|規定/改正/規程
更新日:2024年08月30日
就業規則の改訂
一方、一度作成された就業規則の文章をよく読んでみると、意味合いや内容は変更がないのに、誤字脱字などがあったときに変更するときも改定になるのでしょうか。
例えば、「満65歳をもって定年し」になっていたものを、「満65歳をもって定年し」に正す場合は、改定ではなく改訂となります。
このように、就業規則だから必ず改定というわけではなく、変更の内容によって、改訂の場合もあれば改定の場合もありますので、どのような変更であったのかを見極めて使い分けし、正しい言葉を選択しましょう。
「改訂」と「改定」の使い分け方法
同じ「かいてい」と読む改訂と改定ですが、全く違うときに使用することは理解できましたでしょうか。どちらかを使用すれば良いケースはなく、明らかにどちらかを選択して使用することになります。
どちらも内容を変更するときなどに使用される言葉ですが、具体的に使い分けができるよう、似たような言葉をピックアップしてみました。
それぞれの言葉には意味があり、改訂と改定のように、詳細がわからなければ、どちらに解釈すればよいのかわからないことや誤った使い方でも気づけない場合があります。改訂と改定だけでも混乱するのに、同様に使い分けが必要な言葉は他にもあります。
さっそく、見てみましょう。
規定
規定とは、きまりのことをいい、物事を一定の形に定めることです。法令の条文として定めることも規定するといいます。法令においては、ひとつひとつの条文に対しても、規定という言葉を使います。それぞれ個々にきめたものを規定といいます。
社内には、就業規則ではない細かなきまりがたくさんあります。これらのきまりを規定といいます。この規定を変更する場合は、定められた内容を変更することになりますので、規定の改定という言い方になります。
改正
改正とは、規則や規約、法令などを改めることをいいます。規則や規約、制度などに不備や不適当などがある場合に改めることを改正といいます。改正とは、文字とおり、改めて正しくすることになります。
改正を改訂や改定と混同して使用しないように、それぞれの意味を正しく覚えておく必要があります。あらためてそれぞれの定義をおさらいします。改訂は、間違いなどを正して変更すること、改定は、定められたことを改めて決めなおすこと、改正は、不適当なところを改めて正すことをいいます。
従来あった規則などに新たな見解などが加わって、不適当になったり不備だったりしたときに改正します。改訂と間違いやすいので注意しましょう。
規程
規程と規定は、よく間違えられて使用されることが多い、同じ読み方の言葉です。規定は、前記しましたように、条文などのひとつひとつになります。ひとつのことを定めることを指します。
一方、規程とは、定められた文書がまとまったものを指します。会社では、賃金規程や旅費規程といった使い方をしています。つまり、規定が集まったものが規程です。例えば、賃金規程では、基準内賃金(基本給や資格手当など)を規定したり、基準外賃金(時間外手当や通勤手当など)を規定したりしたものをまとめます。
このように規程と規定は、全く意味が違うものになりますので、口頭ではわかりませんが、文字として使用する場合には注意が必要です。
修正
修正とは、不適当だったり不十分だったりするところを改め直すことをいいます。改正と同じような意味がありますが、改正は主に法令などを改めるときに使われることと、修正は、文字や誤字を改め直すことのほかに、考え方や意見、方向性などを変えるときにも使用されます。
軌道修正という言葉があるように、必ずしも誤りではなくとも、現在の考え方や方向性を変え、現在向かうべき考え方や方法に導くときに修正という言葉を使用します。
訂正
修正とよく間違えられる言葉に、訂正があります。どちらも改め直すことに違いがありませんが、訂正を使用する場合は、誤りがあることが前提となります。修正にも、誤りを正すという意味がありますので、誤りを正すことを修正といっても訂正といっても間違いではありません。
自分の発言や自分からの文書の中に修正や訂正を使用する場合では、相手の印象を考えると、自分に誤りがあったので訂正しますといったほうが、修正しますよりは誤りを認めているというとらえ方になります。一方、相手の誤りを指摘する場合には、訂正してくださいよりは、修正してくださいの方がソフトに聞こえます。
誤変換は無知
以上、同じ読み方の改訂と改定の正しい使い方、改訂や改定の他にも、内容を変更するときに使用できる言葉をご紹介しました。日本語は相当に難しく、きちんとした意味がわかって使用していない方が大半です。また、現在では手書きで文書を作成することは稀になり、ほとんどの方が、パソコンを使用して文書を作成します。
パソコンを使用した文書は、たとえ意味がわからなくても変換キーを押せば、たくさんの該当語句が出てきます。たとえ間違った使用をしていても、誤変換と思っていただける節がありますが、私的な文書ではなく第三者の目に触れるような場合は、恥をかくことになりかねません。
初回公開日:2018年04月09日
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