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「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」の使い方

更新日:2024年10月15日

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」これは手紙の中で使われている文章ですが、どのような意味があり、どのようにして使うのが正しいのでしょうか。「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」の他、手紙で必要な「挨拶文」を分かりやすくご紹介します。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」の意味は?

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」これは、手紙やメールなどの前文に使用されます。一般的に手紙は、「前文」「主文」「末文」の構成になっています。

まず「前文」ですが、「頭語」と「時候の挨拶」「安否の挨拶」「感謝の挨拶」などの要素で構成されています。「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」は、この前文の「感謝の挨拶」にあたります。

文の意味は、「平素(つね日ごろ)は格別(特別に)高配(心配り)賜り(いただき)厚く御礼(心を込めてお礼)申し上げます」となります。つまり「いつも、お心配りをいただき、ありがとうございます」という、日頃のお付き合いへの感謝気持ちを伝える文章が「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」です。

次の「主文」には、「さて」や「ところで」などの「起し言葉」に続き、伝えたいことを書きます。最期に「結びの言葉」など「末文」で締め括ります。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」の使い方

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」を使った例文です。ただし、「拝啓」「敬具」の前後の改行、一字下げなどの、書式は省略しています。

『拝啓、春寒の候、ご家族の皆様におかれましては、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて(ここから本文を書く)末筆ながら、ご自愛のほどお祈りいたします。敬具』

これを分かりやすくすると『つつしんで申し上げます。立春が過ぎたのに、また寒さがぶり返していますが、ご家族の皆様は、お元気でお過ごしのことと喜んでおります。いつもお気に掛けていただき、本当にありがとうございます。さて(ここから本文を書く)最後に、どうかお体を労わってください。敬って申し上げました』となります。

拝啓などの頭語、時候の挨拶、安否の挨拶に続いて「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」などの感謝の挨拶を入れます。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」はなぜ使うのか

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」これら手紙の中で使う「感謝の言葉」はなぜ使う必要があるのでしょうか。

手紙の場合、相手の顔をみて、直接コミュニケーションをとるわけではないので、会話より一層の気配りが必要です。手紙の「前文」には「時候の挨拶」の後、相手の様子をうかがう「安否の挨拶」そして相手との関係性に感謝する「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」などの「感謝の挨拶」を続けます。

「ごあいさつ」をして、「ありがとう」を伝えて、その後で、やっと「本文」を伝えます。「本文」の内容が、相手に何かを依頼したり、お願いする場合はなおさら丁寧な前文が必要でしょう。

本文の内容を、相手に聞き入れてもらうめの準備、根回し的な意味もあって、「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」などの感謝の言葉を使われます。感謝をされて、嫌な気になる人は少ないでしょう。

メールでも必要?

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」は、メールでも必要でしょうか?最近はペーパーレスが進み、文書によるやり取りより、メールでのやり取りが多くなっています。メールで「前文」が必要な場合、不要な場合は、そのシュチュエーションにより変わります。

ビジネスのメールの場合は、前文のうち、「時候の挨拶」「安否の挨拶」はなくてもかまいません。頭語の後に、すぐ「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」など感謝の言葉を続けます。やり取りの多い仕事相手とは何度も同じ時候の挨拶や安否の挨拶は、かえって面倒になるからです。

ただ、ビジネスでもプライベートでも、初めてメールをする相手や、手紙の代わりに出す場合などには、「前文」を付けた方がよいでしょう。前文は、無いと失礼になることはありますが、あっても失礼にはならないので、迷った場合は付けておけばよいでしょう。

プライベートでの使い方

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」などの感謝の挨拶や、安否の挨拶、そして時候の挨拶などの前文はプライベートなメールの場合は、不要です。

これらの、手紙の前文は、改まった場合に使用するもので、メールのようにフランクなものには、そもそも不要です。もし仲の良い友人から、メールで「早春の候、平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」などと送られて来たら、かえって驚いてしまいます。

ただ目上の方に改まった内容をメールで出す場合や、初めての相手には前文を付けておいた方がよいでしょう。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」は謝罪文にも必要?

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」などの感謝の挨拶は、「お詫び」の手紙の場合は不要です。「文頭」+「安否の挨拶」+お詫びの本文が基本になります。

お詫び文の頭語には、一層丁寧な「謹啓」がよいでしょう。謹啓に続き、安否の挨拶だけを入れます。『謹啓 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。この度は弊社の手違いで(以下省略)謹白』のように頭語、相手を気遣う安否の挨拶の後に、直ぐお詫びの本文を書きます。

プライベートなどで上下の関係がない場合などは「前文を省略します」の意味の頭語「前略」を使っても良いでしょう。この場合は「前略」の後に、いきなりお詫びの文章を書きます。時候、安否、感謝など全ての挨拶は不要です。

相手に感謝の気持ちを伝えたくても「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」などは使いません。感謝の気持ちは文中で伝え、まずお詫びの文章を優先します。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」結びの挨拶

一般的に改まった手紙の構成には、一定のルールがあります。前文として「貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」などの安否の挨拶や「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」など感謝の挨拶を書いた時には、主文の後の末文で「結びの挨拶」を入れます。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」などに対しては、結びの挨拶として「引き続き倍旧のご厚情を賜りたく、切にお願い申し上げます」「今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」などがよく使われています。

他にも「末筆ながら、ご一同様にくれぐれもよろしく申し上げて下さい」「皆様におかれましては、くれぐれもご自愛下さい」など、こちらも多くのものがあります。前文で使った、挨拶文や、手紙の相手などにより使い分けます。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」以外の要素

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます」は、前文で使う「感謝の言葉」ですが、同じ意味をもつ感謝の挨拶は、他にもたくさんあります。

よく使われるのは「日頃は大変お世話になっております」「毎々格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」「平素は格別のお引き立てを賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます」「平素は格別のご厚誼にあずかり、厚く御礼申し上げます」などがあり、相手との関係により、適切に使い分けます。

前文の要素には、これらの「感謝の挨拶」以外に「時候の挨拶」や「安否の挨拶」があります。そして文頭に入れる「頭語」も前文の大切な要素です。では、これらの各要素には、どの様な意味があり、どの様な使い方をするのでしょうか。

「前文」の要素「時候の挨拶」の意味と使い方

「時候の挨拶」は、その時々の季節の様子や気候についての文章で、会話で言えば「いお天気ですねぇ」のように、相手の心を和らげる役目があります。これらも、季節ごと、月ごとに、昔から使い継がれてきた文章があります。

例えば、1月「新春の候」、2月「梅香の候」、3月「春暖の候」、4月「桜花爛漫の候」、7月「暑さきびしき折」、8月「残暑の侯」、9月「秋桜の候」、10月「菊花の候」、11月「落葉の候」、12月「歳末ご多忙の折」などはその一部ですが、咲く花の話題や気候などが主に使われています。

いわゆる、あたり障りのない内容で、会話の導入部にあたり、誰にとっても、不快に思うことがない話題です。ただ、時候の挨拶は、暦の上での春夏秋冬と、実際の季節感にギャップがありますので、注意が必要です。

時候の挨拶のうち、代表的な気候の挨拶を少しご紹介しましょう。

次のページ:「頭語」の「拝啓」と結語「敬具」の意味と使い方

初回公開日:2018年03月26日

記載されている内容は2018年03月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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