ビジネス上での「念のため」の使い方・敬語表現・言い換え方
更新日:2024年06月25日
「念のため」を含む表現の例文・使い方
ここまで、「念のため」という言葉の基本的な意味や使い方について、考察・ご紹介してきました。しかし、実践的な使い方については、いまいち理解できないという方も、いらっしゃるかもしれません。
そこで続いては、「念のため」を使用した言い回しや例文をご紹介していきます。例文を通して、「念のため」の実践的な使い方や使いどころなどについて、考えてみて下さい。
例文【1】:念のための確認
「念のため」という言葉を使用した言い回しの1つとして、「念のための確認」という言い回しが挙げられます。「念のための確認」という言い回しは、「念のため」という言葉を使用した言い回しの中でも、特にメジャーな言い回しだと言えるでしょう。
「念のための確認」というフレーズは、指示や注文の内容を繰り返し確認したい場合や、情報などについて詳細や、より深い内容まで尋ねる際などに、使用される言い回しだと考えられます。具体的な使い方としては、以下の例文のような使い方や言い回しができるでしょう。
・念のため、もう1度ご確認いたします。
・念のため、ご確認頂きますよう、よろしくお願いいたします。
・念のため、ただ今のご指示の内容を復唱し、確認いたします。
例文【2】:念のためご報告まで
「念のため」という言葉を使用したフレーズの中では、「念のためご報告まで」という言い回しもまた、比較的頻繁に使用されるフレーズの1つだと言えるでしょう。「ご報告まで」というフレーズは、「取り急ぎご報告まで」という言い回しで使用されることも多く、「とりあえず報告だけでも」といったニュアンスを含んでいます。
「念のためご報告まで」の使い方としては、以下の例文のような使い方ができると考えられます。
・会議の時間が変更となりましたので、念のためご報告まで。
・プロジェクトの内容に変更がございましたので、念のためご報告まで。
・取り引き先のA社からご連絡を頂きましたので、念のためご報告まで。
例文【3】:念のためお知らせします
上記でご紹介した、「念のためご報告まで」という言い回しと同様に、上司などに何らかの情報を一応伝えておく場合に使用できる言い回しとして、「念のためお知らせします」という言い回しが挙げられます。相手との関係性などによっては、「お知らせします」の部分を「お知らせいたします」などへ言い換えると、より丁寧な表現になるでしょう。
「念のためお知らせします」の使用例として、以下の例文も参考にしてみて下さい。
・会議の場所が変更になったことを、念のためお知らせします。
・先程、〇様からお電話があったことを、念のためお知らせします。
・契約について、クライアントから質問がありましたら、念のためお知らせいたします。
「念のため」と「一応」の使い方の違い
「念のため」の類語として「一応」という表現が挙げられます。「一応」という言葉は、曖昧な物事などを説明する際に使用され、日常会話でも多くの人が使っている、馴染み深い言葉の1つだと言えるでしょう。
そんな「一応」と、今回のテーマである「念のため」という言葉では、意味や使い方にどのような違いがあるのか、気になるところです。そこで続いては、「念のため」と「一応」の意味や使い方の違いについて考察していきます。
「一応」の意味
2つの言葉の違いについて比較する場合は、それぞれの言葉の意味や使い方を理解した上で、比較することが重要です。まずは、「一応」という言葉の意味について、確認していきましょう。
「一応」という言葉の意味について、「goo辞書」では、以下の引用のように解説しています。引用の内容から、「一応」には複数の意味があることが読み取れます。「1回」「1度行く」といった意味のほか、副詞としては「十分ではないものの」「大略」「念のため」といった意味があるとされています。
「念のため」の類語としては、後者の副詞としての意味や使い方が当てはまると言えそうです。
[名]
出典: https://dictionary.goo.ne.jp/jn/12328/meaning/m0u/ |
1 一度。一回。
2 一度行くこと。
[副]
1 十分ではないが、ひととおり。大略。
2 ほぼそのとおりと思われるが、念のために。
「念のため」と「一応」の違い
上記でご紹介した意味を踏まえて、「念のため」と「一応」の意味や使い方の違いについて、考察していきます。
結論から言うと、「念のため」と「一応」は、それぞれ同じような意味を持つ言葉だと言えます。2つの言葉は、類語や同義語といった関係だと言えるでしょう。
しかし、ニュアンスとしては、「一応」という言葉は、話し言葉であると認識している方も多いと言われています。そのため、「念のため」よりも、砕けた言い方やフランクな表現として考えている方も、少なくないとされています。
上記のような背景から、「念のため」の方がかたい表現であるとされており、「一応」よりも「念のため」の方が、ビジネスシーンに向いている言葉であると言えます。丁寧さの度合いや、使用に適している場面の違いが、2つの言葉の違いだと言えるでしょう。
ビジネスでは「一応」を「念のため」に言い換える
上記でもご紹介したとおり、「念のため」と「一応」は、意味が似ている言葉だとされています。しかし、丁寧さとしては「念のため」の方が上だとされており、「一応」は話し言葉や砕けた表現だと考える人もいらっしゃると言われています。
ビジネスシーンにおいては、敬語でのコミュニケーションが必須とされています。相手との関係にもよりますが、話し言葉によるやり取りなどは、基本的には失礼なものと見なされます。そのため、「一応」などの表現も、使用しない方が好ましいとされています。
「念のため」という表現は、「一応」や「とりあえず」などよりは、かしこまった表現であると認識されています。そのため、ビジネスシーンにおいても使用できる表現だと言われています。ですから、「一応」などは、ビジネスシーンでは「念のため」に言い換えて使用した方が良いと考えられます。
「念のため」はビジネスでも使える便利な言葉
初回公開日:2018年04月06日
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