「人の褌で相撲を取る」の意味と使い方・例・語源・類義語|仕事
更新日:2024年10月04日
人の褌で相撲を取るってよく聞くけれど
「人の褌で相撲を取る(ひとのふんどしですもうをとる)」ということわざは、日常でもビジネスシーンでも比較的よく使われる言葉です。よく使われる言葉だからこそ、意味を理解し、正しく使いましょう。ここでは、その意味や使い方・語源などをご紹介します。
「人の褌で相撲を取る」ってどんな意味?
「人の褌で相撲を取る」は、「ひとのふんどしですもうをとる」と読み、他人の物や力を利用したり、便乗したりして自分の目的を果たすことを意味します。
日常でもよく使われ「自分で努力せず利益を得るようなズルい人」を指して使われることが多く、できれば人からは言われたくない言葉です。「人の褌」と使われたり、「他人の褌」と使われたりしますが、どちらも意味は同じです。
どんな場面で使われるのでしょう?
どの様な場面で使われるのか使い方を見てみましょう。
あるお店での出来事です
同じ商品を扱うお店が並んで店を構えています。
A店:店員「店長、この商品の売り上げアップのためにポップやレイアウトなど、これまでにない目を引く宣伝をしたいと思います。」
A店:店長「いいアイデアだね。お客様の目に留まるよう工夫を凝らして下さい。」
店員のアイデアがあたり商品の売り上げが大幅にアップしました。同じ商品を扱っているにも関わらずB店の商品はあまり売れません。
B店の店長は、A店の売り上げアップの要因が宣伝の工夫だと気が付き、A店の宣伝方法をそっくりそのまま真似をし、売り上げアップに成功しました。
A店:店員「店長、隣の店を見て下さい。うちのアイデアを横取りしてます。『人の褌で相撲を取る』ってこのことではないですか。」
こんな場面で使われる「人の褌で相撲を取る」ということわざですが、他人のアイデアを横取りして利益を上げる様子からあまり良い意味で使われるものではないことがわかります。
商売はみんな人の褌で相撲を取っているの?
ここで、何か気が付きませんか。店舗で商品を売るためにはどこからか商品を仕入れなければなりません。他人が作った商品を仕入れて売る、つまり、「他人の物や力を利用したり、便乗したりして自分の目的を果たす」ということは、「人の褌で相撲を取る」ことになるのでしょうか。
この場合の答えは、NOです。「人の褌で相撲を取る」という意味で使われるのは、人の物を勝手に手に入れて行うことで、この場合は、同意を得て商品を仕入れている訳ですので「人の褌で相撲を取る」には当たりません。
しかし、別な意味で言えば商売のほとんどは、「人の褌で相撲を取る」ことで成り立っていることも事実です。このケースは後程、ご紹介します。
職場にもいる人の褌で相撲を取る人
仕事やビジネスの場面でよく見聞きするのが、部下の手柄を横取りする嫌な上司ではないでしょうか。
自分では何もしない嫌な上司
上司「部下君、この案件、君に任せたから頑張ってやってくれ。」
部下「はい、任せて下さい。」
上司「部下君、まだ終わらないのか。社長からも催促されているから早くしてくれ。」
部下「時間が掛かりましたが、ようやく終わりました。苦労した甲斐がありました。」
上司「社長。ようやく案件が片付きました。今回はずいぶん苦労しました。」
社長「さすが、上司君。よくやってくれた。」
部下「上司さん、ずるいよ。人の褌で相撲を取るなんて上司のすることか。」
人に仕事を押し付け自分は何もせず手柄だけは横取りする嫌な上司の典型です。まさに「人の褌で相撲を取る」こんな上司は持ちたくありません。
周りの人から見られてますよ
この上司のように「自分が良ければ周りのことなどどうでも良い」、という人は多く見られます。こんな人は、上司としても人としても失格です。
自分では気が付かなくても周りの人はよく見ています。自分だけが気付いていない。そんなことにならないように、周りの人からどう思われいるのか日頃から注意を払うことも必要です。
初回公開日:2018年04月02日
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