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気の毒というのは失礼なのか・「哀れ」「かわいそう」との違い

更新日:2024年02月06日

周囲に不幸があった時に使われる「気の毒」という言葉。その正しい使い方や意味を知らないまま使っていると、時に相手にとって失礼なケスもある事をご存知でしょうか?大切なビジネスシーンで失敗しないためにも、「気の毒」の正しい意味と使い方を紹介していきたいと思います。

「気の毒」と「かわいそう」の違い

それではここからは「気の毒」と似ているけれど違う意味の言葉について説明していきます。まずは「かわいそう」です。

「気の毒」と「かわいそう」は一見同じような言葉に思えますが、実は違う意味を持っています。似ているのですが、意味合いが少し「気の毒」とは異なっています。では、一体どこがどう違うのか、一つずつ見ていきましょう。

「かわいそう」の意味とは?

それではまず「かわいそう」の意味についてです。説明を聞くまでもないと思う方も多いでしょうが、改めて説明していきます。

「かわいそう」とは、同情する気持ちや不幸な身の上の人を救ってあげたいと思う気持ちのことをいいます。

漢字にはさまざまな当て字があります。主に「可哀想」「可哀相」「可愛そう」などですが、これらすべて当て字です。しかし、だからといってこれらの漢字が不正解だというわけではなく、どれも生活に浸透している漢字です。

特に「可愛そう」は一番「かわいそう」の意味から遠ざかったような漢字に見えますが、実は成り立ちを考えると一番近いとも言える当て字でしょう。それというのも、「かわいそう」という言葉は元々「かわいい」という言葉から来ているためです。昔は「かわいい」が「かわいそう」の意味と同でした。その意味が転じたのは中世後半からといわれています。

「気の毒」との違い

それでは、この「かわいそう」と「気の毒」の意味の違いについて説明していきます。

実は意味的にはそう違いはないのですが、その対象に違いがあります。上でも述べたように、「かわいそう」は「かわいい」からきています。「かわいい」とは年下の相手や小動物などに対して愛らしいと感じる感情のことです。

この言葉から転じた「かわいそう」も、思う対象が年下や小動物などの目下の立場の者に対する感情になります。つまり「かわいそう」の場合は目下の者をあわれむという意味合いが強いです。対して「気の毒」という言葉にはそういった意味は含まれていません。目上の人に対しても使う言葉です。

「かわいそう」と「気の毒」の一番の違いはその部分になるでしょう。

「気の毒」と「哀れ」の違い

それでは次に「気の毒」と「哀れ」の言葉の違いについてです。

この二つも似ているようでやはり少し違います。「哀れ」の場合はどちらかといえば「かわいそう」に近いものがあります。それでは、「哀れ」と「気の毒」の違いについて説明していきます。

まずは「哀れ」の意味から考えていきましょう。

「哀れ」の意味とは?

それでは「哀れ」の意味についてです。こちらも聞くまでもないと思う方も多いでしょうが、改めて説明していきます。

まず「哀れ」にはほかの漢字として「憐れ」というものもあります。これはどちらも間違いではありません。ただ「憐れ」のほうが文学的で少し難しいイメージを持たれる方が多いでしょう。ほかにも「憐憫」という似た意味の言葉もあります。

そんな「哀れ」の意味についてですが、悲哀などの強い心の動きのことを指して言います。かわいそうな姿や物悲しさ、どうすることもできないさまなど、しみじみとした悲しみを表す言葉です。

ほかにも、「心惹かれることや感動を受けるさま」という意味もありますが、ほとんどの場合は上記のような物悲しい沈むような気持ちを表すことが多いです。「哀」や「憐」という漢字からもそのような意味が感じられるでしょう。

「気の毒」との違い

それでは、この「哀れ」と「気の毒」の違いについて説明していきます。

「哀れ」はどちらかといえば「かわいそう」に近いということを書きましたが、理由としては「かわいそう」同様に上から発する言葉といえるためです。「不憫」という言葉もそうですが、目下に向けて使う場合が多いです。

また、「哀れ」は外見の様子についておもんばかる言葉でもあります。見た目にも哀れな様子などを指して使います。この部分については「痛々しい」という言葉とも似ています。ただ、「痛々しい」に関しては主に外見のみを指して使われますが、「哀れ」は外見以外の部分にも使われる言葉です。

このように少しずつ「気の毒」と意味が違うのですが、逆に似ている部分もあります。それはどちらもやや相手を軽蔑する意味合いが含まれていることです。あからさまではなく内に秘めたそのような意味が「気の毒」と「哀れ」のよく似た部分と言えるでしょう。

気の毒というのは失礼なのか

では、根本的に「気の毒」という言葉を他人に対して使うというのは失礼なのか、考えていきましょう。

よく聞く言葉ではありますが、面と向かって他人に言うということはあまりないのではないでしょうか。どちらかといえば本人のいないところで、「あの人は気の毒だね」などと第三者の立ち位置で言う場合が多いでしょう。

その理由としては、やはりあまり良い意味ではないことがいえるでしょう。上記したように「気の毒」とは多少相手を下に見た軽蔑の意味が含まれています。あからさまではなくとも根底にそのような意味合いが感じられますので、面と向かって言うのは悪口と捉えられてしまいかねません。また、言われた方としても決して良い気分とは言えないでしょう。

このことから「気の毒」という言葉を人に向かって言うのは、やはり失礼と言えるのではないでしょうか。

正しく使おう

ここまで「気の毒」という言葉の意味や使い方について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

普段何気なく使っている言葉にも実はさまざまな意味が隠されています。「気の毒」という言葉は特に類語や似た意味の言葉が多数ありますので、使い分けに悩む方もいるでしょう。

また、これを機会にほかの言葉にも触れてみるのも良いでしょう。意外と知っているようで間違った使い方をしている方は多いです。いざというときに恥をかかないためにも、正しい言葉の意味を知るというのは大切なことです。

この記事をきっかけに、ぜひ正しい言葉の意味を覚えていきましょう。

初回公開日:2018年04月17日

記載されている内容は2018年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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