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2025年問題の問題点と対策|厚生労働省/医療/看護/介護

更新日:2023年12月01日

この2025年問題とは、現在の日本人口の約800万人を占める団塊世代が、後期高齢者となり「超高齢化社会」へ突入する問題のことです。この記事では、2025年問題とは一体何が問題で、その問題をどのように解決していかなければならないのかを詳しくご紹介します。

看護職者の人材確保のために

医療のあり方を大きく見直そうとしている今、病院ありきではなく、訪問看護ありきの時代を迎えようとしています。その中で、医師と同じく活躍してくれるのが看護師の存在だと言えます。

①地域包括ケアシステム構築へ 
地域包括ケアシステムの浸透により、病気や障害を抱えながらでもサポートを受けながら住み慣れた場所で暮らし続けられる社会が実現することになります。生活の中に医療が日常として存在することになるので、看護師のケアマネジャーとしての役割や他職種との連携や協同が求められていくことが見込まれています。

②地域の生活の場における看護の機能強化 
訪問看護や看護小規模多機能型居宅介護施設の増設が検討されている今、看護師は地域包括ケアの中で重要な役割を担うと予測されています。また、看護だけでなく介護の知識も求められる可能性が考えられます。
 
③看護の裁量拡大 
医師不足を補っていくためには、特定行為を実施できる看護師の医療的判断や処置の実施が必要になることは容易に想像できます。そのための、医療技術の裁量拡大も今後の大きな課題と言えます。

つまり、2025年問題の1つに挙げられる医療対策の1つに、看護職(保健師・助産師・准看護師)の確保と技術向上ならびにその容認がキーになることは間違いありません。

薬剤師も訪問医療に携わる時代へ

病状だけでなく介護度が進行することにより、通院は難しくなります。そのため、施設に入所したり、在宅医療や介護を受けるケースは年々増加し、今後も増加していく見込みです。通院できないということは、処方箋をもらうことも薬局で薬を受け取ることもできなくなる人口が増えていくことに繋がるので、2025年問題を前に、薬剤師も訪問医療に向けた対策が必要になると考えられます。

「病院から在宅医療へ」は可能な問題なのか?

2025年問題を目前に、2016年から病院と医師の数が減少傾向にあることは前述しました。各都道府県が医療の将来像を示した「地域医療構想」に基づくと、2025年問題に対し必要ベッド数が2013年時点の134万床から15万6,000床減少する見込みとされています。

つまり、入院できる患者数が15万人以上少なくなるということです。この2025年問題を解決するためには、在宅医療が重要になりますが、それに関する具体的な解決策が見つかっていないため、医療現場の2025年問題が浮き彫りになっています。

歯科医療などの現場と認知症問題

2025年問題を語る上で、高齢者に多い認知症問題も避けられない問題です。歯科治療技術の目覚ましい発達により、虫歯になる患者数は年々減少傾向にありますが、病院に通院する患者の7人に1人が認知症になっている可能性が高くなると見込まれています。

症状や医薬品などの管理を徹底できる医療現場を構築するためにも、2025年問題を前に認知症問題への取り組みも必須と言えます。

医療費・介護費負担増も視野に

2025年問題の対策で早急に取り組まなければならないのが、医療費・介護費・福祉サービスです。この医療費負担減を全世代型へ転換を訴えるのであれば、高齢者の医療費負担増や社会保障の給付抑制などの政策も必要不可欠になると考えられます。

また、消費税10%目前に控える中で、教育無償化も討論されていますが、将来的に日本が医療・介護・教育などを含めた財政を健全に確保できるかというと、大きな疑問を残します。2025年問題とは、単なる超高齢化社会を迎えるということではなく、医療費や介護費の財政確保について、政府だけでなく国民1人1人が真剣に考えなければならない問題だと言えます。

2025年問題に向けた看護師の重要な役割とは?

急速に進む超高齢社会に突入する中で、病院完結型から地域完結型の医療・介護にシフトし、多職種を結び、高齢者の在宅生活を支えるなど、2025年問題のキーパーソンとなるのが看護師だといえます。

看護師不足など

2025年問題を前に医療・福祉業界の人材確保が急務となり、特に看護師不足への対策を打ち出している自治体が年々増加傾向にあります。結婚や出産などを機に、離職した看護師の再就職を支援するための看護師の登録制度を導入する地域も増えてきました。

超高齢化が加速の一途を辿る日本にとって、2025年問題対策のためにも看護師は非常に貴重な人材だと言えます。安心して年齢を重ね、安心して暮らしていける国を維持していくためにも、2025年問題を前に看護師の育成と再就職支援は、地域だけでなく国としても継続的に力を入れていかなくてはならない問題の1つだと言えます。

2025年問題に関する本

2025年問題について詳しく書かれた書籍をご紹介します。

■日本医療クライシス「2025年問題」へのカウントダウンが始まった
2015/6/11
渡辺 さちこ (著), アキ よしかわ (著, その他) /1,620円

■2025年、高齢者が難民になる日 ケア・コンパクトシティという選択
(日経プレミアシリーズ)
2016/9/9
小黒 一正 (著) /940円

■未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
(講談社現代新書)
2017/6/14
河合 雅司 (著) /821円

破綻寸前の経済状況で2025年問題を解決できるのか?

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初回公開日:2017年11月05日

記載されている内容は2017年11月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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