お寺で女性の出家者を募集しているの?僧侶になるメリットを解説
更新日:2024年06月20日
「お寺で女性の出家者は募集しているの?」
「女性は僧侶になれるの?」
「女性が僧侶になるメリットはある?」
このように、仏教に興味があり、出家を考え始めた女性は気になることがあるのではないでしょうか。「僧侶」と聞くと男性のイメージがあるかもしれませんが、宗派によっては女性も活躍しています。
この記事では、「僧侶になりたい」「出家に興味がある」といった女性に向けて、女性が僧侶になるための条件や方法、女性僧侶であることのメリットを解説します。
また、出家の意味や僧侶の役割といった基本的な知識はもちろん、日本における仏教の各宗派で女性僧侶はどれくらいいるのかといった具体的な資料も紹介します。
記事を読むことで、女性が出家するために必要な知識が身に付くでしょう。
ぜひ最後まで目を通してみてください。
女性が出家するにはどうすればいいの?
女性が出家するためには、いくつかの条件があります。
・「仏教の真理をきわめる」という強い覚悟
出家することを「仏門に入る」とも表現します。仏門に入る以上は世俗を捨て、仏教の真理をきわめ、その教えをひろめるという強い覚悟が必要です。
・寺院での修行
女性が出家し、尼僧になるためには寺院での修行が必要です。また、出家を機に仏教系の大学に入学し、仏教についての学びを深める女性もいます。
・年齢が20歳以上
僧侶・尼僧には「僧籍(そうせき)」という各宗派に登録する籍があります。この僧籍(そうせき)に登録するためには、最低年齢20歳以上でなければならない決まりがあります。
・出家する時点で結婚中ではない
女性が出家するためには、結婚中ではないことが条件に挙げられます。あくまでも出家するタイミングで結婚中でなければいいため、未婚・離婚・死別は問いません。どんなかたちであれ、出家する時点で婚姻状態が解消されていれば構いません。
・修行中は剃髪が原則
髪を剃り落とし、坊主頭にする剃髪。女性でも修行中は剃髪が原則です。剃髪は煩悩を捨て、信仰に専念するために行うとされています。
出家にはどんな意味があるの?
一般的に知られている「出家」の意味は、世俗の生活を離れ、仏教の教えにしたがって修行を積むことです。
現代ではそれぞれの宗派で修行を積み、僧籍を得て僧侶・尼僧として生きることを指す言葉でもあります。
ちなみに、仏教における「出家」とは「実家を出る」といった意味ではありません。食欲や性欲、出世欲、財欲などあらゆる欲の象徴が「家」であり、「出家」とは「欲を出て(欲を捨てて)、仏の教えを学ぶ」という意味があります。
一方、通常の生活を送りながら仏教に帰依(きえ)する人のことを「在家」と呼びます。「帰依」とは「仏または僧を信じて従う」という意味です。帰依は「帰命(きみょう)」「南無(なむ)」とも呼ばれます。
僧侶の役割とは?
僧侶には主に3つの役割があります。
・仏の教えをひろめる
僧侶の役割のひとつに「仏教(仏の教え)をひろめる」が挙げられます。日々の修行で仏教の教えを学ぶ僧侶は、人々にその教えをひろめる役割があります。
僧侶が人々に仏の教えを説くのは、主に葬儀や法要の場です。また、寺院によっては人生相談ができるような会を開いていることもあり、人々の心に寄り添いながら仏の教えをひろめています。
・葬儀で勤行(ごんぎょう)を行う
故人の冥福を祈り、家族や友人といった近しい人たちによって葬る儀式を葬式(そうしき)と呼びます。「勤行(ごんぎょう)」とは「仏教の勤めに励むこと」です。
仏壇の前でお経を読むことも、勤行のうちのひとつです。故人や先祖、また生きている人々の幸せを願い、僧侶による読経が行われます。
・法要で供養を行う
法要は故人の冥福を祈り、忌日・年忌で行われる儀式です。忌日法要は亡くなった日から7日ごとに行い、年忌法要は故人の命日に合わせて年単位で行われます。僧侶はこれらの法要で読経を行い、故人を供養します。
・僧侶と住職の違い
僧侶は出家し、日常生活でも仏教の教えを学び、修行を積んでいる存在です。一方、住職とは自身の寺院に住み込み、寺院の運営や管理、維持を行います。つまり、寺院の運営管理をしている僧侶=住職というわけです。ちなみに尼寺の住職は「庵主(あんじゅ)」と呼びます。
日本の女性僧侶の割合
仏教系の教師とされる女性は175,000人程と言われています。
もともと仏教は性別や年齢を問わず、すべての人に開かれた宗教です。寺院で修行を積む、仏教系の大学で学ぶといった手順を踏めば、男女問わずに僧侶になれる可能性があります。
初回公開日:2022年10月03日
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