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履歴書は返却するべき?履歴書の返却方法と封筒や送付状の文章例文

更新日:2024年01月05日

面接試験などで不採用となった応募者の履歴書の取り扱いについて、返却をしたほうがいいのか、また、返却しなくても法律違反にならないのかという事について。履歴書返却の際の送付状の要不要や事例ごとの送付状の例文の記載や個人情報保護法との関連も記載。

履歴書は返却するべきか?履歴書の返却方法と封筒や送付状の文章例文について

最近は個人情報の保護やプライバシーを守る権利といった言葉がやたら先行してしまっているためか、面接に来た求職者が「不採用の際には履歴書を返して欲しい」と言ってきたり、あるいは退職者が「退職したので履歴書を返して欲しい」などと言った問い合せが多くあるようです。今回はそういった履歴書の取り扱いを含めた、返済の方法などについて解説します。

履歴書を返却しないのは法令違反?

まず履歴書そのものの取り扱いについてですが、履歴書を返却しないことは法令違反に繋がるのでしょうか?平成17年に施行された個人情報保護法によると、履歴書そのものを返却しないことについて個人情報保護法違反には繋がりませんし、またそのことに対しての罰則規定もありませんので、直ちに個人情報保護法違反となることはないでしょう。

但し個人情報保護法には、個人情報保護法が適用される会社には個人情報を取り扱う場合において利用目的を特定する義務が発生しますので、履歴書を返却しない理由の明示が必要となります。また、その範囲を超える情報の取り扱いは禁止となりますので、例えば面接の結果不採用となった人の履歴書は返却することが望ましいですし、また返却しない場合であっても、個人情報を漏洩させないための管理が必要となります。

個人情報の保護に対し、どういった考え方を持っていてどういった対処をしているのかを問われたり見られたリすることにも繋がりますので、履歴書の返却を行う行わないははっきりと明示すべきでしょう。

退職者の履歴書は返却するべき?

個人情報の保護を理由に、「退社するので以前提出した履歴書を返却して欲しい」といったことを言う人が最近いるようですが、返す必要があるのでしょうか?あるいは返さなくてもよいのでしょうか?

雇用していた側が守らなくてはいけない法律

労働基準法第109条に「使用者は、労働者名簿・賃金台帳並びに雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を3年間保存しなくてはならない」という義務があり、雇用していた労働者が死亡、退職又は解雇となった場合も、その日から起算し3年間保存しなくてはいけないという解釈になります。雇用している会社側も退職者に関する記録を退職の日から3年間は保存しなくてはいけないのです。

履歴書をそのまま労働者名簿として使用している事業所の場合は、履歴書そのものがその記録となりますので、退職日に返却という訳にはいきません。また、退職後に給与明細の送付や離職票あるいは源泉徴収票といった、退職者が必要となる書類の作成や送付にも関わってきますので、その様な観点からも履歴書の即時の返却は難しいものがあります。

尚、履歴書が返却されない場合は会社側が責任もってシュレッダーにかけるなど、情報が漏れないようにするための対処を行っている場合がほとんどですが、心配なようでしたら会社に一度問い合わせてみましょう。

退職者側が履歴書を返却してもらう意味

では雇われる側から、個人情報の保護という観点から履歴書を返却して欲しいという請求は意味があるのでしょうか?結論から申し上げますと、勤続期間(年数)が長ければ長いほどあまり意味がないと言えるでしょう。

皆さんは就職の面接をする際に履歴書を提出することになるのですが、会社側としても素性の分からない人間を雇い入れる訳には行きませんので、提出をしていただくことになります。また、履歴書を提出してもらうことにより会社側が行うべき雇用者に関する手続き(雇用保険、源泉徴収、社会保険加入など)がスムーズに行えます。また、勤続期間が長くなれば結婚や子供の出生など家族構成の変化が生じることも考えられますし、引っ越しなどで転居することも考えられます。そういった場合、改めて履歴書を提出するという事はほとんどなく、会社の就業規則に沿った届け出の提出で報告する形になることでしょう。

22歳でA社に入社したBさんが、会社在籍中に結婚し子供も生まれマイホームを構えた後の30年後に、退職するからといって履歴書を返却してもらっても、前述の理由などから返却してもらった履歴書の情報があまり意味がないことと推測できます。

履歴書の返却には送付状を付けるべき?

ビジネスマナーの基本的な考え方としては、送付状は付けると考えるのが一般的です。例えば採用試験などにおいて、フランクな言葉遣いが許される場合であっても、同じ会社組織の人間ではなく外部の人になる訳ですので、それなりの対応が必要となります。

特に、小売店や外食産業などお客様相手の店舗などの場合、送付状も付けずに履歴書のみを返却し、冷たい印象を持たれたり、マナーに欠ける印象を持たれるような対応をしてしまったとします。そのことが原因で良くない噂が流れ、集客に影響してしまうことも考えられますので、送付状を付けての返却が無難となります。

履歴書の返却の際の送付状の文章例文

それでは実際に、履歴書を返却する際に添付する文面について解説させていただきます。まずは不採用とした相手に対しての文例です。尚、今回記載したものはあくまでも一例に過ぎませんが、一期一会という言葉があるように「こんな会社は入らなくて正解だ」などと思われないように心がけましょう。

基本的な内容

まず基本的な内容として以下の項目を共通事項として記載しておきましょう。①名称、②日付、③会社名、④代表者名、⑤あいさつ文といった内容が基本となります。

①の名称というのは送付状の名称ですが、「選考結果のご連絡」とか「選考結果のお知らせ」といった名称の方が望ましいです。単に「通知」とか「ご案内」のみでは冷たい印象を持たれたり、お知らせすべき内容がぼやけたりしがちなので、避けた方がよいでしょう。

②の日付は選考結果を決定した日付が良いでしょう。西暦で何年何月何日と書くよりも年号で何年何月何日と書くのが一般的のようです。

③の会社名は、株式会社○○とか○○株式会社と言った具合に正式名称で記入しましょう。(株)などといった略号は使用しないようにしましょう。

④の代表者名はその会社の社長名になります。選考結果の書類なので「総務部」とか「人事部」で出す企業も多いようですが、その名義ですと後に続く「慎重な協議の結果」という文面に軽い印象を持たれ兼ねませんので、代表者名の方が良いでしょう。

この後に⑤のあいさつ文が続くわけですが、文面にて相手に呼びかける場合「貴殿」や「貴方」のような呼びかけよりも、相手の名前で「○○様」と呼びかけた方がより丁寧な印象を受けやすいので、名前での呼びかけのほうが良いでしょう。あいさつ文の内容については、続いての各項目にて解説させていただきます。

不採用新卒者向け

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初回公開日:2017年09月23日

記載されている内容は2017年09月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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