離職票に記載される賃金額|交通費・雇用保険と賃金額の関係
更新日:2024年11月16日
離職票に記載される賃金額って?
離職票は、雇用保険の資格喪失時に発行される書類のことです。簡単に言うと、退職時に会社からもらう、退職日や退職理由、在籍期間の賃金額が記載されている書類のことです。この書類を元にハローワークが失業給付額を算定するので、非常に重要な書類と言えます。離職票に記載されている退職日や退職理由は明確なものなので理解できますが、賃金額の中身についてはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで、今回のテーマである離職票の賃金額について詳しく見ていきましょう。
離職票とは?失業給付申請に必要?
離職票と聞いて、ピンと来ない人は、退職や転職経験のない人でしょう。普通に会社勤めをしていたら縁のないものだからです。退職後、次の就職先が決まっておらず、求職活動をすることを前提に雇用保険から給付されるのが失業給付です。そしてその申請を行う際に必要となるのが離職票です。
離職票は雇用保険資格喪失時に発行されるもの
会社を退職するということは、雇用保険被保険者の資格を喪失することになります。その際に、会社が作成し、ハローワークが発行するのが「離職票」です。離職票は2枚あり、離職票-1がA4用紙より少し短めの大きさで、離職日や離職理由等が記載されています。離職票-2がA3用紙で、主に賃金額と詳細な離職理由が記載されています。
転職先が決まっている場合、失業給付の受給要件を満たさない為、ハローワークへ離職票の提出は必要ありません。しかし、転職先を短期間で退職する場合に雇用保険の被保険者期間を通算できるので、発行された離職票は大切に保管しておきましょう。一度失業給付を受給すると、被保険者期間がリセットされますが、給付を受けない限り通算され、賃金額も算定の対象になる場合があるからです。
このように離職票の情報をもとに、失業給付の受給資格、給付金額、給付日数が算定されることになる為、非常に重要な書類になります。
切っても切れない!雇用保険と離職票の賃金額の関係
離職票だけでなく、失業給付の給付元となる雇用保険についても知っておくと損はありません。労働者にとっても、もし経営者側になっても、働く限り雇用保険は自分にとって何らかの手続きが必要になるものだからです。雇用保険について知ることは、離職票についての理解も深まることになります。それでは、雇用保険と離職票の賃金額の関係についても詳しく見ていきましょう。
そもそも雇用保険って何?
遠い昔のことかもしれませんが、入社時のことを思い出してみてください。会社から、「雇用保険被保険者証」なるものをもらいませんでしたか?A4用紙タテ4分の1位の大きさの紙のものです。健康保険被保険者証等と一緒にもらったかもしれません。そこには被保険者番号が記載されており、一人一番号で管理されています。
会社で働く、という事は自分が意識しないうちに、必然的に雇用保険に加入することになるのです。では、雇用保険とは一体何なのでしょう。
雇用保険は、その名のとおり雇用者の為のもの
会社は、労働者が1人でもいれば、雇用保険適用が義務付けられています。そして従業員数が多ければ多いほど、毎年膨大な金額の労働保険料を国に納めています。労働保険は、雇用保険と、労働者災害補償保険いわゆる労災から成り立っています。そのうち、雇用保険料は会社だけでなく、労働者も負担しているのが特徴です。毎月の給与明細の控除欄に「雇用保険料」が確認できるでしょう。
会社で働くということは、仕事以外に、長い人生の中で様々な出来事が起こります。身内の介護、60歳の定年到達、女性であれば妊娠、出産の機会、転職、退職があります。つまり労働者がそれらの理由で働けなくなる時に、雇用保険から基本手当や給付という形で様々な給付金を受けられるしくみとなっています。その給付金は、主に、会社と労働者が負担している雇用保険料から賄われているのです。
離職票記載の賃金額と毎月控除される雇用保険料は比例する
毎月自分の給与から控除されている雇用保険料は、給与額に雇用保険料率を掛けて算出されています。その為、給与額が多い人ほど、支払う雇用保険料も多いですが、その分離職票に記載される賃金額は多くなります。反対に、給与額が少ない人ほど、支払う雇用保険料も少なくなりますが、離職票に記載される賃金額は少なくなります。離職票記載の賃金額、つまり失業給付額の算定となる賃金額と毎月控除される雇用保険料とにはこのような関係性があります。
離職票に記載される賃金額は?
雇用保険を理解したところで、次は離職票に記載される賃金額についても見ていきましょう。失業給付の算定額に影響するので、きちんと内容を把握しておきましょう。
そもそも「賃金」の定義って?
事業所向けの冊子、厚生労働省発行の「雇用保険事務手続きの手引き【平成29年8月版】」によると、下記のように述べられています。
雇用保険法上の賃金とは
出典: http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shok... |
賃金、給料、手当、賞与、その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいいます。
すなわち、
(1)「事業主が労働者に支払ったもの」であること
(2)「労働の対償として支払われたもの」であること
の二つの要件を備えているものをいいます。
簡単に言うと、働いて、その労働の分の対価として会社からもらう給与のことです。上記の(1)には、お客様から直接もらったチップ等は含まれません。(2)には実費弁償的なもの、恩恵的なものは含まれません。賞与は年間の支給回数により取り扱いが異なります。それでは、具体的にみていきましょう。
初回公開日:2017年09月10日
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