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【業界研究】ガラス業界の現状・動向・課題について

ガラスは、建築、自動車、ディスプレー、生活用品(ガラス瓶など)などさまざまな用途で使われています。ガラス業界各社の資料によると、世界でのガラス用途の割合は建築物が83%、自動車が7%、太陽光発電などの特殊用が10%となっています。

業界の現状

世界的寡占業界

ガラスは、建築、自動車、ディスプレー、生活用品(ガラス瓶など)などさまざまな用途で使われています。ガラス業界各社の資料によると、世界でのガラス用途の割合は建築物が83%、自動車が7%、太陽光発電などの特殊用が10%となっています。

さらに、ガラス業界を事業内容で区別すると、主に建築用と自動車用の「板ガラス」と、薄型テレビやPCなどのディスプレーに使われる「液晶ガラス」の2つに分類することができますが、どちらも世界的寡占状態にあります。

板ガラスは、
1位:旭硝子(18%、日本)
2位:サンゴバン・セントラル硝子(17%、仏・日本)
3位:日本板硝子(17%、日本)
4位:ガーディアン(13%、米)
と4社で世界の65%のシェアを占めています。

一方、液晶ガラスは、
1位:コーニング(27%、米)
2位:コーニング・プレシジョン・マテリアルズ(25%、米)
3位:旭硝子(24%、日本)
4位:日本電子硝子(17%、日本)
と4社で93%という高い寡占状態にあります。

この寡占の原因としては、ガラス製造が装置産業という巨大な設備を必要とする産業であることに加えて、割れやすいというガラスの特性から輸送等が難しくなり参入障壁となっていることが挙げられます。

基本情報


  • 市場規模:3兆1,435億円

  • 労働者数:17,906人

  • 平均年齢:39.7歳

  • 平均勤続年数:16.0年

  • 平均年収:572万円

3兆1,435億円という市場規模は、菓子業界、パチンコ業界、太陽光発電システム業界と同程度の規模になります。

平均年収572万円という比較的高めな数字になっていますが、これは残業代込の数字であり、基本給をベースに考えるともっと安くなってしまうようです。ただ、大手を中心に残業代をすべて支給するという会社も多いので、全体としてはホワイトな業界と言えるかもしれません。

仕事内容

ガラス業界の仕事は、会社によって異なりますが、大まかに「技術系」と「事務系」に分けられています。技術系には、「開発」「製造」「生産管理」「情報システム」などの職種があり、その仕事は基礎研究、商品開発、お客さまへのテクニカルサービスと多岐にわたります。

事務系には、「営業」や「物流」といった職種があり、製品企画、販売戦略策定、物流ルートの開拓、物流システム構築などに携わります。

1位:旭硝子:1兆3,262億円
2位:日本板硝子:6,292億円
3位:HOYA:5,057億円

1位:旭硝子:802万円
2位:HOYA:738万円
3位:日本板硝子:731万円

業界の動向

日本板硝子が赤字に転落

2015年は、ガラス業界各社とも波のある1年になりました。自動車用ガラスは北米を中心に海外で好調でしたが、国内はエコカー減税制度の改定や軽自動車の不振の影響もあり低調でした。

日本板硝子は、ディスプレー用ガラスの供給過剰による価格競争激化や、中国子会社撤退の損失もあり最終的に赤字に転落しました。自動車用ガラス、建築用ガラスともに今後の国内需要は横ばいの見通しとなっています。

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