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【業界研究】ガラス業界の現状・動向・課題について

ガラスは、建築、自動車、ディスプレー、生活用品(ガラス瓶など)などさまざまな用途で使われています。ガラス業界各社の資料によると、世界でのガラス用途の割合は建築物が83%、自動車が7%、太陽光発電などの特殊用が10%となっています。

ガラス業界各社は2014年以降、建築用ガラスの価格を上げています。

値上げの要因は、円安を背景とした燃料価格の上昇や、中国製を中心とした輸入品価格の上昇などが挙げられます。中国は、中国国内での板ガラスが供給過剰になったこともあり、余剰分を日本に出荷していますが、円安で日本向けの価格も引き上げられつつあり、安い輸入品という価格メリットは薄れつつあります。

しかし、その結果として日本産の板ガラスも値上がりし、今後の板ガラス受注に影響が出るのではないかと懸念されています。

業界の今後の将来性

何よりも技術力の強化を

ガラス製品は、建築、自動車、オフィス機器、携帯型電子機器などに不可欠なものとなっています。そして、依然として海外との競争は激しく、国内市場は縮小傾向にあります。

板ガラスの製造は、エネルギー消費が大きいため設備のフル稼働が必要となり、需要の変動に応じて生産量を調整することが難しくなってしまうというリスクを抱えていますが、世界的に見れば、この業界は技術力が競争力強化の決定的要因となります。

世界経済の停滞もあり、エコ型ガラスの需要は今後さらに高まっていくと予想されています。複層ガラスは新築住宅でもリフォームでも需要があり、海外でも数字を伸ばせると期待されています。

技術力を武器に、生産性を向上させて高機能製品を開発し、かつ循環型社会に配慮した製造環境を整えることができるかどうかが、ガラス業界にとっての今後を左右することになるでしょう。

また、飽和状態である国内市場を考えても、新興国の開拓は不可欠なものとなりますが、新興国経済は好不調の波が大きいため、マーケティングを重視してしっかりとその需要を見極めたいところです。

日本板硝子はブラジルに2ヶ所ある自動車工場の1ヶ所を閉鎖して1ヶ所に集約しています。旭硝子はウクライナの問題を抱えるロシア工場でリストラを断行しました。今後も状況によっては、そういった対策を積極的に進める必要があります。

業界研究本

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのがの理由です。

ガラスという素材の性質から近年におけるガラスの進化発展まで、タイトルの通り、科学的に解説している本です。いわゆる業界研究本ではないので、ガラス業界についての記述は一切ありませんが、この業界を志望するのであれば目を通しておくといいでしょう。

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