【業界研究】スーパー業界の現状・動向・課題について
業界の現状
新しいライフライン
コンビニと並んで、最も身近な存在とも言えるのがスーパーマーケット(スーパー)です。スーパーの定義というものは存在しませんが、食品スーパーの場合は全体の売上に占める食品の割合が70%以上と定められています。
スーパーには1万を優に超える商品があり、その商品の多くが普段食べるもので占められています。おまけに、青果、鮮魚、精肉などと仕入先が異なる商品でも1ヶ所で買い揃えられる利便性を併せ持っています。つまり、スーパーは普段の暮らしを食から支えている存在なのです。
逆に言えば、生きるために必要な商品だからこそ、スーパー業界にはそれを届けるという社会的な使命が出てきます。スーパーを、水道や電気と同じライフラインととらえる考え方がありますが、今日の生活において、スーパーはなくてはならないものの1つであり、まさしくライフラインと言っても過言ではありません。
スーパー業界は、現代社会において、そんなライフラインを提供する大切な役割を担っているのです。
基本情報
- 市場規模:13兆1,682億円
- 労働者数:445,152人
- 平均年齢:40.5歳
- 平均勤続年数:13.8年
- 平均年収:489万円
スーパー業界は、わたしたちの日常生活に深く密着しているだけあって、その市場規模はかなり大きなものとなっています。市場規模15.9兆円の銀行業界や、同13.7兆円の電気通信業界にも匹敵する数字になっています。
その一方で、平均年収は平均的な数字になっていますが、労働者数を考えると致し方ないのかもしれません。ちなみに、労働者数ですが、うち正社員が10万3,021人、パート34万2,131人となっています。
仕事内容
スーパー業界の場合、分業が基本となっており、その仕事は「本部」と「現場」に分かれます。「本部」とは、方針や企画、計画づくりを役割とし、「現場(店舗)」はその本部が作った計画を実行する役割となります。
- オペレーションライン:現場の作業実行と無駄の排除(ストアマネージャーなど)
- クリエイティブライン:商品に関する起案、決定(バイヤー、マーチャンダイザーなど)
- ラインスタッフ:調査や改革(スーパーバイザー、在庫コントローラーなど)
- サービス:事務(オフィスマネージャー、インストラクターなど)
- スタッフ:有数の方針と政策の起案(エデュケーター、コントローラーなど)
- 思想:会社の理念を理解した上での、目指す方向性の共有化
- 商品:商品をカテゴリーではなく売り方で把握(旬の商品、新商品、チラシ商品など)
- 人:従業員とお客さまに対するコミュニケーションの徹底
- 売場:定番、特売の販売場所、陳列などの工夫
- その他:情報や予算の管理
1位:イオン:6兆3,951億円
2位:セブン&アイ・ホールディングス:5兆6,318億円
3位:ユニーグループ・ホールディングス:8,638億円
1位:イオン:844万円
2位:セブン&アイ・ホールディングス:719万円
3位:ユニーグループ・ホールディングス:689万円
業界の動向
イオンとセブン&アイ・ホールディングの2強
食品や衣料品、日用品などの商品を大量販売する総合スーパーは大規模な店舗を地方に出店する例が多く、主に食品を扱う食品スーパーは郊外型の大きな店だけではなく、都市部にも小型の店舗を出店しています。
スーパー業界においては、イオンとセブン&アイ・ホールディングの2強が圧倒的なシェアを占めています。イオンは、イオンリテール、マックスバリュ、マルエツなどを展開し、セブン&アイ・ホールディングはイトーヨーカ堂、東北地方中心のヨークベニマルを展開しています。