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【業界研究】テレビ業界の現状・動向・課題について

テレビ業界とは、その名の通り、テレビ番組を制作して放送を行う業界です。
公共放送のNHKと、5局の地上波民放キー局・系列局・BS及びCS衛星放送・インターネット動画配信・ケーブルテレビからなります。

月額定額制VOD(Video On Demand)サービスとの連携も本格化しました。2014年に日本テレビホールディングスの完全子会社となったHuluの日本事業は、日本テレビのドラマやバラエティ、アニメ、映画、他系列の番組を配信しており、配信作品数は約2万作品まで拡大しました。

また2015年時点でHuluの有料会員数は115万人を超えるなど順調な伸びを見せています。

Netflix

アメリカ最大のVODサービスNetflixとフジテレビは2015年にオリジナルドラマの制作、配信などで合意したことを発表しました。『テラスハウス』の新作やドラマ『アンダーウェア』も配信され、ネット配信とテレビ放送の多彩な戦略がスタートしています。

WOWOW好調維持

有料放送のWOWOWは2015年に開局以来最高となる280万契約を達成し、引き続き好調を維持しています。これまでもの高かった欧州サッカーに加え、プロテニス4大大会での錦織選手の活躍が契約者との契約の延長に一役買っています。

4K、8K放送始まる

日本ケーブルテレビ連盟が2015年に4K映像の番組を流す専門チャンネル「ケーブル4K」を開設しました。フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ4K放送で、各地のケーブルテレビ局が制作した自然などをテーマにした番組を放映しています。さらに2020年の東京オリンピックに向けて、より高精細な「8K」放送もスタートする予定です。

市場動向

2014年度のNHKの事業収入と民放売上高をともに地上波放送のみで合計すると2兆8275億円(前年度比100.9%)と3年連続で市場は拡大しました。地上波民放の売上高を地域別にみると、在京キー局合計で1兆1402億円と地上波民放売上高のほぼ半分を占めています。

制作会社の2013年度の売上高は平均3億7600万円(前年度比79.2%)でしたが、売上高別構成比をみると、売上高5億円未満の会社が71.5%を占めており、「受注単価の低さ」を一因として多くの制作会社が苦戦しています。

衛星放送、ケーブルテレビの市場規模はともに5000億円前後で、横ばい状態が続いています。これは多チャンネル放送サービス契約者数の伸びがひと段落しているためです。

業界の課題

加速するテレビ離れ

テレビは長い間、最強のメディアでした。テレビ業界は就職も高く、影響力も圧倒的なものがありました。でもそのテレビに大きな変化が訪れました。つまり、若者のテレビ離れが急速に進行しつつあるということです。インターネットがあればテレビがなくとも困ることはなく、テレビ自体見ることが少なくなったという若者が多くなりました。

もちろん、テレビ業界はそのことを認識しています。ネットや衛星放送との連動など、新しい時代に向けての対応を進めていることはその現われですが、まだ大きな結果となってはいません。制作したコンテンツをBS・CSなどの衛星放送やインターネットでどのように展開していくのか、さらに総合的な戦略が求められています。

制作会社の賃金問題

制作会社の賃金の低さが問題になっています。

もともと同じ職場で同じ仕事をしていても放送局社員と制作会社社員では年収が2倍も違うと言われてきたテレビ業界ですが、孫請け中心の零細制作会社では、30代で年収300万円程度というのも珍しくはなく、朝から晩まで長時間拘束されることも考慮すれば、時給ではアルバイトのほうが上になることも起こり得る事態になっています。

アメリカでは大手制作会社が独立した立場でコンテンツを制作し、その放送権をテレビ局に売るビジネスモデルが確立しています。両者は対等な立場にあり、そこが日本と大きく異なる点となっています。視聴者に有益なコンテンツを制作することはこれからのテレビ業界にとってなくてはならないものですので、賃金や雇用システムも含めて今後見直しをしていかなくてはなりません。

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