【業界研究】テレビ業界の現状・動向・課題について
業界の今後の将来性
テレビ業界はどこまで現状を維持できるか
博報堂メディアパートナーズ・メディア環境研究所「メディア定点観測」によると、東京地区のインターネット接触時間は毎年増え続けており、2005年に1日60分程度だったのが、2015年には1日180時間程度と約3倍に増えています。そして、PCでのインターネット接続時間は減少化傾向にあり、スマートフォンやタブレットを含むモバイルでのインターネット接続時間が長くなっています。
つまり、既存のマスメディアは消費者の接触頻度の低下を止めることができず、現状維持以上を望むことが困難であることを意味しています。そして、インターネットも主要な視聴手段がPCからモバイルに、ブラウザからアプリに替わるなど、その進化のスピードが圧倒的に速くなっています。
テレビ自体は最強のメディアではなくなりつつありますが、ネットと融合することで新たな存在に変わろうとしている最中にあります。そして、コンテンツ制作の経験と蓄積があることがテレビ業界にとって大きな財産となっています。
テレビ業界は、既存分野の固定費を抑制しながら、このコンテンツ制作の経験と蓄積を活かしていけるかが大きな鍵となります。余力のない放送局は、救済的な再編では共倒れになる可能性も高くなりますが、行政も新たなメディア像を定義する段階にあるため、規制緩和の検討も視野に入れて経営をしていく必要があるでしょう。
業界研究本
『日経業界地図 2017年版』
日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。
『会社四季報 2017年 2集春号』
国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのがの理由です。
『放送業界の動向とカラクリがよくわかる本』
テレビ業界というものについてわかりやすく丁寧に解説していますが、残念なことに2013年発行と決して新しくはなく、時代遅れになっている点も多々あります。ですので、業界研究をする就職学生の方々はその点を踏まえた上で、あくまで参考程度に読むことをします。