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社会的弱者とは?支援の現状と制度|定義・社会的弱者の問題点

更新日:2024年11月12日

近年日本でも低所得者や性的マイノリティーなどの社会的弱者の存在が注目されています。しかし、日本における社会的弱者への支援体制は世界に比べて遅れています。今後は社会的弱者と強者との対立構造を超えて、国民全体が連帯していくことが求められます。

ベーシックインカム

ヨーロッパなどで多くの経済学者が社会的弱者を支援する制度として提唱しているシステムにベーシックインカムがあります。全国民に一律に同じ額を支給する制度で支給後に総所得に応じて課税します。ただ勤労意欲が無くなると言う批判は根強く、実現した国はありません。

似たようなシステムとしてミルトン・フリードマンが提唱した負の所得税があります。これは所得税の課税最低額を決めておいて最低額を下回った国民には最低額との差額に応じて税金を支給するというシステムですが、ベーシックインカムと同様批判が強く実現可能性は低いといえます。

社会的弱者の問題点

社会的弱者が引き起こす問題としては国民の分断が上げられます。貧困層は高所得者に対して恨みを持ち、高所得者は一生懸命働いて稼いだお金を累進課税の所得税によってもっていかれ、働かないで怠けている(と彼らが主張する)社会的弱者に恨みを持つことによって、国家としての国民の統一性が失われます。

9.11のテロも宗教的対立の背景の他に発展途上国の社会的弱者による豊かな先進諸国への恨みがあったと主張する学者もいます。これからの日本、世界はこうした社会的弱者といわれる若者と高齢者、非正規と正規、発展途上国と先進諸国などの対立をどう解消するかという問題に立ち向かう必要があります。

未来へ向けて

アメリカにおけるリベラルが標榜した所得再分配政策は本質的には国民の安全を守るための政策です。貧困層の犯罪率が高いというデータがあるとき、リベラルは所得を再分配して貧困層の生活レベルを上げれば犯罪率は減ると主張しました。一方保守は法律を強化して犯罪を取り締まるべきと主張しました。どちらがいいかは各個人の思想の問題であり、正解はありません。

これからの世界は社会的弱者と強者との対立構造を超えていく必要があります。所得格差に関しては所得が高い人は低い人への思いやりを、低い人は分配された所得を当たり前の権利と思うのは止めて、負担している人への感謝の気持ちを忘れないことが必要です。また自らの位置に安住するのではなく常に自分を高めようと努力する気持ちが大切です。

初回公開日:2017年06月28日

記載されている内容は2017年06月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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