姉妹都市と友好都市の違い・姉妹都市になるメリットと提携の条件
更新日:2024年07月31日
姉妹都市にも、メリットとデメリットがあります。姉妹都市を結ぶにおいて、それぞれの特徴をしっかり把握しておきましょう。
メリット
姉妹都市の関係を結ぶメリットは、互いの関係性が特別になることで異文化の交流が活発になることです。一例として大阪とフランシスコの姉妹都市関係では、毎年サンフランシスコから学生が大阪市に訪れる制度を採用しています。
また、異文化交流だけでなく交流により、双方の理解が深まることで民間企業が進出しやすくなる点です。姉妹都市の関係を結んだ都市は、互いに市長や訪問団が行き来することで常に交流を深めています。
これにより、行政が自ら観光誘致や企業の進出に力を入れています。そのため、企業も行政の後押しを受けられるので、通常よりも進出しやすい環境が整っていることがわかります。
デメリット
姉妹都市のデメリットは、外交問題や財政難が原因で解消せざるを得ない状況になってしまうことです。一例として、島根県と姉妹都市の関係にあった韓国の都市では、2005年に制定された竹島の日の条例が問題視され、韓国側から関係の破棄が通達されています。
財政難においては地方自治体にとって大きな問題であり、これが原因で2000年代には姉妹都市の増加はピークを終えてしまっています。改善するためには、外交問題とともに大きな課題と言えるでしょう。
姉妹都市の関係が破棄されれば、これまでの互いの交流が途絶えることになります。また、昨今では財政難により、活動の縮小化を余儀なくされているところも多くあります。
異文化交流が衰退するだけでなく、場合によっては進出している企業にも影響が出る可能性があるため、姉妹都市の関係はメリットばかりではないことがわかります。
姉妹都市の提携方法は?
姉妹都市の提携を結ぶには、ちゃんとした手順を踏む必要があります。これが出来ていないと、提携を結ぶのが難しくなってしまうので注意してください。
まずは行政に相談する
市民が姉妹都市の提携を結ぶには、まずは住んでいる自治体の窓口に相談してみると良いでしょう。多くの都市では姉妹都市の提携を推奨しており、自治体国際化協会では専用窓口を設置しています。
電話やメールなど幾つかの連絡方式を採用しており、個別の相談にも応じているので、まずは自治体の支援を受けられるような環境をつくり、提携をスムーズに行えるすると良いでしょう。
直接申し込む
行政主導や、自治体の支援を受けたあとは提携したい都市の行政に提携したい旨を伝えます。しかしこの時、「提携したい理由」というものがしっかりしていなければ、断られてしまう可能性があります。
例えば自然や歴史といったその土地ならではの特色に共通点があったり、国内における姉妹都市の基準を満たしていなければいけません。つまり、なにか提携を結ぶきっかけとなるような要素を見つけておく必要があります。
交渉
提携したい都市の市長などに直接申し込みを行い、相手から良い返事があれば交渉が始まります。姉妹都市の関係は、定まった決まりがありません。そのため、関係を結ぶにおいて双方がどういった交流を行うかについて話し合う必要があります。
そうして最終的に双方が納得することができれば、協定書の作成に移ります。
協定書
このとき作成する協定書とは、「双方が姉妹都市の関係になることに対して、意思を確認し、その内容を文書化して保存する」ことを目的としています。この協定書のテンプレートには決まった基準がなく、内容が簡潔なものから事細かに書かれた文章になることもあります。
また、別に合意書が作成されることもあります。協定書には双方の首長が署名を行い、双方の言語で正本を2部作成し、保有する決まりとなっています。この協定書は、首長が変更されても効力を発揮します。
姉妹都市の条件は?
基本的に姉妹都市になる条件というのは、国内外で統一された基準はありません。そのため、提携を結ぶ国や都市によって、決まりが異なります。
日本において、姉妹都市の提携に関する管轄は財団法人自治体国際化協会が行っており、統計や整理する関係として一定の条件を設けています。その条件というのが、「両首長による提携書がある」、「提携都市と交流する分野が限定されない」、「交流する際に費用が発生する可能性を鑑みて、あらかじめ議会の承認を得ていること」の3つになります。
この要件を全て満たしていれば、日本では姉妹都市の扱いとなります。
初回公開日:2018年03月28日
記載されている内容は2018年03月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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