お稲荷様の祟りの例・祀り方・お供えするもの・ご利益・撤去方法
更新日:2024年07月23日
お稲荷様の祟りの例
「お稲荷様」と聞くと「キツネの神様」「商売繁盛の神様」というイメージがありますが、昔から「祟る神様」としても知られています。「稲荷神社を一度でも参拝したら、最後まで信仰を続けなければならない」など、お稲荷様の祟りにまつわる噂は数多く存在します。そこで、お稲荷様の祟りだと言われる噂について、いくつかご紹介しましょう。
「歌舞伎座の呪い」
現在の新歌舞伎座は、建替え工事のために2010年4月に閉場し、2013年に29階建ての高層ビルに生まれ変わり、再び開場しました。しかし、建て替え工事の3年間に中村富三郎・中村芝翫・中村雀右衛門・中村勘三郎・市川團十郎という看板役者が5人も亡くなりました。
工事中に不幸が連続して起きたことから、一部では「お稲荷様の祟りに違いない」との噂が広まりました。新歌舞伎座の高層ビルは、古くから歌舞伎座を見守ってきた「歌舞伎稲荷」の社の上に建つ形になっています。それゆえ、ビルが邪魔で神様が降臨できずに怒っているとして、一連の不幸はお稲荷様の祟りが原因だと噂されるようになりました。
「羽田空港の赤い鳥居の呪い」
羽田空港の裏には、「旧穴守稲荷神社の大鳥居」と呼ばれる赤い鳥居があるのをご存知でしょうか。現在の羽田空港はかつて「羽田沖」と呼ばれ、江戸時代に埋め立てられてできた土地です。その埋め立て工事の際、そこに生息していたキツネを祀るために造られたのが「穴守稲荷神社」でした。
その後、羽田沖には「東京飛行場」が建設されましたが、神社と鳥居はそのままの状態で残りました。そして戦後、GHQによって飛行場拡大計画が発表され、鳥居の撤去が決定しました。しかし、撤去工事が始まって直ぐに作業員が次々と事故が発生し、GHQは鳥居の撤去を断念せざるを得なくなりました。
そして1982年に新たな空港拡張工事が計画され、再び鳥居の撤去が決定されました。しかし今度は「日本航空350便墜落事故」という痛ましい事件が起きたため、お稲荷様の祟りを恐れた関係者は、鳥居の撤去をやめて移転することにしました。
お稲荷様とは
ここまで「お稲荷様の祟り」にまつわる噂を紹介してきましたが、それほどまでに恐れられるお稲荷様とは、一体どのような神様なのでしょうか。お稲荷様の正式な名前は「稲荷大明神」です。「稲生り(稲が生る)」を語源とし、表記方法は「稲成」「稲生」「伊奈利」となど、場所や神社によってさまざまです。
お稲荷様は元々、穀物・農業の神様だったことから「五穀豊穣の神様」として古くから信仰されてきました。しかし近年ではお稲荷様を農業だけでなく、商業・工業を含めた「商売繁盛の神様」としても信仰されています。お稲荷様を祀る稲荷神社は日本各地に点在し、お稲荷様は日本人にとっても親しみのある神様だと言えるでしょう。
稲成神社とは
稲荷神社とは「稲荷神」を祀る神社のことで、日本でも数の多い神社です。全国の稲荷神社の総本宮は、京都市伏見区にある「伏見稲荷大社」です。伏見稲荷大社の祭神は「ウカノミタマ大神」を初めとする5つの神様です。
ウカノミタマ大神は五穀をつかさどる神様で、農耕の神であるお稲荷様と同一視されることから、伏見稲荷大社を含む多くの稲荷神社ではウカノミタマを主祭神としてお祀りしています。お稲荷様(ウカノミタマ)を主祭神として祀る神社は2970社、分祀社は32000社を超え、個人や企業・山中の小さな社などを合わせると、日本国内の稲荷神社は膨大な数にのぼります。
稲荷神社の数はなぜ多いのか
稲荷神社はなぜ日本で一番多い神社となったのでしょうか。日本中に点在する稲荷神社ですが、特に東日本に多く広がっています。その理由は、江戸時代に稲荷信仰が江戸の町を中心に流行し、そこから全国に稲荷神社が広まっていったと言われています。「伊勢屋、稲荷に、犬の糞」という言葉があるほど、稲荷神社は江戸の町でよく見かけるものでした。
稲荷信仰のブームを作ったのは、伏見稲荷大社だと言われています。伏見稲荷大社は神階の最高位である正一の神社なので、分霊した場合は分霊先の神社も正一の看板を掲げることができました。伏見稲荷大社は、その看板をウリに積極的に分霊活動を行なっていたと言われています。
お稲荷様の祀り方
お稲荷様は、デパートの屋上や個人宅など、神社意外の場所にも祀られています。扱いが難しいと言われるお稲荷様ですが、ご利益が期待できる神様として、企業や自営業者からは今も高い人気を誇っています。
お稲荷様を祀る際は、社の前に赤い鳥居と神狐を備えましょう。場所は北向きではなく、清浄で見晴らしの良い所であればどこでも構いません。
初回公開日:2018年04月26日
記載されている内容は2018年04月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。