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難民受け入れのメリットとデメリット・日本が少ない理由・問題点

更新日:2024年01月26日

世界中には、日本の人口の約半数に当たる6530万人が母国を追われて生活をしています。そもそも難民って何なのか、日本の難民受け入れはなぜ少ないのか、難民受け入れにどんなメリットとデメリットがあるのか、そんな疑問にお答えします。難民問題は対岸の火事ではありません。

フィンランドには、難民受け入れセンターが150箇所存在しており、EUの中でもいち早く高齢化社会になると懸念されているフィンランドは、難民を受け入れることによって、これからの高齢化社会に向けて労働力の確保を行おうとしています。

一時期3万2150人だった難民受け入れも、約1年後には5275人に減少していると言われています。背景にはフィンランド政府が報酬を与えずに労働させる難民の管理強化をしました。「賃金労働である必要は無く、衣食住を与えれば問題はない、問題なのは無職で何もしない状態が続くこと」と説明しました。

ですがフィンランドはとても寒く、日照時間も短いので暗い、誰もいない森での生活なんてできないという難民の声が多く、年々減少傾向にあります。

アメリカ

アメリカは難民受け入れ国のひとつで、アメリカは毎年平均7万人の難民受け入れを行っていました。しかし9.11以降、シリア難民がアメリカへの入国は非常に難しくなり、さらにトランプ大統領はシリア難民の入国を禁じ、中東やアフリカの7カ国から入国を一時的に完全に禁じるという大統領令を発令しました。

2017年の難民受け入れ許可数は5万人までとし、これはオバマ政権が提案したおよそ11万人の半分に満たない数になっています。

オランダ

オランダは9万2千人の難民受け入れをしており、このうちシリアからの難民はおよそ4万6千人入国しています。2014年から2016年にかけてはオランダに入国したシリアからの難民ほぼ全員が住居を支給されています。

滞在許可が出た難民は住居以外にも生活保護費も支給され、まだ滞在年月が短いので働いている人は5%ぐらいと言われています。しかしこれからの新しい人生の生活手段を探すために、難民のほとんどがオランダ語の習得に励んでいます。

ドイツ

ドイツは欧州の中で一番多く難民受け入れをしています。2014年には約20万人の難民受け入れを行いましたが、2015年には100万人超えの難民を受け入れました。

その背景には第二次世界大戦でナチス・ドイツがユダヤ人の大量虐殺で、世界に与えた過去の過ちがあります。そのためドイツは人権を重視する国になり、人道的支援に対してとても積極的だからです。

しかし2017年には難民の受け入れ人数を年間20万人以下に制限するという方針を出しました。

トルコ

トルコは2015年に多くの難民受け入れを行いました。その人数は約250万人と報告されています。トルコは、シリアの北隣の国なので、シリア難民を多く受け入れています。

多くの難民は経済が安定しているEU圏への避難を試みるため、EU圏であるギリシャへの通り道であるトルコに難民が多く押し寄せます。そのためトルコ政府はこれまでに、国内の滞在施設の増設や食料や衛生管理などの対策におよそ70億ユーロ以上もの資金を投入してきました。

難民受け入れの問題点と解決方法

日本政府は国連から難民受け入れの拡大を要請されています。2017年からの5年間でシリアから難民の若者を、学生としておよそ300人受け入れると言われています。

他国の難民受け入れ人数には、まだまだおよびませんが、日本がもっとたくさんの難民を受け入れていくにはどうすれば良いのでしょうか。

問題点

まずは、「知る」ことです。この地球上に住んでいる人間の約113人に1人は、自分の思いに反して故郷を捨てなければならない状況にいます。難民の人達が難民とならざるを得なかった背景や現状を「知る」ことです。知らないという事は何もできないに繋がります。

解決方法

一番の解決策は母国を平和にすることですが、戦争や人権侵害の根本を断つ事は容易ではありません。

難民受け入れを周辺国に任せっきりにするのではなく、日本社会は負担ではなく、日本の活力にするという視点の転換が必要です。そのためには難民の人たちに失った就労や教育の提供や一般家庭でのホームスティ制度など日本人のおもてなし力を引き出し、生活の再建を目指し、世界にはこんな素晴らしい国があったと思ってもらえる取り組みを行いましょう。

難民の方の背景を理解することが大切

私たちの住んでいる街に難民の人達が暮らし始める日が近いでしょう。何も知らないとただの恐怖でしかありませんが、彼らの背景を理解し、日本での生活に馴染めるように地域社会が難民の人達に手を差し伸べることも大切になってくるでしょう

私達、日本人ができることは、今ある難民問題を対岸の火事だとは思わず、日本の難民受け入れに備えて、しっかりと今世界で何が起こっているのかを把握する必要があります。

初回公開日:2018年05月08日

記載されている内容は2018年05月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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