シャチの狩りについて知能が高いとされる理由とは?生態についても紹介
更新日:2024年11月21日
「シャチ」が、イルカのような高い知能を持つ、白黒模様をした大型の海の生物であるということは、多くの人が知っていることでしょう。しかし、具体的な狩りの手法やコミュニケーションの方法などは、まだあまり知らないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、シャチの狩りにおいて高い知能が発揮される場面や、それを構成している要素は何か、シャチの生態とはどういったものかなどについて紹介します。
記事を読むことで、今まで知っていたようで知らなかったシャチの狩りや生態などについての詳細がわかり、そのたくみで堂々とした生きざまに感心するでしょう。
シャチが好きな方や、海で暮らす生物について興味があるという方は、ぜひ読んでみてください。
シャチとはどんな生物?
シャチは、英語名を「キラーホエール(クジラ殺し)」といい、その圧倒的強さにより「海の王者」として海の食物連鎖の頂点に立っています。
知能や社会性が高く、「ポッド」とよばれる群れを作り、強い結束力を発揮して狩りをしますが、群れのリーダーはほとんどがメスです。
ちなみにシャチは生態の異なる複数の種類が存在することがわかっており、すべてをひとくくりにはできません。
シャチに関する基本情報
シャチは、鯨偶蹄目マイルカ科に属する哺乳類で、野性での寿命はオスが約30年、メスが約50年です。
世界中の海に広く分布し、日本国内では、北海道や和歌山県などの近海で生息が確認されています。
シャチの背びれのつけ根あたりにある灰色の模様は「サドルパッチ」とよばれ、それぞれの個体で形や大きさが違うのが特徴です。サドルパッチの形は変化しないため、背びれの形状などとあわせて個体を識別するのに役立ちます。
シャチの名前の由来について
シャチの名前の由来には、いろいろな説があります。するどく尖った背びれの様子から「サカマタ(逆さの鉾の意)」とよばれるようになり、それが変化していって「シャチ」になったという説や、「タチオコ(立尾魚)」という名前がなまったという説などです。
また、虎のような頭と魚の体を持つ想像上の生物「シャチホコ」が由来になっているという説もあります。
シャチの獲物について
シャチが狩りをする生物は、アザラシ・アシカ・イルカ・クジラ・ラッコなどの海生哺乳類、ペンギンやカモメなどの海鳥、サメやサケなどの魚類、イカ、ウミガメなどさまざまです。
研究が進んでいる海域では、同じシャチでも「おもに魚類を食べる種類」「おもにイルカなどの海生哺乳類を食べる種類」「おもにサメを食べる種類」などに分類できることがわかっています。
シャチ同士の会話について
シャチは、「ホイッスル」や「コール」とよばれる音を発することができ、お互いに鳴きかわすことでコミュニケーションをとっていることがわかっています。
「ホイッスル」は近くにいる仲間とかわす、口笛のような音です。
「コール」は比較的遠い所にいる仲間とのやりとりをするのに役立つ音で、群れによって方言のように違う型が存在し、狩りを行う際の重要な要素となっています。
シャチの狩りについて知能が高いとされる理由
シャチの知能が高いことは広く知られていますが、なかでも狩りの場における知能を活かしたシャチの行動は、目を見張るものがあります。
仲間同士で密接にコミュニケーションをとりあい、人間顔負けの工夫をこらして、いかに効率的に獲物を手に入れるかを常に考えているのです。
狩りにおける知能の高さは、シャチが海の王者として君臨している大きな理由の1つでもあります。
獲物で戦術を使い分けている
シャチには、獲物の種類によってさまざまな狩りの方法があることが確認されています。
例えばニシンの大群を狙う場合、大群をコントロールしやすい規模に分断させるため、海面近くまで追い上げて威嚇しながら周囲を回り、群れを小さくして球状にまとめる方法などです。
世界中にはさまざまな生態を持つシャチが生息しており、それぞれが獲物にあわせた狩りの仕方を工夫しています。
初回公開日:2022年09月22日
記載されている内容は2022年09月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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