シャチの狩りについて知能が高いとされる理由とは?生態についても紹介
更新日:2024年11月21日
狩りをする時は隊列を組んでいる
シャチは、狩りをするときは群れで隊列を組むことで、狩りに必要なエネルギーを温存したり、速度を落とさないようにしたりしています。
先頭の集団と後方の集団が入れ替わりながら進むことで、全体の疲労を抑え持久力を保っているのです。
「ポッド」とよばれるシャチの群れは、どんな生物を獲物にしているかによって、さまざまな規模のものが存在します。
音波を使って位置情報を把握している
シャチは、「クリックス」という短い音波を出すことで、視界の悪い海の中でも周囲の状況を把握できます。
物にあたって跳ね返ってきた音波によって、その形や大きさなどを知ることができるのです。
この仕組みは暗闇の中で行動するコウモリなども活用しているもので、エコーロケーション(反響定位)といいます。効率的な狩りをするシャチにとって欠かせない能力の1つです。
カモメをおびき寄せる戦術を使う
シャチは、カモメを捕食するために、カモメのエサである魚をおとりにして罠にかけるという狩りの戦術をとることがあります。
口から魚を吐き出して待ち構え、カモメが寄ってきたところを一撃で捕らえるのです。
カモメが本来の魚の群れを見つけ、魚を捕えるために海に飛び込む一瞬を見極めて狙うよりも、効率のいい狩りの方法であることをシャチは知っているのでしょう。
クジラは溺死させて狩る
シャチがクジラの狩りを行う場合は、肺呼吸が必要な哺乳類であるクジラを海面に浮上させないようにすることで、呼吸のタイミングを奪い、溺死させるという手法をとります。
群れで連携してクジラをとり囲み、上方をふさいだり、挟みこんだりして、徹底的に海面への浮上を阻止するのです。
結束力の高いシャチの群れの、優れたチームワークによってなせるわざの1つといえるでしょう。
子どものシャチは群れでガードする
シャチは、群れに子どもがいる場合、群れ全体で協力して子どもを守ります。
シャチの群れであるポッドは、祖母にあたるメスを中心とした血縁関係のある個体で形成されることが多く、その中で子どもは大切に守られながら育つのです。
母親が狩りのため子どもから離れるときは、他のメスが面倒を見てあげるなど体制は万全で、外敵はなかなかシャチの子どもを狙えません。
シャチの生態とは
海に暮らす生物たちの頂点に立つシャチは、社会性に富み、知能が高いことに加えて、大きく頑丈な体と俊敏さをあわせ持っています。
仲間を大事にしながら、高い知能や身体能力などを存分に活かした狩りをして生きるシャチは、まさに無敵の海の王者といえるでしょう。
シャチについてはまだわかっていないことも多いものの、その生態は少しずつ明らかになってきています。
高い知能を持っている
水族館にいるシャチは、イルカと同じように複雑な芸を覚えることができ、イルカより早く芸を習得することも可能です。
また野性のシャチは、仲間が襲われた際の報復行為や、仲間が死んだときの悲しみの表現、弱った仲間や別のグループからはぐれた個体をお世話するなどの行動が確認されています。
狩りでのコミュニケーションやテクニックの他にも、その知能の高さをうかがわせる要素はたくさんあるのです。
大きくて動きが速い
シャチは、オスの体長が6~9メートル、メスの体長が7~8メートルと巨大な生物でありながら、時速60~70キロメートルという、海生哺乳類の中ではもっとも速い速度で泳ぐことができます。
イルカにも勝るこのスピード感は、当然狩りにも活きてくるわけです。
また、海面から高くジャンプすることも得意で、シャチの身体能力の高さがうかがえます。
サメも食べてしまう
シャチにとっては、獰猛で危険なサメでさえも、狩りの対象です。
2017年に南アフリカの海岸に打ち上げられた3体のホホジロザメの死体は、臓器が食い尽くされた状態で発見され、これはシャチの狩りによる結果であると推測されています。
シャチは、サメが仰向けになると一時的に擬死状態になり動かなくなることを知っていて、その特性を利用して狩りを行っているのでしょう。
初回公開日:2022年09月22日
記載されている内容は2022年09月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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