お正月飾りは東北ではいつまで飾る?飾りの意味・期間・処分方法も解説
更新日:2024年06月21日
お正月飾りを飾る期間を「松の内」といいますが、松の内をいつまでとするかは地域によって大きく異なります。
お正月飾りをいつまで飾っておくのか、迷ってしまう人が多いのはそのためです。どうしてそのようなことになったのでしょうか?
以下に解説していきます。
昔は全国同じ期間だった?
江戸時代初期まで、お正月飾りを飾る「松の内」は全国的に1月15日までとされていました。ここで松の内の期間が地域によって違うきっかけになったという2つの説について解説します。
1つは、江戸時代に1657年の明暦の大火が起き、「燃えやすい松飾りを早く片付けるよう」火災予防の観点から、幕府が松の内は「1月7日まで」と定めたという説があります。
もう1つの説は、1651年4月20日に徳川家光公が亡くなり、毎月20日が月命日となったため変更を余儀なくされたという説があります。
もともと1月15日が小正月(正月忙しく働いた女性が休める日)、20日に鏡開きとされていました。ですが、4月20日に家光公が亡くなり、毎月20日は月命日となりました。鏡開きのようなおめでたい行事を20日にするのはよくない、ということになったのです。
そのような理由で鏡開きを11日に変更し、松の内も7日までに短縮された、という説です。 どちらの説にせよ、江戸時代前半に幕府の定めにより松の内は1月7日までとされ、その御触れが関東やその周辺に浸透していったと考えられます。
東北ではいつまで?
お正月飾りを飾る松の内は東北ではいつまでなのでしょうか?
東北でも関東と同様に、1月7日としているところが多いです。昔の風習の名残なのか15日までとする地域もあります。
また、東海や中部地方でも関西にも関東にも近いため、1月7日と15日が混在します。
関東ではいつまで?
それでは、関東では松の内はいつまでなのでしょうか?
前述の通り、関東では江戸幕府の御触れにより、お正月飾りを飾る松の内は1月7日までとされています。最近は「七草がゆ」を食べる7日と同じ日と意識している人も多いかもしれません。
また、九州も同様に1月7日までとしているところが多いようですが、地域によって、8日・10日・15日の所もあります。
九州では1月7日に日本三大火祭りの1つである「鬼夜」が久留米市の大善寺玉垂宮で行われます。鬼夜は歴史が大変長く、1600年以上の伝統がある火祭りです。火祭りと松の内が同じ1月7日で人々の間に定着したとも考えられます。
関西ではいつまで?
関西では松の内は1月15日までとされています。江戸から遠かった関西では、幕府の御触れが十分に浸透せず、元々の1月15日までの松の内の風習が残ったせいだと考えられています。
なお、四国も同様に1月15日までとされています。
お正月飾りの処分方法
お正月が過ぎると神聖なお正月飾りをどう処分しようか迷うこともあるでしょう。特にお正月飾りをゴミと一緒に捨てて良いのか悩む人がよくいます。そんな時のためにお正月飾りの3つの処分方法を以下に解説します。
どんど焼き・左義長(さぎちょう)で処分する
小正月の1月15日頃、神社や寺で、門松やしめ飾りなどのお正月飾りを持ち寄って燃やして奉納する「どんど焼き」や「左義長」などの火祭り行事を体験したことがある人も多いでしょう。
お正月飾りはどんど焼きや左義長で燃やしましょう。
新年に訪れた年神様は、その火や煙に乗って天にお戻りになる、ともされていますし、その神聖な炎で書き初めを燃やすと字が上手くなるなどの言い伝えもあります。
神社に奉納する
都会などで、どんど焼きのような行事がなくなってしまった場所もあります。そのような場合は、神社に奉納します。初詣などに神社に行った際に、古い正月飾りなどを置く場所が設置されているので、そちらへ持っていきます。
神社で、お清めをして焚き上げてもらえます。1年間、無事に過ごせた感謝の気持ちで奉納しましょう。
自分で処分する
庭のある一戸建てであれば自宅で処分することができます。塩とお神酒で庭の土を清めた後、その土の上でお正月飾りを焼きましょう。出た灰は新聞紙などで包んで捨てます。
マンションなどでは燃やすことは難しいので、大きめの紙に右・左・中と塩を置いてその上にお正月飾りを包み、他のゴミと混ざらないようにしてゴミに出します。
地域によって処分方法が異なることがあるので、お住いの地域の決まりを守りましょう。
お正月飾りをいつまで飾るのかは地域によって違う
初回公開日:2022年10月03日
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