「ブランク」の意味と使い方・語源|仕事/化学実験/IT
更新日:2024年07月19日
「ブランク」の意味と使い方は?
ブランクは、書類やイラストなどにおける空白や空欄になっている部分のことを言います。また、仕事や社会経験といった特定の物事から離れていた期間や途切れてしまっている状態を指すこともあります。この他にも、化学実験やプレス加工といった専門分野においても使用されている言葉です。そのときの意味合いや使い方は一般的なものと異なる特徴を持っているので、注意が必要です。
しかし一般的な言葉として用いる際には、先に触れた意味合いで使用して問題はありません。具体的な使い方としては、「項目にブランクがある」「5年間のブランクがあった」といったように使うと良いでしょう。
「ブランク」の意味の語源は?
ブランクは、英語で「blank」と書きます。英単語で「白」を意味するものは、「alp」や「alb」から始まるものが多くあります。しかしブランクはそのどちらにも該当しません。その理由として、語源が元々の英語ではなく別の言語からきているためと言われています。
最も近いとされるのがイタリア語です。イタリア語で白は「bianco」と書き、元々ゲルマン語として使用されていた「blank」から変化してつくられた言葉と言われています。
また別の説として同じ意味を持つ古フランス語の「blanc」があり、この言葉が歴史とともに変化して現在のブランクになったとも考えられています。
文学で見るブランクの使い方
太宰治「思ひ出」
炭すみのおこしかたに就いて一册の書物が出てゐるとか、「けだものの機械」といふ或る新進作家の著書に私がべたべたと機械油を塗つて置いて、かうして發賣されてゐるのだが、珍らしい裝幀でないかとか、「美貌の友」といふ飜譯本のところどころカツトされて、そのブランクになつてゐる箇所へ、私のこしらへたひどい文章を、知つてゐる印刷屋へ祕密にたのんで刷りいれてもらつて、これは奇書だとか、そんなことを言つて友人たちを驚かせたものであつた。
出典: http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1574_15508.html |
一般的な意味である空白や空欄として使用している文章です。ブランクはこのように、イラストや書類だけでなく、書籍の空白や空欄に関して使用しても問題はありません。
芥川龍之介「あの頃の自分の事」
だからその時間も、機械的にペンを動かして、帝劇の筋書の英訳のやうなものを根気よく筆記した。が、その中に教室に通つてゐるステイイムの加減で、だんだん眠くなつて来た。そこで勿論、眠る事にした。
出典: http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/17_14601.html |
うとうとして、ノオトに一頁ばかりブランクが出来た時分、ロオレンス先生が、何だか異様な声を出したので、眼がさめた。
読者にとってブランクの意味がわかりやすい文章です。言葉の前に「一頁ばかり」という文章が来ていることから、「空欄または空白」といった意味合いであることがわかります。
海野十三「軍用鼠」
原稿紙の上には、ただの一行半句も認したためてないのである。全くのブランクである。上の一枚の原稿用紙がそうであるばかりではなく、その下の一枚ももう一つ下の一枚も、いや家中の原稿用紙を探してみても只の一字だって書いてないのである。
出典: http://www.aozora.gr.jp/cards/000160/files/3533_18204.html |
同じく空白や空欄といった意味合いで使用している文章です。特に注目すべきなのは白紙の状態であることをブランクという言葉を用いて繰り返している点です。似た意味を繰り返すことで、読書に印象を強く与えています。
仕事での「ブランク」の意味と使い方は?
初回公開日:2018年01月10日
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