「奈」の意味と使い方・語源・名前で使う時の意味・読み方
更新日:2024年07月28日
「奈」の意味と使い方
「奈」という文字は、以前から女の子の名前に人気の文字です。しかし、地獄を意味する「奈落」などに使われることから、名前に使っていいのか疑問に思うこともあるでしょう。
また、普段はあまり使わない漢字でもあります。使用例を挙げるとしたら、「奈良」「神奈川」などの地名以外を挙げるのはなかなか難しいのではないでしょうか。今回は、そんな「奈」の意味や使い方などを紹介していきます。
意味と使い方
「奈」は「ナ」という読み方のほかに、「タイ」「ダイ」などの読み方もあります。意味としては、昔中国から日本に伝わった唐梨(カラナシ)という植物や、ベニリンゴを指す漢字です。唐梨とはカリンを指します。
一方、「奈」には「どうやって」という手段ややり方を表す疑問の意味もあります。これは「いかん」という疑問の言葉に「奈何」という漢字をあてたことに由来します。現代の言葉にも、「いかんともしがたい」などの形で残っています。
また、古代の人々は、「ナ」という音をあらわす当て字として、この漢字の「奈」を使いました。「奈伎弖(鳴きて)」「奈支(なし)」というように、漢字の音だけ使った表音記号として用いられています。現在使われているひらがなの「な」は、この「奈」をもとにしています。
「奈」の意味の語源
「奈」を分解すると?
「奈」はもともと「木」の下に「示」と書いていました。「示」という漢字は、神事(お祈りなど、神に関わる行事)に使ういけにえを載せた台を意味しています。そこから、神事に関係することを表す字として使われました。「奈」は「木」と「示」で、もともとは広く神事に使われた果樹を意味する漢字でした。
神事にはベニリンゴやカリンを使っていたことから、次第にこれらを表す漢字となりました。神社などで神事に使われる木を榊(さかき)といいます。ここにも「木」と「示」があります。
現在、私たちが思い浮かべる果物は品種改良されているので、昔は果物は全体的に今のサイズより二回りほど小さいものでした。その中で比較的大きな果物であったベニリンゴやカリンは見栄えもし、香りもよかったので、神への捧げものとして重宝されました。
名前で使う「奈」の意味
「奈」は女の子の名前によく使われる漢字です。名前に使われる漢字として、ここ数年ずっと人気の漢字です。理由としては、
・使い勝手がよい。
・「ナ」の音がかわいい
・末広がりの「大」と「示」が使われており、縁起がいい
・左右対称で覚えやすい、書きやすい
などの理由があります。
名前に人気の「奈」ですが、人気の理由を見ると、「奈」という漢字自体の意味とはあまり関係のない理由が主です。では「奈」にはどういった意味があるのかをご紹介します。
優しい
「奈」という漢字が表すベニリンゴやカリンは優しい香りがすることから、「奈」は優しさを表す漢字として使われます。また、「ナ」という柔らかい響きから、名前に優しい印象をつけることができます。「優奈」は優しいという意味の漢字を二つつなげた名前です。また、「春奈」は春の優しい温かみが伝わってくるような名前です。
永遠
「奈」はカリンを意味する漢字ですが、カリンの花言葉は「唯一の恋」です。そこから、恋に限らず唯一で永遠に続くという意味も持っています。「幸奈」という名前は、幸せが永遠に続くようにという願いが込められています。また、「愛奈」も、愛にあふれた生活がずっと続くようにとの思いが込められています。
そのほかの意味
カリンの花言葉は「唯一の恋」のほかに、その見た目から「優雅」「豊かで美しい」といったものがあります。そのため、「美しく健やかに成長してほしい」「豊かな人生を歩んでほしい」という願いを「奈」の字で表すことができます。
また、「努力」「可能性がある」という花言葉もあるので、「夢に向かってひたむきに努力できる人間になってほしい」「いろいろな可能性を広げてほしい」といった願いも込めることができます。
「奈」の名前で使うときの読み方
初回公開日:2018年01月05日
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