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「それがし」の意味と使い方・由来・「なにがし」との違い

更新日:2024年04月20日

時代劇中でよく使われている言葉【それがし】。この言葉が自分を指す言葉だとわかっていてもあまり深くは知らないのではないでしょうか?【それがし】の本来の意味は?【なにがし】との違いはなにか。誰もが抱く疑問についてご紹介と解説をしていきます。

「それがし」の意味と使い方

主にテレビや映画の時代劇中でよく使われている言葉が「それがし」です。一人称(自分)を指す言葉として江戸時代頃に武士が好んで使っていたといわれていますが、最近では江戸時代をテーマにしたドラマも多く産出されているためこの「それがし」いう一人称も昔の言葉ながら若い人にも浸透していることでしょう。

とはいえ、多くの人が一人称の一部であるということ以外あまり深くはご存じないでしょう。これを機会に馴染み深くなりつつある言葉「それがし」の使い方やその意味を知識として蓄えて見るのもよいのではないでしょうか。

「それがし」の意味とは

「それがし」という意味は、一人称の一部であり、「自分」を指し示す言葉ですが、日本語というのは奥が深く、意外と知らない隠された意味、使い方があります。

「それがし」もそのうちの一つで、一人称の意味がありますが、他にも名前が分からない人や事物のことを言ったり、名前をわざとぼかしていう時にも使います。

実は「それがし」の本来の意味は、「誰もわからない人」だとされていて、「自分の名を言うほどでもないつまらない人間です」と相手に対して自分をへりくだっていう意味から一人称として使われるようになったとされていて、何も考えずに使っても構わないというワケではありません。

「それがし」の正しい使い方はなにか?

「それがし」の意味をご紹介した際に触れたとおりですが、「それがし」には正しいとまではいかなくとも適切な使い方が存在します。もし、なにかの機会に「それがし」を使った際にその事を指摘され恥ずかしい思いをすることがないように知識として吸収しておきましょう。

まず、復習として「それがし」の本来の意味は“「自分は誰というほどのこともないつまらない人間です」と相手に対してへりくだっていう一人称”です。当たり前ですが適切な意味として使うためには基本として覚えていてください。

では、相手に対してへりくだるとはどういうことか。それは相手を上に立てるということであり、会社で例えると部下が上司をおだてる際に使うということになります。この事から「それがし」が使われていた江戸時代では下流~中流武士には一人称として広く使われていましたが、上級武士や位の高い貴族が使うことはありませんでした。

「それがし」の意味、使い方を意識した例文

「それがし」の意味と使い方を理解したところで例文をご紹介していきます。とはいえ、単純に一人称として使うということを理解していれば使い方に迷うことはないのですが、一部変則的な使い方をする場合もあるため、その中でも代表的な例文を一つご紹介いたします。

《あの山の中腹に住まう某(それがし)は何者だろうか》

どうでしょうか。「それがし」を一人称として使わない変則的な例文のため違和感を抱きましたでしょうか。最初で少し触れましたが、「それがし」の意味は「誰もわからない人」が転じて自分をへりくだって使うようになりました。

しかし、江戸に変わる前の時代では「誰もわからない人」という意味で使われることが多く、その名残として今もなお名前がわからない人を指す時に使われる場合があります。ただ、この使い方はあまり浸透していないので使う機会はあまりないです。

「それがし」の意味の由来とは?

仮説=意外な繋がりがあった。「それがし」の由来

「それがし」を漢字で「某」と書くのは今更ですが、漢字の多くには意味を与えられるに至る由来があります。では、「それがし」の由来とはなにか、調べてみたところ意外な繋がりがありました。

実は漢字の「某」には元々「梅(うめ)」の意味があったとされています。しかし、現在では「梅」という意味では使われていません。

「某」が現在の誰もわからない人、名前を出さないで人(自分)を指すというはっきりとしない意味で使われるようになったのは梅の音が暗い意味を持つ漢字の音と同じだったという由来があります。その事から現在の意味で使われるようになりました。

古語と現代語。「それがし」はどちらに分類されるのか

古語もとい古典ともいいますが、そもそもこの言葉の意味は何なのかわかりますか。古語の意味は「昔用いられていた言葉」です。主に鎌倉時代や室町、江戸時代で使われていた言葉です。

対義語でもある現代語とは、説明するまでもなく現代で使われている言葉となります。この事から敢えて「それがし」をどちらかに分類するとなると古語に分類されることになります。
その点については皆様も頷けるでしょう。広く浸透した言葉とはいえ、現代では多くの人が「わたし」や「ぼく」と使っています。

「それがし」の意味に対する類語、同義語

ここまで読みすすめていただいた方は始めの頃よりも「それがし」について理解を深めていただけたでしょう。次は補足情報として「それがし」の類語、同義語をいくつか知識として蓄え、さらに理解を深めていきましょう。

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初回公開日:2018年01月16日

記載されている内容は2018年01月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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