「蒼穹」の意味と使い方・語源・読み方・漢字の意味・季語
更新日:2024年09月16日
「蒼穹」を使う時には、単に「青空」の意味で使用されることも少なくありません。細かく言えば「円を描いて見える空」や「深みを感じる青色をした空」が「蒼穹」ですが、広い意味で言えば、円を描いて見える・深みを感じる青色ではない単なる「青い空」を表す時にも使用することはできます。
蒼穹を眺める
意味は「青空を眺める」ですが、その「青い空がどんな空なのか」となった時には、「深みのある青色の空」や「円を描いて見える広い空」と答えることができます。
単に「青色の空」の意味でも問題はありませんが、その場合は「青空」の言葉を使用すれば良いため、「蒼穹」と「青空」の使い分けを考えると、「蒼穹」=「深みのある青色あるいは円を描いて見える要素が含まれる青空」とした方が良いでしょう。
「蒼穹」には季語としての意味はあるのか?
「蒼穹」は和歌の中に登場することが少なくない言葉ですが、季語としての意味があるのかという疑問に対しては、「蒼穹」の意味である「青空」の扱い方を見ると答えが分かります。
「青空」は、そのものだけで季節感のあるものでしょうか。晴れた空である「青い空」は季節を問わず見られるものですので、季語にはなりません。したがって「青空」の意味を持つ「蒼穹」も、季語の扱いにはならないということになります。
「蒼穹」の言葉に季語としての意味を付けるのであれば、季節感のある言葉を加えて、季語の表現にする必要があります。また、「蒼穹の空」という表現が誤って使用されることもあるため、注意が必要です。
「蒼穹の空」が誤りになる理由は、「蒼穹」だけで「空」のことが表されているため、そこに「空」の言葉を付けてしまうと「青空の空」となってしまい、違和感のある表現になるので気を付けましょう。
「蒼穹」の類語にはなにがある?
「蒼穹」の類語には、意味にあった「青空」の言葉も含まれています。他にも「蒼穹」の類語になる意味を持つ言葉があるため、「青空」の意味も含めて、ご紹介していきます。
青空
「青空」の意味は2つあり、1つは「蒼穹」の意味につながる「晴れ上がり青々と見える空」の意味です。もう1つは「屋外・露天」の意味で、この意味で「青空」を用いる時は「青空レストラン」のように、他の言葉に付けて使用します。イメージとしては、「青空の下で」といった感じです。
「空」の意味に戻りますが、「晴れ上がり」というのは「スッキリした感じの晴れ」のことで、「青々として見える」は「青色がしっかりと認識できる」の意味を表しています。つまり、「青色が気持ちの良い色合いの空」が「青空」であり、「青色」のカラーイメージとして「平和」が付けられている理由となる色をした空のことです。
「蒼穹」との使い分けについては既にお伝えしていますが、「蒼穹」の「穹」に「深い・ドーム型」の意味があるため、「蒼穹」=「深い青色や円を描いて見える空」として、「青空」=「全体的に青い空」といった分け方をすると良いでしょう。
蒼空
「蒼空」の読み方は「そうくう」で、意味には「青空」の言葉があります。「蒼」は「あお」と読むことができ、一般的に使用される「青」とは同義になりますが、「青」よりも「蒼」の方が「青みが深い」意味合いを持っています。
そのことを踏まえると、深みのある青色の空を「蒼空」と言い、深みは無いが全体的に晴れた青色の空を「青空」とすれば、使い分けることができます。
「蒼空」と「蒼穹」の違いは、言葉の意味的には無いとしても問題ありませんが、「蒼穹」は「ドーム型」という要素が含まれているため、それは「青空」との使い分け方と同様に、「蒼穹」と「蒼空」の使い分け方を決めるポイントとなります。
蒼天
「蒼天」は「そうてん」と読みますが、この言葉には3つの意味が存在します。1つ目は「蒼穹」の類語に当てはまる「青空・大空」の意味ですが、「全体的に晴れて青い空」+「広いと感じる空」の意味合いがあると考えられます。
2つ目の意味は、「春の空」です。この意味は季語として用いることができるため、「蒼穹」は季語になりませんが、「蒼天」は春の季語として使うことができます。
3つ目の意味は、「天帝」です。「天帝」は「天の帝王」のことであり、「天を造り上げた」とされる「天の造物主」を示す意味になります。
「蒼穹」や「青空」など、「晴れて青い空」を表す言葉たちの中では、最も意味を多く持っています。また、「春の空」や「天の造物主」といった他には無い、特徴的な意味も持つ言葉とも言えます。
碧空
「碧空」の読みは、「へきくう」です。「蒼穹(そうきゅう)」や「青空(あおそら)」などよりも音的に読みにくい印象ですが、意味は「青く晴れた空」であり、これまでの類語や「蒼穹」と同じ意味を持っています。
「碧」は「みどり」とも読むことができるため、「青」や「蒼」と比べて「緑がかった青色」を表す時に「碧」の漢字が使用されます。水の色では水中植物などの影響で「碧(みどり)」に見えることもありますが、空ではどうでしょうか。
空の色は時間と共に変化しますが、基本は「青・蒼」であり、「緑がかった青(碧)」はイメージしにくいこともあります。しかしながら、空にもいろんな色があるもので、特に晴れの日の夕暮れには、空がさまざまな色に分かれている様子を観察することができます。
その様子を見ると、「碧天」と言われる空の存在もイメージしやすくなり、理解することもできるようになるでしょう。
碧天
初回公開日:2018年01月16日
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