「貴女」の意味と使い方・読み方・貴方と貴殿との違い|敬語
更新日:2024年10月05日
「貴女」には類語が存在していますが、完全に同じ意味を持つ言葉はありません。類語にあげられる言葉たちと「貴女」の共通点は、総じて「二人称の人代名詞」であり「敬称」である、という点のみです。そのことを踏まえた上で、「貴女」の類語たちを見ていきましょう。
貴姉
「貴姉(きし)」は、「男性が同等または年長の女性を呼ぶ敬称語」です。「女性に使う敬称」である点は「貴女」と同じですが、「男性が同等または年長の女性を呼ぶ」といった使い方に関する違いがあります。
貴台
「貴台(きだい)」は、「相手を敬って言う敬称」という意味を持ちます。「貴女」との違いは、「女性に限らない」点です。「貴台」は多く、文章上で用います。
貴君
「貴君(きくん)」は、「男性が同等や同様以下の男性に対して使う敬称」です。文章上で用いることが基本ですが、込められる敬意の程度はそれほど高くありません。軽い敬意を込めた敬称であることから、目上には使用せず、同等または同等以下の相手にのみ使用されます。
貴公
「貴公(きこう)」は、「男性が同等や同等以下の男性に対して使う敬称」です。「貴君」と似ていますが、「貴君」よりは敬意がある呼称とされています。江戸時代前期には、武士の中で「目上の男性」に対して使用する敬称でしたが、江戸末期から現代と同様の使い方になりました。
貴兄
「貴兄(きけい)」は、「男性が同輩や目上に対して使う敬称」です。文章上で用いる呼称であり、込められる敬意の程度はそれほど高くありません。高くないにも関わらず目上にも使える理由は、「親しみを込めて使う呼称」であるからです。つまり、気の知れた間柄にある同輩や目上の相手にのみ使います。
「貴女」を正しい意味で使おう!
「貴女」は「女性に使う敬称」ですが、基本的に目上には使用せず、「同輩・同輩以下の女性」に対して使用します。読み方は「あなた」と読まれることもありますが、本来は「きじょ」と読みます。「あなた」と同じ使い方をされることから「あなた」と読むこともありますが、ビジネスシーンなどの改まった場で読む時には「きじょ」の読み方が適します。
「貴方」との違いは「相手の性別」であり、「貴方」は相手の性別を問わず使用することができます。「貴女」は「同輩や同輩以下の女性に対して使用する」こと、初対面では失礼な印象になる可能性があること、名前を知っている場合は「貴女」ではなく「苗字+さん(または、様)」を用いるなど、さまざまなルールに則って「貴女」という敬称を正しく使いましょう。
初回公開日:2018年04月09日
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