「付随する業務」の例・意味と使い方・作業との違い|覚書
更新日:2024年08月28日
「付随する業務」の例は?
「付随する業務」は、職種に関係なくあらゆる業務で発生します。「付随する業務」の例を「販売」、「営業」、「総務」、「経理」の職種別に説明します。
販売では?
販売の場合、主業務は、商品をお客様に販売することです。付随する業務は、開店の準備に伴う作業、閉店後の作業、店内の整理、入荷や在庫のチェック、電話の応対や荷物の受け取り、店内外の清掃、ゴミ捨てなどがあります。
お店の備品の管理や返品やクレーム処理の初期対応もあります。また、責任を負う立場になると売上計算や販売計画を手伝うこともあります。
営業では?
営業の場合、主業務は、営業活動です。営業の場合は、主業務と付随する業務の境目がわからないくらい多岐に渡ります。社内では、電話の応対やコピー買い出し、ごみ捨てや清掃などの雑用もありますし、工場や実務の手伝いに駆り出されることもあります。
また、担当先で起こったことは、担当営業として対応に当たらなければいけません。担当先のトラブル対応やクレーム対応などもあります。担当の細かい要望にもきちんと話を聞いて対応する必要があります。
総務では?
総務の場合、主業務は、社内業務全般です。総務の場合、大企業と中小企業でその業務内容が大きく変わります。大企業では、経理や人事、購買など総務以外の社内業務部署がある場合は、文書管理や防犯防災・受付・健康管理・慶弔業務などで経営陣と現場・部署と部署をつなぎ、会社の目標を全員で目指す方向に進めます。
中小企業では、経理や人事・購買なども総務の仕事になります。総務は、何でも屋の部分があるので、メインの業務と「付随する業務」の区別が分かりにくいのが特徴です。総務の「付随する業務」は、他部署の応援やごみ捨てや清掃などの雑用です。
経理では?
経理の場合、主業務は経理業務全般です。経理の場合、会社の会計に関する全ての役割を担います。予算の管理や請求書の発行入出金の管理や売掛金や買掛金の管理、手形の発行や管理、法人税の申告、銀行への融資の申し込みなど多岐に渡ります。
経理での付随する業務は、資金運用や総務など他部署の手伝い、ごみ捨てや掃除などの雑用があります。
「付随する業務」の意味と使い方は?
「付随する業務」は、「ふずいするぎょうむ」と読みます。「付随」の意味は、付き従うことです。「業務」の意味は、職業や事業で継続的に行う仕事のことです。「付随する業務」の意味は、メインの業務に付き従う業務ということです。
「付随する業務」の使い方は、雇用契約や派遣の契約書などでよく使用されます。仕事には、主業務と付随する業務に分けることができます。主業務は、販売や営業など明記できますが、付随する業務は書ききれないので契約書には、「付随する業務」とひとくくりにされます。
その他業務内容範囲の説明にも「付随する業務」は、使われます。証券業に付随する業務や銀行業に付随する業務などです。
付随する業務でできないこととは?
メインの業務に「付随する業務」であってもできない場合があります。契約書に「付随する業務」の事項が入っているからといって「付随する業務」なら何でもできるというわけではありません。業務には、資格が必要な業務があり「付随する業務」でも無資格の者が業務に就くと処罰の対象になります。
雇う側は「付随する業務」で資格が必要な業務をさせたい場合は、資格を取らせてから任務に就かせます。業務をする側も資格が必要な業務については、しっかり把握して雇う側から資格を持っていない業務に就くことを求められた場合に、しっかり断ることができるようにしましょう。
付随する業務が解雇を防ぐ場合は?
雇用契約を結ぶ際の雇用契約書の業務内容にメインの業務内容の後に「その他これに付随する業務全般」と明記するのは、一般的には雇用側が契約当初の仕事以外の内容を社員にさせるために有効で通常は、雇用側に有利な内容ですが、雇用した社員が能力不足の場合に簡単に解雇できなくなります。
例えば、営業で社員を雇用した場合に、雇用契約書の業務内容に「新規顧客の獲得およびこれに付随する業務全般」と明記したとします。その社員が営業成績が悪く解雇しようとしたときに、解雇を不服として「解雇は無効」として裁判になった場合、業務内容の後ろに付け足した「付随する業務全般」が大きく影響します。
「付随する業務全般」に基づいて「付随する業務もちゃんと検討したか」を検証され、検討が不十分と判断されると解雇が無効になってしまいます。雇用側は、配置転換を考えない場合は、この場合は、業務内容は「営業」とすべきです。
初回公開日:2018年04月09日
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