願ってもないの意味と使い方|類語/敬語表現/例文
更新日:2024年06月15日
「願ってもない」の意味と使い方とは?
「願ってもない○○○」というセリフを見聞きしたことがある方は少なくないでしょう。「願ってもない」の言葉が使用される時は大抵良い場面の時です。「願ってもない」=「願っても無い」だとすると、「願っていないこと」もしくは「好ましくないこと」のように思われてしまいそうですが、正しくは良い場面に適した意味です。
「願ってもない」には「願っても叶いそうにないこと、または願い続けていたけど叶いそうにないことが、願い通りになって嬉しい気持ちがある」という意味があります。人は希望や夢を抱くものですが、中には理論的に考えて難しいと思ってしまう願いもあります。人それぞれに実現してほしい願いがあるということは悪いことではありません。
人は目標があって行動することができるため、夢・希望・願いを持つことは良いことです。しかし現実的に難しいと思ったとき、願うことすら諦めてしまうこともあるでしょう。そのような中で「願っても叶いそうにないことが実現になった」時、「願ってもない」の表現があてはまります。
ビジネスシーンでも使用可能!
願っても叶いそうにないことは、日常の中で生じるものです。つまり、ビジネスの中でもそのようなことは起こり得ます。例えば、ビジネスの中で予想もしていなかった好機が訪れたとき、取引先や顧客側から会社の利益になるような良いことが突然起きたときなど、いろいろな「願ってもない」ことが起きることもあるでしょう。
実際に、ビジネスシーンで「願ってもない」を使用したことがある、または見聞きしたことがあるという方は多いでしょう。「願ってもない」は「願っていない」ことではなく「願っても叶いそうにないから願うことを諦めていること」なので、「本当は実現したら嬉しいけど・・現実的に難しい。もしくは願うなんて厚かましい」というような内容が実現した時に「願ってもない」を用いて嬉しい気持ちと感謝の気持ちを示しましょう。
知っておくと便利な「願ってもない」の類語
「願ってもない」には、いくつかの類語が存在しています。ただし、「願ってもない」と全く同じ意味合いを持つ言葉はありません。だからこそ類語それぞれの意味合いを知っておくことで「願ってもない」がより使いやすくなるはずです。では、類語を見ていきましょう。
理想通りの・理想的な
「理想」とは「考えることができる最も完全なもの」のことで、完全なものというのは人や場面によって大きく異なりますが、簡単に言いますと「最も適しているもの」のことです。「通り」は「その通り」ということで「正に理想」を意味します。さらに「的」は「目当て」のことなので「それこそ理想」という意味合いを持ちます。
理想通りも理想的も同様の意味合いを持ちますが、「願ってもない」は「願っても叶いそうにないため願うことを諦めていた」というように謙遜の印象が強いため、「理想的」や「理想通り」の言葉には少し強めな印象があります。
好都合の・格好の・ちょうどよい
「好都合」は「都合が良い」ことであり、「都合」というのは「他の事柄との関係・事情・具合・くりあわせ・やりくり」などのことです。すなわち、「他の事柄に支障なく、こちらの事柄にも支障がない」ことで妨害となるものがなく適している意味合いを持ちます。
「格好」は「ちょうどよい程度や様子、または頃合」のことで、「ちょうどよい」は「過不足なく一致する・目的に合う」などの意味があります。格好とちょうどよいは「過分も不足もなくぴったりなこと」であり、「好都合」は「他の事柄と合わせてみても問題ない」ことなので多少使用される場面が異なります。
「願ってもない」と比べてみると、いずれも「理想」の類語と同じように少し強めな印象を受けます。「願ってもない」は「願うことは申し分ないけど起きたら嬉しい」ということを表しますが、「理想」や「ちょうどよい」的な意味では「謙遜の意味合いが無い上で、そのことがぴったりだ!」という気持ちを表しています。
申し分ない・文句なしの
「申し分ない」は「申し分」が「無い」ということで、「申し分」というのは「言うべき不平のこと、または言うべき点」のことを示すため、「不足点がなく完璧なので、こちらから言うことは何も無い」という意味合いがあります。
「文句なし」は「文句」=「苦情や言い分」が無いということなので、「申し分ない」と同様に「悪い部分がないから言うことはないよ」という了承の意味合いが込められた言葉です。
「願ってもない」は謙遜の意味合いが強く受け身な印象がある言葉のため、「何も言うことは無いからOK」というような「申し分ない」と「文句なし」とは使用される場面が異なります。
絶好の好機
「絶好の好機」は「絶好(この上ない良いこと)」と「好機(ちょうどよい機会)」が合わさった言葉で、物事の中でぴったりな時のことを言います。「願ってもない」の言葉だけでは少し合わない部分もありますが、「願ってもない機会」となれば意味合いとしては合います。
「絶好の好機」にはチャンスという意味もありますが、チャンスにちょうどよい機会という意味があってもその機会には偶然性の意味合いが強いです。そのため「願ってもない機会」の意味合いとしては、英語での「好機」を「opportunity(オポチュニティ)」と表すことが正しいです。
オポチュニティは好機としての機会を意味する英語で、「絶好の好機」は突然訪れた偶然のチャンスでも合いますが、「願ってもない」は相手から提示された場面で用いることが適切なので偶然というよりは単純にその機会が訪れたことを意味するオポチュニティが合います。
「願ってもない」の敬語表現とは?
「願ってもない」は、敬語表現として目上の方や顧客に対しても使用することができます。ただし、「願ってもない」だけではなく「願ってもない」の前に「提示されたことに対しての関心度の高さ」を伝えておくと、「願ってもない」からの話がスムーズになります。
「願ってもない」は「願っても叶いそうにないために願うことを諦めている」ため、いきなり「願ってもない」と言ってしまうと受ける気がないのかな?と思われてしまいます。そのため、提示された内容が本当は願ってもないことであった時にも「受ける気持ちがあること」または「嬉しい気持ち」を伝えた後に「願ってもない」を使用しましょう。相手に喜びの感情が伝わりやすくなります。
知っておくと役立つ!「願ってもない」を使った例文
初回公開日:2017年08月15日
記載されている内容は2017年08月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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