「嬉しい限り」の意味と使い方
更新日:2024年10月15日
「嬉しい限り」という言葉はビジネスシーンなどでよく耳にする言葉ですが、実際に使うときに曖昧な理解では困るでしょう。言葉は複雑なもので文脈などによって相手に意思が伝わりにくかったり、相手に不快な思いをさせてしまう可能性があります。
ここからは「嬉しい限り」を使うときに注意しておくべき点について解説します。
注意点を知ることで「嬉しい限り」を正しく活用できるようにし、望まぬすれ違いを防ぐようにしましょう。
「嬉しい限り」は口語で使うのが普通
前述したように「嬉しい限り」という言葉は話し言葉(口語体)です。電話などを含む会話で使うことは相手に敬意を伝える表現として望ましいですが、「嬉しい限り」は口語体なのでメールや手紙などの文章で使うのは不適切です。
そのような文章で「嬉しい限り」と同じような表現を使いたいときは、文語体でもある「喜ばしい限り」を使うようにしましょう。
「嬉しく思います」と使い分ける
「嬉しい限りです」は敬語ですが少し堅苦しい印象があります。その印象を和らげられる表現で「嬉しく思います」という言葉があります。
少し距離感を縮めて接したい相手には「嬉しい限りです」よりも「嬉しいです」を使うといいですが、そのうえで丁寧な表現を使いたい場合には「嬉しく思います」を使うといいでしょう。
その場の空気や状況、自分と相手との関係性に合わせて言葉を使い分けるといいでしょう。
より丁寧に表現する場合は「嬉しく存じます」
「嬉しく思います」の「思います」は、謙譲語である「存じます」をかわりに使うことでより丁寧な「嬉しく存じます」と表現することができます。
この「嬉しく存じます」は自分にとっての喜ばしい状況のときに使えたり、他人の喜ばしい状況を分かち合うときに使えたりできます。相手にとって喜ばしい出来事を自分も嬉しいと思っていることを伝えることができるでしょう。
目下や同等の人には使わない
「嬉しい限り」はこの上なく嬉しいことを表現する言葉ですが、相手と自分の立場によっては少し堅苦しい印象を与えてしまうことがあります。そのため、相手からしたら近寄りがたい人という扱いをされてしまう可能性があります。
上司や取引先など目上の方と接する機会の多いビジネスシーンでは「嬉しい限り」という表現を使うことは望ましいですが、近い距離で接したい、または接している相手には少しフランクな表現を使うといいでしょう。
「嬉しい限り」の類語 は?
ここまで「嬉しい限り」はこの上ない気持ちの心持ちであることを解説してきましたが、言葉には様々な類語が存在します。この「嬉しい限り」も例外ではありません。様々な類語を知ることで場面に応じて適切な言葉を選択できたり、相手に自分の気持ちを正確に伝えたりすることができるようになるでしょう。
ここからは「嬉しい限り」の類語について解説しますので参考にしてください。
幸い
「嬉しい限り」の類語の一つに「幸い」という言葉があります。この言葉は「幸いです」や「幸いに存じます」という形で使うといいでしょう。目上の方に対してお願いをするときや贈り物を渡すときに使われることが多いです。
しかし「幸いです」は目上の方に対する言葉としてふさわしくないとされています。使いたい場合は「幸いに存じます」の形を使うといいでしょう。
この「幸い」は柔らかく丁寧な表現とされていますが曖昧な意味の捉え方をされてしまいますので注意が必要です。相手にへりくだる形になりますので急ぎの要件などに対して使うことは避けたほうがいいでしょう。
幸甚
「嬉しい限り」の類語の一つに「幸甚」があります。「幸甚」は「こうじん」と読みます。「嬉しい限り」の類語のため、非常に幸せやこの上なく幸せといった似たような意味で使われます。
「幸甚です」や「幸甚に存じます」という表現は、目上の方に対し感謝の気持ちを伝えるときや自分の要望を伝えるときに使うことができます。
このようなことから「嬉しい限りです」と「幸甚に存じます」には違いがないのではないかと思う方も少なくないと思いますが、「幸甚に存じます」は書き言葉として扱われますので電話などを含む会話中に使う「嬉しい限り」とは逆に、手紙やメールなどの文章で使われます。
それに加えて距離感を感じさせてしまう表現になりますので、たいして親しくなかったり関係が希薄の相手などに対してかしこまる場合に使うといいでしょう。
大変光栄
「嬉しい限り」の類語の一つに「大変光栄」という言葉があります。これは誇らしく思ったり名誉に思ったりするといった意味があります。会話中だけではなく、手紙やメールなどにも使うことができます。
「大変光栄です」と聞くと、ややオーバーな表現ではないかと感じる方がいるのではないでしょうか。ですが「大変光栄です」は相手をたてることができる言葉ですので問題ないとされています。
ビジネスシーンなどにおいて敬語で対応すべき相手に対しては使うといいですが、「嬉しい限り」と同様に、目下や同等の立場の方に対しては避けたほうがいいでしょう。
感無量
「嬉しい限り」の類語の一つに「感無量」という言葉があります。この言葉は「感慨無量」と言う四字熟語を省略した形になりますが、「感無量です」という表現でも問題はないとされています。
「感無量」は出来事に対してはかりしれないほど深く身に染みた気持ちを意味します。この意味から、なかなかあることではない大きな喜びを表現しますので頻繁に使うことは避けましょう。
初回公開日:2017年07月13日
記載されている内容は2017年07月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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