貴大学の意味と使い方|貴大学・貴学・御大学・貴校の違いと使い分け
更新日:2024年10月19日
貴大学の意味と使い方
大学入試、大学院入試の面接で、また大学、学校関係への就職面接で、大学側をどのような呼称を使ったら良いのでしょうか。「貴大学」「御大学」「貴学」などが挙げられますが、どの呼称が面接では正しいのでしょうか。「貴大学」という言葉を中心に、「貴」と「御」の使い分けから説明していきます。
敬称と尊称
人を敬う気持ちの表現として、名前には「様」や「先生」を、社名には「御中」を後ろに付けます。これらを総称して「敬称」といいます。
「あなたの会社」と伝えるときその会社に対する敬意として、「貴社」「御社」を使用します。これは、尊敬の気持ちをもって表現する「尊称」といいます。会社の前に「貴」や「御」をつけますが、これらは、企業のほか、団体、協会、組織に対しても使用され、団体や組織によって尊称を変えることがあります。
大学の場合は、「貴大学」「御大学」となります。
・会社の尊称:「貴社」「御社」
・銀行の尊称:「貴行」「御行」
・協会の尊称:「貴協会」
・学園の尊称:「貴学園」
・大学の尊称:「貴大学」「御大学」
・学校の尊称:「貴校」「御校」
・信用金庫の尊称:「貴庫」「貴金庫」「御庫」「御金庫」
・病院の尊称:「貴院」「御院」
「貴」と「御」の使い方
「貴」は接頭語といわれるものになります。意味は、以下の通りです。
相手または相手に属する物を表す語に付いて、敬意をもって「あなたの」の意を表す。
出典: https://kotobank.jp/word/%E8%B2%B4-425693 | https://kotobank.jp/word/%E8%B2%B4-425693
「御」も接頭語で、名詞の前について、相手への尊敬の意を表します。お礼、お別れといった「お」よりも敬意の気持ちが強く、また改まった表現になります。「御」は日本古来の敬語表現であるのに対し、「貴」は漢文に広くみられる敬語的表現であるという違いがあります。
一般的に「貴」は書き言葉として使い、「御」は話し言葉とすることが多いです。
つまり、「貴大学」は願書や履歴書などの書面に使い、「御大学」は口頭で面接などで使うことが多いということです。
たとえば、「貴社」は”きしゃ”と読みますが、同音異義語がたくさんあります。「帰社」「記者」「汽車」「喜捨」など。他にも「貴校」と「機構」「気候」「気功」等。「貴庁」と「貴重」「基調」等。話言葉にすると、違う意味に捉えられてしまう場合があります。曖昧な言葉を使うのは失礼にあたるとされ、語弊がないように面接などでは「御」を使われます。「御社」が使われるようになったのは1990年代初め頃からで、意外と最近のようです。
貴大学の意味
よって「貴大学」は、面接などで志望する大学を指す言葉です。
「貴」が書き言葉で「御」が話し言葉とすると、履歴書には「貴大学」と書き、面接で話すときには「御大学」となりますが、「御」をつけた言葉は、口に出してみて違和感のある場合は無理に使わないことが多いようで「御大学」はほとんど使われず、「貴大学」が口頭でも書面でも使われます。
貴大学と貴学、御大学、貴校、御校の違いと使い分け
大学の場合は、「御大学」は間違いではありませんがほとんど使われず、口頭でも書面でも「貴大学」が使われると説明しましたが、「貴大学」の他にも「貴校」「御校」「貴学」「御学」などの言葉が使われるようです。ひとつひとつ説明していきます。
貴校と御校
貴校と貴学
「貴校」「貴学」とも、書き言葉に適しています。話し言葉に使っても間違いではないのですが、「貴校」は「気功」「気候」「機構」など同じ発音で別の意味を表す同音異義語が多いです。そのため話し言葉の場合は「貴校」より「御校」を使用するのがよいでしょう。
一般的に、「貴学」は特に大学のことを指す場合が多く、「貴校」は小学校から高校などの学校を全般的に指すことが多いです。「校」のつかない大学に「貴校」と尊称を用いるのは誤りになります。
貴学と御学
では、「貴学」の書き言葉に対して、「御学」は話し言葉になるかというと、「御学」は「おんがく」=「音楽」と間違えやすく、あまり耳慣れない言葉であるために相手に伝わらない可能性が大きいです。「御」をつけた言葉を口に出してみて違和感のある場合は、無理に使わなくて構いません。
大学の場合は口頭でも書面でも「貴学」を使うのが一般的です。
同じ理由で、幼稚園も「貴園」を口頭でも書面でも使うのが一般的になっています。よって、大学の呼び方は、話し言葉でも書き言葉でも「貴大学」「貴学」が使われます。
面接の際に使う貴大学
以上のことから、面接の際に大学をなんと呼べばよいのかというと、「貴大学」か「貴学」を使います。「貴大学」「貴学」ともに書面でも口頭でも使われます。ちなみに細かく分けますと、短期大学も同じく「貴大学」「貴学」を使いますが、専門学校は、「校」が付きますので、書面では「貴校」、口頭では「御校」を使います。
進路指導では、基本的に大学の呼び方は「貴学」を使うとされているようですが、実際のところは「貴学」でも「貴校」でも「貴大学」でも普通に「○○大学」といっても、それほど問題はないようです。
面接の場で大切なことは、「貴大学」か「貴学」か、もし「○○大学」とするなら、最後までその言葉で統一することです。「貴大学を志望したのは・・・」「貴学の理念を・・・」などと尊称が混在しますと、聞き手に混乱した印象を与えかねませんので注意しましょう。
面接での言葉遣いに注意
初回公開日:2017年08月08日
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