「先だって」の意味と使い方・例文|敬語表現とメール時の文例
更新日:2024年06月23日
ビジネスでは、何度もメールのやり取りを重ねることが多いため、「先だって」を使えば、前回のメールや打ち合わせ、お願いなどを示せます。
ただし、「先だって」には「先日」という意味と「前もって」という意味があるため、どちらの意味かわかりにくい用件のときは、「先だって」を使わず「先日」や「前もって」を使いましょう。
例文
・先だってご連絡させていただいた〇〇の件について、ご検討いただけたでしょうか。
・先だって提案させていただいた件、その後いかがでしょうか。
・先だってお願いさせていただいた件ですが、承知していただけますでしょうか。
「前もって」を意味する場合
「先だって」には「前もって」という意味がありますが、これは「さきだって」と読んだ場合もしくは「先立って」と書いたときのみです。
「せんだって」と読んだ場合は「前もって」の意味はないので、注意が必要です。メールや手紙のような文書では、「先だって」と書いてしまうと、読み手は文脈からしか判断できないため、「先立って」と書くか「前もって」と書きましょう。
例文
・私は先だって出発しようとした。
・これに先だって、課長からこのような事が話されていた。
・先だって録画しておいた番組をゆっくり見た。
・部長達一行は、先だって会社を出発した。
「先だって」の注意点
「先だって」を使うにあたって、ポイントを押さえておくと失敗なく、スムーズな文章を組み立てられます。「先だって」が使われている場面に出会ったことがまだない、という方は、使い方のポイントを理解し、初めてでも自信を持って使っていきましょう。
ここでは、「先だって」を使うにあたって知っておきたい使用上の注意点について解説していきます。
文脈によっては「先立ちまして」を使う
必ず「先だって」という使い方をしなければならないわけではありません。文脈を考えて「先立ちまして」という文言に変えると、丁寧な表現になります。
コンサートや観劇の前に、「公演に先立ちまして」というアナウンスを聞いたことはありませんか。「公演に先立って」とアナウンスされるよりも、丁寧な印象になります。
一般的な会話の中では「〇〇に先立って〇〇をした」という表現で構いませんが、相手が顧客や取引先の場合には、丁寧に「〇〇に先立ちまして〇〇をいたしました」という表現の方が適しています。
「先だってより」は間違った使い方に注意する
「先だってより」という使い方を耳にしたことがあるという方も多いでしょう。「かねてから」と同じような使い方として「先だってより」が使われていることは多々あります。しかし、よく使われているからといって正しい表現とは限りません。
「先だってより」の「より」は、時間の起点を示す言葉として使われていますが、「より」は比較対象として使われることもあることから、紛らわしい使い方とされています。時間の起点を示すためには「先だってから」することを推奨されています。
やや堅い表現であることを理解しておく
「先だって」自体は堅苦しい形式の敬語というわけではありませんが、古くからの表現であるため、堅い表現になってしまいます。フランクな会話の中で使っても間違いではありませんが、堅い言葉と柔らかい言葉が混在する、ちぐはぐ感のある会話になってしまうでしょう。
逆に、敬語と組み合わせて使えば、「先だって」そのものは敬語ではありませんが、ビジネスライクな堅めの文章になります。目上の人との会話やメールにしっくりくる表現となります。
「先だって」の言い換え表現
「先だって」では意味が伝わりづらいときや、文章がしっくりこないときなど、類似の意味を持つ別の言葉を知っていれば言い換えに使えます。
ここでは、「先だって」の類語として使える言葉を紹介します。「先だって」を使った文章を類語で言い換えてみて、一番相手に伝わりやすい言葉を使って伝えられるようにしておきましょう。
「先駆けて」
「先だって」の類語として使える「先駆けて」には、「 他のものより先になること」という意味があります。「先だって」の「前もって」という意味で使われている文章は概ね「先駆けて」で言い換え可能です。
例文
- 私は先駆けて出発しようとした。
- これに先駆けて、課長からこのような事が話されていた。
初回公開日:2017年07月28日
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