【ビジネス】「ご要望」の意味と敬語表現・使い方と例文
更新日:2024年09月05日
「ご要望がございましたら、お気軽にお申し付けください」など、これからサービスをする際に「遠慮せずに何でも言ってください。」という意味の丁寧な挨拶として使います。
謝罪や断りと大きく異なるのは、「ご要望」の存在が不明なところです。今「ご要望」があるかもしれませんし、今後出てくるかもしれません。「ご要望」が出てこない可能性もあります。今後お互いに良い関係を築いていくための挨拶です。
両方の意味を込めて
お客様から注意を受けて謝罪をした後に「ご要望」という言葉を使うこともできます。例えば、「このたびは大変申し訳ございませんでした。今後は〇〇様のご要望にお応えできるよう全力を尽くす所存です。」というように今後の対応を込めた謝罪です。
一度失敗してしまったが、今後は失敗のないようにするので、ぜひ良い関係を築いていきましょう。という謝罪と今後の良好な関係性を築きたいという意志の両方を伝えています。
「ご意見」との違い
「ご要望」の意味は「強くそうなって欲しいと思っている」と解説いたしました。これに似た意味として「ご意見」があります。
例えば、アンケートなどに「ご意見」として「強く〇〇して欲しいと思いました」と書かれることもあります。紛らわしい表現ですので、上手に使い分けることができるように違いを覚えておきましょう。
「ご意見」の意味
まず「意見」というのは「自分の考えや主張」のことをいいます。「ご」をつけて敬語にした場合には、お客様など目上の方の意見となります。例えばホテルに宿泊して「この部屋はきれいで居心地がいい」というのも意見ですし、「この部屋は汚いので、もっと丁寧に掃除をした方がいい」というのも意見です。
「ご意見」と「ご要望」の違い
「ご意見」と「ご要望」の大きな違いは、「相手に行動を促しているか」になります。例えば「この部屋は汚いので、もっと丁寧に掃除をした方がいい」という意見は、お客様が「強く掃除して欲しいと思っている」状態です。しかし、思っているだけで掃除をするように頼んでいるわけではありません。あくまで、掃除をした方がいいと伝えているのみとなっています。
これに対して「この部屋は汚いので掃除をして欲しい」と伝えるのが「ご要望」です。掃除をするように頼んでいます。この状態で掃除をすることができない場合には、「ご要望に沿えずに、誠に申し訳ございません。」と謝罪することになります。
言葉だけで判断しない
相手に行動を促している場合は「ご要望」、考えを伝えているのみの場合は「ご意見」です。これは、文字や言葉だけで判断するのは危険です。日本人は相手を不快にさせないために、やわらかく表現したり、遠回しに表現したりする文化を持っています。会話の流れや、身振り手振りも含めて、行動を促されているかの判断が必要となります。
先程の「丁寧に掃除をした方がいい」という言葉は、アンケートに記載されていれば、確かに「ご意見」です。しかし、ホテルでチェックインした直後に呼び出しがあり、汚れた部分を指差しながら、「丁寧に掃除をした方がいい」と言われた場合には、今掃除をするように言われている状態です。この場合は「ご要望」となります。
要請・要求・要望の違い
「要望」に似ている言葉として「要請」と「要求」があります。この3つの共通の意味は、何かが必要だと相手に求めることです。この使い分けも確認しておきましょう。
要請の意味
「要請」は、何かが強く必要だと願い求めることを言います。例えば、「鈴木さんに会長の就任を要請します」というように、鈴木さんが会長になることが強く必要なので「なんとか会長になってください。」とお願いするときに使います。
「お願い」ですので、立ち位置としては要請している人が目下、要請されている人が目上の方です。常に要請するのは目下の方ですので、「ご要請」という表現は間違った使い方となります。
要求の意味
「要求」は、当然のこととして相手に必要だと求めることです。例えば、「医者として仕事をするには医師の資格を持つことが要求されます。」というように、資格をもっていないことなどありえないと感じる場面で使います。当然に必要だと感じていることから、要求は断られることはないだろうという前提で伝えることが多くなります。
要望・要請・要求の使い分け
初回公開日:2017年11月08日
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