「失礼いたしました」の意味と使い方|類語や例文についても解説
更新日:2024年07月12日
社会人になると小さなミスから大きな失敗まで、謝罪を行うシーンは必ずと言っていいほどあるのではないでしょうか。また、「毎日謝っている気がする」「謝り慣れてしまった」なんて方もいるのではないでしょうか。
ビジネスシーンとは切っても切れない謝罪。日常的なケアレスミスで詫びる際や、誠意をもって謝罪をする際、せっかく気持ちがこもっていても言葉の使い方を間違ってしまったせいで、火に油を注いではもったいないですよね。
本記事では、特に日常的に使う機会の多い「失礼いたしました」という言葉について、正しい使い方や使い分けの方法を紹介します。
この記事を読むことで、「失礼いたしました」という言葉を使うべき適切な場面で正しく使いこなすことができるようになるでしょう。
よく耳にする言葉だからといって、正しく使いこなせているとは限りません。「自分は大丈夫」と思っている方もこの機会にぜひ一度目を通して、理解度をチェックしてみましょう。
「失礼いたしました」の意味
「失礼いたしました」は相手への礼儀に欠けること、無礼なことをしてしまったとき、また、先に立ち去るとき、その行動を詫びる言葉です。
そもそも「失礼いたしました」の「失礼」には、「他人に接する際の心得をわきまえていないこと」「礼儀に欠けること」という意味があります。また、「他人のもとを立ち去ること」という意味も持ちます。
「失礼いたしました」という言葉は、「失礼」という言葉と「いたしました」という言葉を組み合わせたフレーズです。「いたします」は「する」の謙譲語「いたす」と、丁寧語の「ます」を組み合わせた言葉であり、その過去形が「いたしました」となります。
謙譲語で自身をへりくだったうえで、さらに丁寧語を組み合わせることで、無礼をしてしまった相手への敬意を示している言葉ということですね。
自分の行いをへりくだって詫び、さらに丁寧語を加えることによって、相手に対する敬意を表しています。そのため、目上の上司やクライアントとの電話、メール等のコミュニケーションで目にすることが多い表現でしょう。
「失礼いたしました」の使い方と例文
自らをへりくだらせて丁寧に詫びる「失礼いたしました」という言葉。ビジネスシーンで頻出のキーワードですが、使い方には注意が必要です。
謝罪のニュアンスは含むものの、正式には「失礼いたしました」は謝罪をするときに使う言葉ではありません。重大なミスを犯してしまった際、正式に深く謝罪しなければならない際などにうっかり使用しないように注意しましょう。
ここではニュアンスが難しい「失礼いたしました」の使い方を、シーン別に例文と併せて紹介していきます。
電話で伝える場合
電話でも「失礼いたしました」と伝えることはよくあります。
例えば先方から電話が来たとき、不在にしていて折り返し連絡をする場合は「先ほどはお電話をいただいたのに出ることができず、大変失礼いたしました」や「先ほどはご連絡をいただいたのに、直ぐにご対応できず失礼いたしました」などと使います。
ここでは「いただく」と「いたしました」という謙譲表現が用いられています。
またこちらから電話をした場合も「お忙しい中、大変失礼いたしました」と締めくくりの挨拶のように、使うこともあります。
メールで伝える場合
メールでも、「失礼いたしました」はよく使うことがあります。例えば思ったより返事が遅くなってしまった場合などは「お返事が遅くなり大変失礼いたしました」と使用します。
また大勢の方が集まる席だったり場合などに、慌ただしくて丁寧なあいさつができなかった相手に対しては後日「先日は〇〇で挨拶もままならず、失礼いたしました」とちゃんとあいさつをすることができなかった失礼に対して謝罪の意をメールで伝えることもあります。
また別の方に送るメールを誤って送信してしまった場合や添付ファイルを間違えてしまった場合なども、誤って送信、もしくは間違って添付してしまった内容のを伝える際に「大変失礼いたしました」と付け加えて謝罪の意を伝えます。
例えば「先ほどは手違いで誤ったファイルを添付してしまい、大変失礼いたしました」などと使います。
相手に迷惑をかけた場合
正式な謝罪には不向きの「失礼いたしました」という言葉ですが、相手に迷惑をかけてしまった際にも、一般的によく使われています。
例えば相手の話を中断してしまった際や、相手を案内するのが遅くなってしまった際、「途中で遮ってしまい失礼いたしました」「ご案内遅くなりまして失礼いたしました」などと使います。
また、接客をしていてお客様と肩がぶつかってしまった、物理的に迷惑をかけてしまった際にも「失礼いたしました」と軽く会釈するようなシーンはよく見受けられます。
このように、相手に迷惑をかけた場合にも使える「失礼いたしました」ですが、明らかに実害が出てしまった際には不適切にあたるため、別の言葉で言い換えて謝罪するようにしましょう。
「失礼いたしました」を使う場合の注意点
「失礼いたしました」は謙譲語でへりくだった詫びの表現であるものの、深刻でかしこまった場面での使用は不適切であるため、注意が必要です。
せっかくの謝罪で相手のさらなる怒りを買ってしまわないためにも、「失礼いたしました」を使う場合の注意点をチェックしていきましょう。
「申し訳ありません」と同じ意味ではない
「失礼いたしました」は「相手に対して礼儀を欠いてしまったこと」に対して詫びる言葉のため、その行為や事象の内容自体について謝罪していることにはなりません。
お客様からクレームを受けてしまった、失態を犯して上司を怒らせてしまったという場合は「申し訳ありません」を使うようにしましょう。
重大なミスに対してはフレーズを変える
重大なミスが起こってしまった場合は、上記の「申し訳ありません」以外のフレーズも使い分けましょう。
例えば、「心より謝罪いたします」は「罪や過ちを詫びること」という意味の「謝罪」に、敬語表現の「いたします」を加えた言葉です。「失礼いたしました」と比べると、より「罪を詫びる」という意図があるフレーズになるでしょう。
また、「猛省しております」は「厳しく反省すること」という意味の「猛省」に、こちらも敬語表現の「しております」を加えた言葉です。
「猛省」は「反省」という言葉と似ていますが、「反省」よりも激しく自分をかえりみる、振り返ってみるというニュアンスになりますので、「反省しております」だけでは足りないほど非を振り返って認める必要がある場合は「猛省しております」を使いましょう。
初回公開日:2017年11月14日
記載されている内容は2017年11月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。