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「いただく」と「頂く」の意味の違いと使い分けの方法

更新日:2024年10月11日

「いただく」と「頂く」の違いをふだん意識して使いわけているでしょうか。今回は「いただく」と「頂く」の意味と使い方の違いをご紹介します。よく使う言葉であるからこそ正しく使えるようになりましょう。小さいことの積み重ねが常識のある社会人への近道です。

「いただく」と「頂く」の意味の違いって何?

「いただく」、「頂く」という言葉は日常で非常によく使う言葉です。口に出すときは意識する必要はありませんがお礼の手紙を書くときなどは、漢字にするのかひらがなのままでよいのかわからないまま使ってしまいます。「いただく」と「頂く」のあいだにはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

「いただく」には補助動詞として、「頂く」には「『もらう』の謙譲語」、「『食べる』『飲む』の謙譲語・丁寧語」としての意味があります。「いただく」と「頂く」のこの意味の違いが、使い方の違いにも大きく影響してきます。使い方も確認してしっかりと使い分けられるようになりましょう。

「いただく」と「頂く」の使い方の違いとは?

「いただく」の使い方

「いただく」は補助動詞として使います。その補助動詞のなかにも3つの使い方があります。どのように使えばよいのでしょう。

「~て(で)いただく」

動詞の連用形を受けて「~て(で)いただく」の形で使います。1つは人から何かしらの恩を受けるというような意味合いで使用します。例えば「上司にほめていただいた」、「川でおぼれたときに助けていただいた」などです。またもう1つ受け手の意志に基づく動作の場合、「こちらに来ていただこう」、「今日は楽しんでいただきたい」というように使うこともあります。

「お~いただく」「御(ご)~いただく」

動詞の連用形を受けて「お~いただく」、サ変動詞の語幹を受けて「御(ご)~いただく」の形で使います。これは人にその動作をしてもらうという意味合いで使用します。その動作が動作する人間の意志によってもたらされる場合です。

例えば、「わざわざお越しいただいきありがとうございます」、「御心配いただきましたがもう大丈夫です」などです。またその動作が受け手によってもたらされる場合、「しばらくお待ちいただけると助かります」、「ボランティアに御協力いただきたい」のように使います。

「~させていただく」

「~させていただく」の形で使います。相手に自分がしようとする動作について許してもらおうとする謙譲の意味合いで使用します。例えば「私が生徒会長を務めさせていただきます」、「この場所を少し貸していただきたいのですが」などです。

以上の3つが「いただく」の補助動詞としての使い方になります。

「頂く」の使い方

「頂く」は「『もらう』の謙譲語」と「『食べる』『飲む』の謙譲語・丁寧語」の2つの使い方があります。こちらはどのように使うのでしょうか。



「『もらう』の謙譲語」としての「頂く」

「『もらう』の謙譲語」としての「頂く」は、目上の人からお金やものをもらうことや恩を受けることを、受け手を下げていう言い方です。「○○さんからお土産を頂く」、「会費として5000円頂きます」といったように使います。

「『食べる』『飲む』の謙譲語・丁寧語」としての「頂く」

「『食べる』『飲む』の謙譲語・丁寧語」としての「頂く」は、「もうおなか一杯頂きました」、「お昼御飯は実家で頂いてきました」のように使います。

以上2つが「頂く」の使い方になります。

公用文で使うのは「いただく」と「頂く」どっち?

公用文では、「いただく」「頂く」のどちらも使います。どちらかしか使ってはいけないということはありません。しかしむやみに使っても良いというものでもありません。具体的にどのように使い分けるのかというと、それは上で紹介したそれぞれの使い方と全く同じです。

例えば「プレゼントをいただく」という文の場合の「いただく」は、「頂く」となります。理由はこのときの「いただく」は「もらう」の謙譲語としての意味を持つからです。

同様に「夕飯は中華をいただきました」の「いただく」は、「食べる」の謙譲語・丁寧語としての意味を持つため、これも「頂く」となります。

それでは「先生にはたくさんのことを教えていただきました」のときの「いただく」はどちらでしょうか。これは「他人から恩恵となるような動作を受け」ているようすを表す文であり、補助動詞として使われているので、「いただく」を使います。

このようにどのように「いただく」という言葉を使っているかによって、「いただく」と「頂く」を使い分けます。覚えてしまえば簡単です。

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初回公開日:2017年11月14日

記載されている内容は2017年11月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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