「重々」の意味と使い方・類語と同義語・敬語|承知/お詫び
更新日:2024年09月08日
「重々」を使用した用例を紹介します。先程お伝えした使い方を踏まえての用例になるため、「重々」を実際に使用する際の参考にしてください。それでは、「重々」の用例を見ていきましょう。
承知しております
「重々承知しております」は、「十分に分かっています」の意味を持ちます。「承知」は「願いや要求を聞いて引き受ける」意味で使用されることも多く、「承知しました(その要求を引き受けます)」といった使い方もビジネスシーンではよくされますが、もう1つの意味として「その内容を知っている・事情を知っている」の意味もあります。
「重々承知しております」は「十分に知っています」ということで、「その内容・事情をちゃんと分かっていること」を表す言葉になります。「承知」を使って「知っている・分かっている・引き受ける」を示す相手は目上ですので、同僚や部下には「知っています・分かっています」などを使います。すなわち「重々承知しております」は、目上の相手に使用するということです。
気を付けます
「重々気を付けます」は、使い方でご説明した注意の項目で触れた「重々注意して」と同じ意味を持つ表現です。「注意」というのは「そのことに集中する」ことであり、危険を回避したり、適切な対処ができるようにするといった意味合いが含まれています。「気を付ける」は「注意を払う」ことであり、それは「用心」とも言います。
「注意」と同義と考えて問題ありませんが、「注意」の方が「危険がある」ということが示されており、「気を付ける」には「危険があるかもしれない」といったように危険の存在が明確ではありません。
したがって、「気を付ける」の方が「注意」よりも状況的な危険度は明らかになく、念のためにといったニュアンスが強くなります。一般的に使用するとすれば、「気を付ける」が無難な表現です。
分かる
「重々わかる」は、「十分に分かっている」ということです。「重々分かっています」や「重々分かっております」といった形にして、使うこともできます。「重々承知しております」も「分かっている」を表すことができる言葉ですが、この表現は目上の相手に使用すると言いました。
「分かる・分かっている・分かっています・分かります」は同僚といった同じ立場の相手か、部下に対して使用することが基本です。「分かっております」の「おります」は「います」をより丁寧にした表現で、分類としては丁寧語ですが、基本的に目上の相手に使用します。
「重々」を敬語で使う時には!
これまでにお伝えした使い方や用例を見ると分かりますが、敬語を使用する中で「重々」の言葉を使用することはできます。「重々」自体には「お」や「ご」を付けて丁寧さを込めるということができないため、敬語の中で「重々」を使う時には、一緒に使う言葉が重要な部分になります。
目上に対して「十分に分かっています・十分に知っています」を伝えるのであれば、「承知」を使用します。同僚や部下には「承知」は使用せず、「分かっています」などを使用します。このように「重々」ではなく、「重々」と共に使用する言葉の丁寧さに気を付けると良いでしょう。
「重々」の類語は?
「重々」の類語には、「十分に」「よくよく」などがあります。特に似ているのは「十分に」で、この言葉は「重々」の意味そのものです。「重々」の意味の1つとしてある「十分に」は「足りないところがない(満たされている)」の意味で、ビジネスシーンでもよく使用されている意味です。
「よくよく」は「よくよく見ると」などの使い方がよくされますが、意味は「十分に・慎重に」で、「重々」=「十分に」と同義になります。しかしながら、「よくよく」にはもう1つの意味があり、それは「(悪い意味で)甚だしい」です。「十分に」は同じですが「よくよく承知しております」といった使い方はあまりされないため、使い時は異なるものと言えます。
「重々しい」の類語・同義語は?
「重々」に「しい」と付いた「重々しい」という言葉もありますが、この意味は「(重量的に)重そう」「落ち着いて堂々としている」「威厳がある」「重要」です。読み方は「おもおもしい」であり、「じゅうじゅう」とは読みません。
考えが浅くて責任感を疑うような人を「軽々しい」「軽率」などと言いますが、「重い」は「重量的に重い=風で動きにくい=落ち着き・威厳・価値あり」というイメージがされ、「軽い」は「風で動きやすい=留まらない・低価値」というイメージが付けられていることが、「重々しい」の意味に結び付きます。
類語いろいろありますが、「いかめしい」「重厚」などがあります。「重厚」は「重々しく落ち着いてる」の意味であり、「重々しい」と同義です。「いかめしい」は「近寄りがたいほどの威厳・厳しい」で、「重々しい」よりも「厳しい」感じが含まれます。基本的には「重々しい態度・雰囲気」といった使い方がされます。
「重々」を適切に使おう!
「重々」は「じゅうじゅう」とも「おもおも」とも読めますが、ビジネスシーンでは「じゅうじゅう」として、「十分に」の意味で使用することが多いです。たとえば、「重々気を付けます(十分に注意・用心する)」「重々承知しております(十分に知っている・分かっている)」など、「十分に」=「足りないところなく」の意味で使用されています。
「重々しい」として使用する場合は「落ち着いて堂々としている」「威厳がある」「感覚的に重たいと感じる雰囲気」などの意味で使用することができるため、「いかめしい・厳しい・厳しそうな」人・表情・態度・雰囲気などを表す時には、「重々しい」を使用してみるのも良いでしょう。
初回公開日:2017年12月19日
記載されている内容は2017年12月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。