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「参ります」の意味と5つの用法・例文|「伺います」との違い

更新日:2024年01月29日

「参ります」はビジネスシーンでもよく用いられる言葉ですが、意味が逆と捉えられる「行く」と「来る」の意味を持っています。そのため、使用の際は一緒に使う言葉によって意味が決まります。「参ります」の意味と使い方、「伺います」との違いなどについてご紹介しました。

5.「肉体や精神が弱る」の意味

「参ります」には、「体調が悪くなる」「精神的に疲れる」という状態を表す意味も含まれています。「困惑する」という意味の「参ります」と同じような用法で使います。

「今年の酷暑には参ってしまった」という場合、「夏が暑すぎて体調を崩してしまった」という意味を表しています。「ストレスで参ってしまう」という場合は、「ストレスで精神的に弱ってしまう」という意味です。

「参ります」の例文

それでは、ここからはビジネスシーンでよく用いられる「参ります」の例文をご紹介していきます。これらの表現はそのまま使っても良いものばかりなので、ぜひ活用してみてください。

ビジネスシーンでは、人や物の行き来が毎日のように起こります。従って、この「移動」に対して用いることのできる「参ります」という表現は、当然頻繁に用いられることになります。ここで使い方をマスターしてしまいましょう。

「すぐにそちらへ参ります」

「すぐにそちらへ参ります」は、「すぐにそちらへ行きます」の謙譲語表現です。自分が処理している案件に関係することで、離れた場所で何かトラブルが起き、外部の人や目上の人から連絡を受けている状況を思い浮かべてください。

ここでの「参ります」は1つ目でご紹介した「行きます」という意味で使われています。ビジネスシーンでは、自分が駆けつけることが求められるシーンがよくあります。そんなときにこの例文を用いましょう。

「お迎えの車が参りました」

「お迎えの車が参りました」は、「お迎えの車が来ました」の謙譲語表現です。目上の人や、ゲストの方のために車を手配していて、その到着を伝えるときなどに使う表現でしょう。

ここでの「参ります」は、2つ目でご紹介した「来ます」という意味で使われています。「行く」と「来る」の2つの意味は、ビジネスシーンで使われる「参ります」のほとんどを占めていると考えても良いでしょう。

「夏の暑さには本当に参ります」

「夏の暑さには本当に参ります」は、「夏の暑さには本当に煩わされます」という意味です。ここでの「参ります」は謙譲語ではありません。

この用法での「参ります」は、4つ目でご紹介した「困惑する」と、5つ目でご紹介した「肉体や精神が弱る」という意味のどちらでも受け取ることができます。暑さに困るのと、暑さで気持ちがマイナスの方向に動くというのは、本質的には同じなのでどちらでとっても良いでしょう。

「残業続きで参っています」

「残業続きで参っています」は、「残業が続いて体調を崩しています」または、「残業が続いて精神が弱っています」という意味です。残業続きの状況は体力も消費しますし、精神的にも疲れてしまいます。

ここでの「参ります」は、5つ目でご紹介した「肉体や精神が弱る」という意味で用いられています。ただ、肉体的な疲れよりも精神的な疲労の方を表すことの方が多いでしょう。

「頑張って参ります」

「頑張って参ります」は「頑張ってきます」の謙譲語表現です。大会など、「本番」に出向く前に「精一杯努力する」「ベストを尽くす」ということを宣言する目的で言うことが多いでしょう。

決戦の場に行って、良い結果を残して「帰って来る」というニュアンスをもつ表現であることから、ここでの「参ります」は2つ目でご紹介した「来る」の謙譲語としての用法であると言えるでしょう。

「取り組んで参ります」

「取り組んで参ります」は「(これから)取り組んでいきます」という意味を表しています。会社の経営方針を公表する場面などで「このようにしていく」「これから頑張ります」ということを宣言するときに使うことが多いでしょう。

これから取り組んで「行きます」というニュアンスを持つ表現であり、ここでの「参ります」は1つ目の「行く」の謙譲語としての使い方であると言えるでしょう。

「参ります」を使用する際の注意点

「参ります」は、以上のように幅広い場面で用いることができる言葉ですが、使用する際には注意する点がいくつかあります。以下に注意点を述べていきます。

「参ります」は、誰でも知っているような基本的な敬語表現です。したがって、この使い方を間違えてしまうと、「教養のない人」と思われてしまう可能性があります。このようなことで評価を落とさないよう、正しく用いましょう。

自分よりも目上の相手に用いる

「○○して参ります」「こちらから参ります」などのように、「行く」「来る」の意味をもつ「参ります」は謙譲語なので、自分よりも目上の相手と話しているときに使います。会社の外部の人は基本的に目上として扱います。

自分の同僚や部下には「参ります」を使うことはありません。使ってはいけないというルールはありませんが、相手には違和感を感じさせてしまうでしょう。

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初回公開日:2017年11月28日

記載されている内容は2017年11月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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