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「ご相談」の意味と使い方・間違った敬語・メールの書き方

更新日:2024年01月30日

ビジネスの世界でごく日常的な表現の1つとして挙げられるのが「ご相談」です。取引先や社内の上司などに相談する際にもよく使われますが、その反面うまく使いこなせない人も少なくありません。今回は、ビジネスで使える「ご相談」の意味や使い方などを見ていきましょう。

「ご相談がございます」

一見すると相談を持ちかける相手に対して多大な敬意を払っているように見えますが、こちらは流れの問題で考えると、あまり自然なものではありません。「ご」が2回連続して続いているためか、非常に言いづらく、その分不自然に見えるためです。

そのうえ、「ございます」自体が「ある」の丁寧語であることから考えますと、二重敬語という形を取っているということとなり、この点においても「ご相談がございます」は不自然さが目立った表現といえます。

そのため、適切な形に言い換えるのであれば「相談がございます」というように「ご相談」の部分を普通の表現である「相談」に直して使えば自然な流れとなります。

「ご相談に乗ってください」

どちらかといえば直属の上司など比較的近い存在の目上の方に対して使いそうになるような表現ですが、実はこの使い方は誤りです。

その理由として、「ご相談」というものが謙譲の表現であるという点に在ります。献上の表現は自分をへりくだらせることで相手を相対的に持ち上げる効果があります。

しかし、「ご相談」の後に「乗ってください」がつくと、「ご相談」が謙譲語の表現ではなく尊敬語の表現に変化します。そうなると、全体的な意味合いまで変わってきます。つまり、「(お客様などの)ご相談に乗ってください」という意味になり、このようなことを上司に伝えればもちろん厳しく指摘されるのがオチです。

このため、適切な表現である「ご相談をしてもよろしいでしょうか」「ご相談させていただいてもよろしいですか」などを使うようにしましょう。

「ご相談」のメールでの書き方

「ご相談」という表現は口でいうだけでなく、ビジネスメールなどで書き言葉として使われる場合も少なくありません。

ここでは、メールを送る際にどのように「ご相談」という表現をうまく使うかについて見ていきましょう。

普通のビジネスメールの場合

普通にビジネスメールで「ご相談」を使う場合は、正しい敬語の表現の使用を心がけることはもちろんのこと、状況に応じてうまく「ご相談」の敬語の形を使い分けることが大切です。特に正しい敬語を使うという点は、メールという書き言葉を駆使するツールでは非常に大切となってきます。

そのため、こちらから何らかの相談を持ちかけるときは「ご相談させていただきたく存じます」や「お客様からこのようなご相談がございました」というように、主語と「ご相談」の組み合わせは特に注意を払うべきといえます。

なお、「ご相談させていただきます」という表現についてですが、いきなり件名や最初の文などに説明もなしに書くことはリスクがあります。なぜならば、この表現は「ご相談させていただく」ということに相手の了承を得ていることを前提に使われるためです。特に相手にご相談する了承を得ていない場合は使わないほうが賢明といえます。

英語でのビジネスメールの場合

ビジネスメールを使う方の中には、海外の方と英語でやり取りするという人もいるのではないでしょうか。英語では「ご相談」についてどのように表現すればよいのでしょうか。

まず、何らかの相談事を相手に持ちかける場合は、「I would like to ask you.」や「I need to ask you.」といった非常にシンプルなフレーズを使うことが大切です。両方とも「人に尋ねる」を意味する「ask」が使われていますが、これは「お尋ねしたいのですが」が転じて「ご相談したいのですが」という意味に変化したためです。

一方で、何らかの依頼をする意味での「ご相談」を英語でする場合は、「Would you please」や「Could you please」といった英語の表現の中でも丁寧さのこもった表現を使うとよいでしょう。なお、「Will you」はかなり命令口調で上から目線なニュアンスのある表現で有るため、極力使うのを避けるようにしてください。

「ご相談」はTPOをわきまえて

ビジネスの世界でよく用いられる表現の1つとして挙げられる「ご相談」の意味や使い方などについていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?

「ご相談」という表現は直接の会話や電話口、メールなどに関係なく日常的によく使われる反面、使ううえでの間違いも頻繁に起こりやすい表現といえます。特に尊敬語として使う場合と謙譲語として使う場合とでは、どのような使い方をすればよいか悩むことも少なくないのではないでしょうか。

そういう時は主語と「ご相談」の尊敬語、もしくは謙譲語の表現の組み合わせで使い慣れてみることが大切です。この点に留意しながら使えば慣れていくことができます。

そして、「ご相談」は使う際のTPOをわきまえることが大切です。TPOをわきまえた「ご相談」の使い方ができることによってビジネスがうまくいくことも多いです。ビジネスでは相談事が日常的ですので、ぜひともうまく「ご相談」を使いこなすようにしましょう。

初回公開日:2017年12月02日

記載されている内容は2017年12月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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